外国人材を採用する時の人材の見極め方とは?

MG-HUB第3回勉強会レポート

外国人材は日本語能力含め印象だけで評価されやすい――「外国人雇用の点と点を繋ぐ、集合知コミュニティ『MG-HUB』」第3回勉強会の講師・日本エス・エイチ・エル株式会社・武田氏は外国人材の採用の特徴についてこのように伝えました。
本記事では、外国人材の採用時に本来見なければならないポイント、日本人の選考とは異なる注意点について、MG-HUB勉強会の内容の一部を紹介します。

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日本語能力だけで外国人材の能力を判断していませんか?

コミュニケーション能力が高く、日本語能力も申し分なし。面接の時に好印象だったのに、いざ働き始めたらうまくいかず早期退職…外国人材を採用したことのある方はこのような経験が少なからずあるのではないでしょうか。外国人材は日本語能力による印象で評価されやすい傾向にありますが、実際には日本語能力が高い人材がかならずしも業務適性が高いとは限りません。

本来どこをどう見て評価しなければならないのでしょうか。また、日本人人材の採用と何が異なるのでしょうか。

ある製造会社の事例

MG-HUB第3回勉強会_事例

外国人材を採用した実際の例を紹介します。従業員200名のある製造業の会社に採用された外国籍のAさん。外国人含む工場勤務のスタッフの監督・リーダー役を募集していた会社に工場ラインマネージャーとして採用されました。Aさんには会社が求めるレベルの日本語能力あったほか、製造業工場での業務経験や明るく積極的にコミュニケーションが取れる点が評価され、採用が決まりました。しかし、働き始めると上手くいかず、1年たたずにAさんは退職してしまいました

なぜ退職に至ったのか、どうしたら退職を防げたのか

なぜ、Aさんは退職に至ってしまったのでしょうか。また、どうすれば退職を防げたのでしょうか。

参加者からは、退職理由は「Aさんに監督・リーダーの経験が不十分で、会社のサポート体制も不十分だったのではないか」「日本人だと絶対にわかっているだろうと思っていたことが、Aさんに通じていなかったのではないか」という意見が出ました。また、退職を防ぐ方法としては「サポート体制を整える」「現場の日本人スタッフとAさんとで意見交換をすべきだった」という意見があがりました。

当時の担当者によると、入社当初は工場スタッフとAさんの関係性は良好で、コミュニケーションは問題なく取れていたそうです。しかし、Aさんと事前にラインマネージャーの業務内容についてすり合わせができてなかったことが反省点だったといいます。ラインマネージャーとして生産計画の立案や進捗管理をやってもらわなければいけませんでしたが、それができるかどうかAさんへの確認が実はできていませんでした。その結果、次第に業務が滞り、職場の雰囲気が良くない状態になってしまいました。Aさん自身、うまくいない場合はその職場で何とかしようと考えるより自分の特徴が活かせる別の職場に切り替えようと考えていたこともあり、Aさんは退職に至りました。

では、どうすればAさんの退職を防げたのでしょうか。

まず、入社時にラインマネージャーとして何を求めるか、リーダー役の経験があるかをAさんに確認する必要があったでしょう。また、職場の雰囲気や業務内容の詳細をAさんに知ってもらうべきでしたし、会社側もAさんの考え方をもう少し深く知っておくべきだったと思われます。

日本語能力が高い≠業務適性がある

この事例から言えるのは、日本語ができるからなんとなく人物的に良さそうだと判断して採用したが、仕事に必要な能力が足りてなかったということです。 思い込みで良さそうだと思って採用すると、すれ違いが起きてしまうことがあります。事前に双方ですり合わせることで退職のリスクを抑えることができます。また、なんでもできる優秀な人材が潤沢に存在しているわけではないので、会社として相手に何を求めるかを整理しておくことが必要になります。

人材の見極め方―外国人材採用の選考時の注意点

では、外国人材を採用する時はどのような点に注意すればよいのでしょうか。武田氏は注意点を3つあげています。

バックグラウンドの違いからミスマッチが起こりやすい

選考時の見極めの注意点をお伝えするために、まずは日本人と外国人で何が異なるのかを比較して解説します。

学歴を例に取ると、日本人の場合、出身大学である程度の知的能力レベルを予測できます。一方で外国人の場合、海外の大学の出身校を聞いても知的能力レベルをイメージすることは難しいでしょう。そもそも、国によって進学率や入学方法などが異なります。それらの情報によってその大学がどの程度の知的能力レベルをイメージできるのかが変わってくるので、学歴だけでは判断しにくいのです。

このように、日本人と外国人では背景情報が異なるので、日本人の選考時には確認しないようなことも外国人の選考時には1つ1つ確認しなければなりません。日本人の場合でおそらくこういう人だろう…とイメージする部分が外国人の場合通用しないことを理解する必要があります。

国民性ではなく、個人の特性を確認する

MG-HUB第3回勉強会_見極め方

エス・エイチ・エル社が保有する性格適性テストの結果で、日本人のデータから算出された点数と多国籍の比較集団の点数を比較すると、性格的特性の一部に違いがあることが明らかになっています。

では、仮に日本人が苦手とする特性のある人を採用したい場合に「日本人はこの特性から採用しない」と判断をしますか?

おそらく、多くの方が日本人の中でもその特性を発揮してくれる人を採用したいと考えるのではないでしょうか

重要なのは、どこの国出身の人材かではなく「どんな人材を採用したいか」をまず考えることです。国民性・民族性の違いではなく、対象者個々人の特性を細かく確認することが人材の見極めに最も重要なポイントになります。

採用したい人物像の具体的なイメージを持つ

個々人の特性を見るポイントを見極めるために、まずは会社としてどのような人材を採用したいかの具体的なイメージを持つことが大切です。これは日本人か外国人かに関わらず重要な観点ですが、「誰でもいい」ではなく、会社としてどんな人を採用したいかを考えましょう。どんな人に来て欲しいかの採用基準がないと、選び方がぶれてしまいます。

人材を見極める方法

人材を見極めるには、面接時に様々な角度から質問することで、表面的な情報からは見えない部分を深掘りすることが重要です。

また、適性テストを活用して業務に必要な能力を持っているかを確認する方法もあります。ここでは、適性テストを活用する時の注意点をご紹介します。

適性テスト活用する時の留意点

適性テストには知的能力を図るテストとパーソナリティを図るテストがあります。外国人か日本人かに限らず、適性テストを活用する時は以下に注意してください。

知的能力テストの注意点

  • 能力スコアが高い人が優秀な人材とは限らない

能力スコアが高い人がどんな場面でも優秀な人材というわけではありません。スコアが高いことはその能力科目においては能力があることを示しますが、実際の仕事の場面で優秀かどうかに繋がるわけではないことは認識しておきましょう。

  • 適性テストは業務上必要な能力があるかの確認に活用する

仕事に関係のない能力を持っているかを確認しても意味はありません。仕事で必要な能力があるかを確認する手段として適性テストを活用しましょう。

パーソナリティテストの注意点

  • パーソナリティテストは自己認識

パーソナリティテストは「自分が自分のことをどのように思っているか」の自己認識から結果が出力されます。場合によっては、まわりの人が感じる印象と異なる可能性もあります。

  • スタイルであって能力の有無ではない

テストの結果は絶対的な個人の能力をあらわすものではなく、その人のとる行動の傾向を示す内容です。評価する為ではなく、特徴を把握するために活用しましょう。

  • 結果には誤差が生じる

回答する際の心理状況によって回答結果には多少の変動が生じます。また、統計処理した上での結果のため多少の誤差が発生するので、絶対的なものではないという認識で結果を確認してください。

まとめ

外国人を採用する際、まずは彼らが日本人とバックグラウンドが異なる人材であることを認識しましょう。育ってきた環境が違うので、文化的な違い・考え方の違いが当然ながら起こり得ます。その上で、出身国や日本語能力など一部の表面的な情報だけで人物像を想像するのではなく、見えない情報を面接などで細かく確認して、一人ひとりの特性を見極めることが非常に重要です。どんな観点でその人の特性を見るのかを決めるためにも、会社としてどんな人を採用したいかの考えを持ちましょう。採用したい人物像を決めた上で、採用したい人をどう確認するか具体的な方法も持っておくとよいです。

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