特定技能2号とは?取得条件や試験情報を解説
特定技能2号の分野が2023年に追加され、2分野から11分野へ大きく広がりました。現在は分野ごとに随時試験がスタートしており、試験の内容や要件、合格者数などの情報を気にしている方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、特定技能の中でも2号に絞って概要や試験にまつわる情報などを紹介していきます。
目次
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特定技能2号とは
特定技能2号とは人手不足の深刻な分野において外国人の就労を認めた在留資格「特定技能」の「2号」です。
「特定技能1号」もありますが、「特定技能2号」は更に習熟した技能と経験を持った外国人でなければ取得できません。
特定技能2号は豊富な実務経験を持ち合わせている、または現場でリーダーポジションを任せられるような人材が取得できる在留資格で、特定技能1号よりもより多くの権利を与えられています。特定技能創設直後は「建設」と「造船・舶用工業」の2分野のみ対象でしたが、2023年に11分野まで対象を拡大しました。
介護分野は特定技能1号のあとにステップアップできる在留資格として「介護」があるため、2号の対象外となっています。
ビルクリーニング、
工業製品製造業(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業)
建設
造船・舶用工業
自動車整備
航空
宿泊
農業
漁業
飲食料品製造業
外食業
特定技能1号と特定技能2号の違い
特定技能1号と2号の違いは7つあります。
特定技能1号 | 特定技能2号 | |
---|---|---|
在留期間 | 通算5年まで 1年・6カ月・4カ月ごとの更新 | 更新の上限なし 3年・1年・6カ月ごとの更新 |
永住権の取得 | できない | 要件を満たせる可能性がある |
技能水準 | 相当程度の知識又は経験を必要とする技能 | 熟練した技能 (各分野の技能試験で確認) |
外国人支援 | 必須。支援計画の策定実施は義務 | 支援計画の策定実施は不要 |
家族の帯同 | 不可 | 条件を満たせば可能 |
日本語能力水準試験の有無 | ある | ない(分野によってはある) |
試験の実施状況 | 国内外で実施中 | 主に国内で実施中(一部未実施) |
特定技能1号では在留期限が通算5年ですが、特定技能2号は更新の上限がなくなり、家族帯同も可能になります。また、特定技能2号は永住権取得のための要件を満たせる可能性があるほか、特定技能1号では必須であった支援計画の実施が2号では不要です。
特定技能2号を取得するメリット
特定技能2号を取得するメリットは複数ありますが、特に注目すべき点は以下です。
- 特定技能2号を取得するメリット
- 在留期間の更新回数は無制限
- 要件を満たせば家族帯同が可能
- 特定技能1号から2号へのキャリアステップが明確になり、キャリア形成ができる
- 永住権取得のための条件を満たせる可能性がある
見ていただくとわかる通り、特定技能2号は外国人が長期で就労しやすい在留資格といえます。
末永く日本で暮らすことを考えている外国人にとっては非常に魅力的な在留資格です。
特に、家族帯同が可能になることで、母国にいる配偶者や子どもと暮らすために帰国しなければならないという心配事を解消することができます。
また、雇用する企業にとっては、特定技能2号の外国人には特定技能1号の外国人や技能実習生のマネジメント、日本人従業員との橋渡し役を期待できます。これはとくに外国人従業員数が多い事業所では大きな利点です。
外国人従業員のマネジメントを任せられる人材が長期に渡って就労可能であり、残りの在留期限に縛られることなく雇用できることは、企業にとってもメリットとなります。
特定技能外国人は2号の取得を目指している
このように特定技能2号には多くのメリットがあるため、特定技能2号の対象分野拡大、多くの外国人が2号の取得を希望し始めています。
このことから、1号の特定技能外国人を雇用する際、自社が2号の取得を目指せる企業かどうかが重要になってくると思われます。
彼らにとって2号を取得できるかどうかが企業を選ぶ理由になるからです。
このような理由からも、企業が特定技能2号の外国人雇用を検討する、いずれ雇用できるように社内の体勢を整えていくことは重要ではないでしょうか。
ここからは、特定技能2号の外国人を雇用するために必要な要件などを具体的に見ていきましょう。
受入れ企業の要件
受入れ機関(企業)の要件は特定技能1号の要件と変わりありません。
特定技能2号への支援は義務付けられていないため、特定技能1号の際にあった支援計画に関する要件はなくなります。
分野別 特定技能2号の申請要件
特定技能2号の在留資格を申請するには以下の要件を満たす必要があります。
- 特定技能2号の要件
- 各分野の特定技能2号の試験に合格(分野によっては別試験も可)
- 実務経験(管理指導経験など内容は分野ごとに異なる)
- 一部の分野では日本語能力(JLPT N3以上など)
2024年9月時点では多くの分野で特定技能2号の試験がスタートしています。
特定技2号の試験を受けるためにも要件が設けられており、管理・指導などの実務経験が必要です。ただし、分野によって求められる実務経験の難易度や証明方法は異なります。
また、多くの分野で2号取得のために必要な実務経験は2年以上とされているため、計画的にキャリアを積み、分野によってはサブリーダーなどのポジションにつく必要があります。
一部を除き日本語能力は要件に含まれません。
しかし、専門用語等は他言語での補足がある場合もあるものの、試験は日本語で行われるため、ある程度の日本語能力が必要です。
外食業
外食業分野における特定技能2号の在留資格申請には、以下3つの要件を満たす必要があります。
- 「外食業特定技能2号技能測定試験」への合格
- 「日本語能力試験(JLPT)」N3以上の取得
- 飲食店で複数のアルバイト従業員や特定技能外国人等を指導・監督しながら接客を含む作業に従事し、店舗管理を補助する者(副店長、サブマネージャー等)としての2年間の実務経験
試験の受験には③の実務経験があることを証明する書類の提出が必要です。試験の言語は日本語で、ルビはつきません。
要件においては実務経験の「店舗管理を補助するもの」のハードルが高そうです。
なお、2024年は試験が2回行われています。2024年7月時点で試験に申し込めるのは企業からのみです。
▶外食業特定技能2号技能測定試験 国内試験案内|一般社団法人外国人食品産業技能評価機構
経過措置について
外食業には実務経験について経過措置があります。
2023年6月10日から数えて在留期限上限(5年)まで2年6カ月未満しかない場合は、残余期間から6カ月を差し引いた期間の管理等実務経験で実務経験を満たすことができます。つまり、2年の指導・実務経験期間がない場合でも申請ができる救済措置がもうけられているということです。
2023年6月10日の時点で、残余期間が2年しかない場合は1年6か月の管理等実務経験で申請可能。
残余期間が1年6カ月しかない場合は1年の管理等実務経験で申請可能。
特定技能1号については以下の記事をご覧ください。
飲食料品製造業
飲食料品製造業分野における特定技能2号の在留資格申請には、以下の要件が設定されています。
- 飲食料品製造業分野の特定技能2号要件
- 「飲食料品製造業 特定技能2号技能測定試験」への合格
- 飲食料品製造業分野において複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験2年以上
試験の受験には管理等実務経験証明書の提出が必要です。複数の作業員を指導しながら作業に従事とは、2名以上の技能実習生、アルバイト従業員及び特定技能外国人等を指導・監督することを指しています。
この場合の「指導する」とは、作業員に対し直接又は間接的に作業工程等について主導することを想定し、「工程を管理する者」とは、例えば、担当部門長、ライン長、班長等のような役職を想定しています。
試験は日本語で行われ、特定技能1号の試験とは異なり漢字にルビがつきません。要件に日本語能力試験への合格は含まれないものの、ある程度の日本語レベルが求められます。
なお、試験は既に実施されています。2024年7月時点で試験に申し込めるのは企業からのみです。
経過措置について
飲食料品製造業には実務経験について経過措置があります。
2023年6月10日から数えて在留期限上限(5年)まで2年6カ月未満しかない場合は、残余期間から6カ月を差し引いた期間の管理等実務経験で実務経験を満たすことができます。つまり、2年の指導・実務経験期間がない場合でも申請ができる救済措置がもうけられているということです。
2023年6月10日の時点で、残余期間が2年しかない場合は1年6か月の管理等実務経験で申請可能。
残余期間が1年6カ月しかない場合は1年の管理等実務経験で申請可能。
特定技能1号については以下の記事をご覧ください。
工業製品製造業(素形材・産業機械・ 電気電子情報関連製造業)
素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業における特定技能2号の要件は、①②の両方に合格するか、③に合格する必要があります。
(生産管理プランニング区分、生産管理オペレーション区分のいずれか)
②「製造分野特定技能2号評価試験」の合格
(機械金属加工区分、電気電子機器組立て区分、金属表面処理区分のいずれか)
③「技能検定1級」
(鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、鉄工、工場板金、めっき、アルミニウム陽極酸化処理、仕上げ、機械検査、機械保全、電子機器組立て、電気機器組立て、プリント配線板製造、プラスチック成形、塗装、工業包装のいずれか)
また、試験とは別に特定技能2号の取得には3年以上の実務経験が必要です。②の2号評価試験の場合は試験申し込み時、③の技能検定ルートの場合は出入国在留管理庁への届出の際に実務経験証明書の提出が求められます。
特定技能1号については以下の記事をご覧ください。
農業
農業分野における特定技能2号の在留資格申請には以下の要件が設定されています。
- 特定技能2号の技能試験に合格していること(耕種または畜産)
- 現場において複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての2年以上の実務経験、又は現場における3年 以上の実務経験
農業分野は実務経験が3年以上あれば管理者経験はなくても受験できます。
試験の難易度は日本国内での実務経験7年以上の人の3割が合格する水準です。試験は日本語で実施されます。
試験はすでに実施されており、試験の申し込み自体は外国人個人でも可能ですが、実務経験の証明には企業による提出事項があります。
特定技能1号については以下の記事をご覧ください。
建設
建設分野の特定技能2号の在留資格を申請するには以下の要件を満たす必要があります。
- 特定技能2号評価試験、もしくは技能検定1級に合格すること
- 建設現場で班長または職長として複数人を指導しながら作業に従事する、国交省の定める期間(0.5~3年)の実務経験
実務経験の年数については区分ごとに細かく設定されているため、個別に確認をしましょう。
特定技能1号については以下の記事をご覧ください。
ビルクリーニング
ビルクリーニングにおける特定技能2号の取得には以下2つを満たす必要があります。
- 「ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験」または「ビルクリーニング技能検定1級試験」に合格
- 現場管理の実務経験2年以上
試験を受験するには、実務経験を証明する書類の提出が求められます。また、証明書類の提出には受験者が所属する受入機関の協力が必要となります。試験には外国人個人で申し込み可能です。
実務経験の対象期間に労働時間が週30時間以上であることとされているほか、技能実習のビルクリーニング作業は実務経験にカウントされません。
日本語能力の要件は課されていませんが、試験は記述式のため高い日本語能力が必要です。
試験情報の詳細は以下をご覧ください。
特定技能1号については以下の記事をご覧ください。
造船・舶用工業
造船・舶用工業分野の特定技能2号の在留資格を申請するには以下の要件を満たす必要があります。
- 「造船・舶用工業分野特定技能2号試験」と 「技能検定1級」に合格
- 造船・舶用工業で複数の作業員を指揮・命令・管理する監督者としての2年以上の実務経験
現在は「溶接」のみ試験を実施しています。
実務経験の証明にあたっては外国人本人だけでなく企業も記載する誓約書の提出が必要です。
自動車整備
自動車整備分野の特定技能2号の在留資格申請には以下の要件が設定されています。
- 「自動車整備分野特定技能2号評価試験」または「自動車整備士技能検定試験2級」に合格
- 「自動車整備分野特定技能2号評価試験」ルートの場合は、道路運送車両法第 78 条第1項に基づく地方運輸局長の認証を受けた事業場での3年以上の経験。「自動車整備士技能検定試験2級」の場合は実務経験不問
特定技能試験は2024年7月16日から全国で開始されました。内容は学科試験と実技試験があり、両方に合格する必要があります。試験は毎日実施し、合格発表は月に2回です。
特定技能1号については以下の記事をご覧ください。
航空
航空分野の特定技能2号の在留資格申請には以下の要件が設定されており、区分によって異なります。
- 技術に関する要件
- 空港グランドハンドリング業務:「航空分野特定技能2号評価試験」
- 航空機整備業務:「航空分野特定技能2号評価試験」または「航空従事者技能証明」
- 実務に関する要件
- 空港グランドハンドリング業務:空港グランドハンドリングの現場で、技能者を指導しながら作業に従事した経験
- 航空機整備業務:航空機整備の現場で、専門的な知識・技量を要する作業を実施した3年以上の経験
要件は公開されましたが、2号の試験はまだ実施されていません。
宿泊
宿泊分野における特定技能2号の在留資格申請には以下の要件が設定されています。
- 「宿泊分野特定技能2号評価試験」に合格
- 宿泊施設において複数の従業員を指導しながら、フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の業務に2年以上従事した実務経験
試験の合格と併せて実務経験が必要です。
実務経験の「フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の業務」は、これらを満遍なく経験していることが望まれます。
なお、プロメトリックへ試験を申し込む前に、宿泊業技能試験センターのホームページの申請フォームにて指定の様式の実務経験証明書を提出します。これには企業の協力が必要です。
試験は既に実施されており、国内試験は毎月実施されることとなっています。また、海外での試験も始まっています。
経過措置について
宿泊分野では、実務経験について経過措置があります。
2023年6月9日の運用要領改正の時点で、宿泊分野の1号特定技能外国人として日本に在留している場合は、2023年6月9日以前の期間に関しては【宿泊施設において複数の従業員を指導しながら業務に従事する者】として就労していたかに関わらず、該当していたものとして扱われます。
つまり、運用要領改正より以前に在留していた期間を2号取得に必要な実務経験を積んだとしてカウントできるということです。在留期間が迫っている特定技能外国人に関してはこれらを活用して受験をすることができます。
※これは要件が決定する前の期間では、要件を満たすための準備ができないため、救済措置として設けられているものです。
特定技能1号については以下の記事をご覧ください。
漁業
漁業分野における特定技能2号の在留資格申請には以下の要件が設定されています。区分によって試験が異なるので注意しましょう。
- 試験
- 漁業:「2号漁業技能測定試験」への合格
- 養殖業:「2号漁業技能測定試験」への合格
- 日本語能力試験N3以上の取得(どちらの区分でも必要)
- 実務経験
- 漁業・・・漁船法上の登録を受けた漁船で、操業を指揮監督する者を補佐する者または作業員を指導しながら作業に従事し、作業工程を管理する者としての経験2年以上
- 養殖業・・・漁業法及び内水面漁業の振興に関する法律に基づき行われる養殖業の現場で、養殖を管理する者を補佐する者または作業員を指導しながら作業に従事し、作業工程を管理する者としての経験2年以上
試験については2024年7月1日から開始しています。JLPTのN3以上という日本語能力の要件はハードルが少し高そうです。
▶在留資格「特定技能」漁業技能測定試験について|大日本水産会
各分野の特定技能2号試験実施状況
2024年9月末現在の試験実施状況は以下の通りです。
分野名 | 状況 |
---|---|
ビルクリーニング | 実施中(https://www.j-bma.or.jp/qualification-training/zairyu) |
製造3分野※ | 実施中(https://www.sswm.go.jp/exam_f_02/examination.html) |
建設 | 実施中(https://jac-skill.or.jp/exam/) |
造船・舶用工業 | 溶接のみ実施中(https://www.classnk.or.jp/hp/ja/authentication/evaluation/) |
自動車整備 | 実施中(https://www.jaspa.or.jp/mechanic/specific-skill/) |
航空 | 未実施 ※対象者がいないため |
宿泊 | 実施中(https://caipt.or.jp/tokuteiginou/aab) |
農業 | 実施中(https://asat-nca.jp/asat2) |
漁業 | 実施中(https://suisankai.or.jp/skill/) |
飲食料品製造業 | 実施中(https://otaff1.jp/howto_corp/#tokutei2gou) |
外食業 | 実施中(https://otaff1.jp/howto_corp/#tokutei2gou) |
特定技能2号の取得にかかる費用
特定技能2号取得のためには、試験の受験料と合格証明書などの発行手数料がかかります。
受験料は1万円以上が多く、合格証明書は無料の分野もありますが、1万円以上と高額な分野もあります。手取り金額や仕送りを考えると、この金額の捻出はなかなか厳しいものがあります。特に不合格だった場合は再受験により受験料だけで3万円程度です。
なお、在留資格の申請を行政書士等に委託する場合は別途費用がかかります。
【費用一覧】
分野 | 受験料(税込) | 合格証明書 交付手数料 |
---|---|---|
外食業 | 14,000 円 | 結果通知書を自身で印刷 |
飲食料品製造業 | 15,000 円 | 結果通知書を自身で印刷 |
製造分野 | 15,000 円 | 15,000 円 |
宿泊 | 15,000 円 | 12,100円(企業が納付) |
ビルクリーニング | 16,500円 | 11,000円 |
農業 | 15,000 円 | 結果通知書を自身で印刷 |
漁業 | 15,000 円 | 結果通知書を自身で印刷 |
自動車整備 | 4,800円 | 16,000 |
航空 ※未実施 | ― | ― |
建設 | 2,000円 | 結果通知書を自身で印刷 |
造船・舶用工業(溶接) | 48,400 円(R5年度) 96,800 円(最低料金) | ― |
特定技能2号の注意点
特定技能2号の外国人を採用するにあたって、注意すべきことについて見ていきましょう。
試験の申込は企業が行う分野が多い
各分野の特定技能2号の試験申し込みは、企業から行わなければならない場合が多いです。
外国人個人で申し込みできる場合であっても、要件にある実務経験の証明書を企業が提出する必要があるなど、企業がどこかで関わらなければ受験ができない場合がほとんどです。
申し込みに関しては企業も一緒に確認して進めることが必要でしょう。
実務経験の要件は、多くが2年以上。在留期限に注意!
特定技能2号の要件に実務経験が含まれますが、多くの分野で2年以上管理・指導をした経験が求められます。特定技能1号は通算で5年が在留期間の上限のため、特定技能での在留期間が3年を超えてから分野や区分を変更して転職した場合など、実務経験の要件を満たせない可能性があります。必要なポジションや役職に就くのが遅い場合も同様です。
特定技能外国人本人はもちろんのこと、雇用している企業もこの点に注意しながら特定技能1号外国人のキャリアを計画していくことが今後は重要になるでしょう。
企業との関係性も重要になる
実務経験の証明は現在の企業のみに提出してもらえばよい場合と、前職の企業からも証明書を提出してもらわなければならない場合があります。転職している場合、前職の実務経験も併せないと年数を満たせないことがあり、その場合は前職の企業との関係性も非常に重要になるでしょう。
多くの企業では問題ないはずですが、退職する際に揉めてしまったなどのネガティブな離職、音信不通のような形で無理に離職した等の場合、連絡をとって依頼することが困難になることが懸念されます。
このような困難な状況では現在の企業からのフォローも重要になりますし、2号を目指す特定技能1号の外国人は1つの企業で働き続けたり、企業の方と信頼関係をきちんと築いておくことが必要でしょう。
実務経験書の交付依頼には対応しましょう
雇用している外国人だけでなく、退職した特定技能外国人から実務経験書の交付依頼が届く場合があります。そこまで時間を要する記載はありませんので、できるだけ対応してあげると良いでしょう。
製造業を管轄する経産省などでは、かつて雇用していた外国人からの依頼についても交付するよう条文に記載されています。
まとめ
特定技能2号は特定技能1号よりも、求められる技能や実務経験が高くなります。また、外国人本人だけではなく、受け入れ企業の協力が必要不可欠です。
対象分野が広がったことで長期就労が可能なキャリアステップができ、多くの外国人が今後2号を目指すようになると予想されますが、直前になって初めて要件が満たせないことがわかるということもあり得ます。早期から準備をしたり、企業は特定技能外国人の方のキャリアステップの希望を確認・フォローをしていきましょう。