特定技能の「協力確認書」をわかりやすく解説!いつ、誰が、どんな目的で作成・提出する?
2024年3月の閣議決定で、特定技能の対象分野が12分野から16分野に拡大され、今後より一層特定技能外国人の数が増えると見込まれます。それを踏まえ、特定技能外国人が所属する企業は、地方自治体・地方公共団体から求められる共生施策に協力をしなければならないと示されました。
本記事では、その協力のひとつである特定技能外国人受入れの際に必要な「協力確認書」について、わかりやすく解説します。

監修:行政書士/初鹿 麻美(サポート行政書士法人)
サポート行政書士法人にて在留資格に関するコンサルティング業務を担当。技術・人文知識・国際業務などのいわゆる就労ビザの取り扱い経験が豊富で、申請取次実績は年間800件以上。行政書士(東京都行政書士会所属/第16080722号)
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特定技能外国人の「協力確認書」とは?必要になった背景も説明
協力確認書とは、特定技能外国人が所属する企業が、自治体などの地方公共団体に提出する「地域の共生施策に参加します」という趣旨の書類のことです。
2025年4月1日に施行された外国人共生施策に関する改正で、受入れ企業は協力に応じる必要があります。協力確認書の提出は、その共生施策のひとつです。
この背景には、昨今の特定技能外国人の急増があります。特定技能の対象分野が拡大し、更に外国人労働者の増加が見込まれる一方、地域との共生が課題となっています。
特定技能外国人を受け入れる企業は、外国人労働者が地域社会の一員として円滑に生活ができるよう、各種行政サービスや交通、ゴミ出しルールなどを守ることや、地域サービスの周知をするなどの協力が求められます。
特定技能所属機関(受入れ企業)が取り組むべき共生施策の全体像を解説
2025年4月1日から施行された省令で、特定技能所属機関(受入れ企業)は、特定技能外国人の地域共生のために以下の4つに取り組まなければいけないと定められました。
2. 在留者申請における申告
3. 支援計画の作成と実施
4. 必要な協力の実施
自治体などの地方公共団体からの協力要請があった場合は、応じなければいけません。
地域共生のために必要なこれら4つの取り組みについて、詳しく解説します。
1.協力確認書の提出
協力確認書の提出が必要なタイミングは、以下の通りです。
【協力確認書の提出が必要なとき】
・すでに特定技能外国人を受け入れている場合…2025年4月1日以前に受け入れ、受け入れ中の外国人に係る在留資格変更または更新を行う前
2.在留諸申請における申告
特定技能外国人の在留にかかわる諸申請において、地方公共団体(都道県と市区町村)が行う共生施策に協力することを申告する必要があります。
具体的には以下の通りです。
【申請書の該当箇所のチェック】
・在留資格変更許可申請書
・在留期間更新許可申請書
⇒申請書に記載されている「共生社会関係施策に協力要請に対し、必要な協力をすることしていることの有無」のチェックに丸を付ける
【日付や地方公共団体(市区町村)名などの具体的な記載】
⇒「共生施策を確認した地方公共団体(市区町村名)」と「支援対象者(特定技能外国人)の住居地」の記載、また確認した日付を書く
これらの書類を提出する際、協力確認書のコピーは不要です。
3.支援計画の作成と実施
各種行政サービスや交通、ゴミ出しルールなどの市区町村が実施する共生施策を取り込んだ「1号特定技能外国人支援計画書」の作成対応が必要です。
具体的な共生施策の内容は事前オリエンテーションで生活に関する基本的な事項や注意事項を指導するものとなります。詳細は各市区町村のホームページで確認ができますが、ホームページ情報だけで分からない場合は、電話やお問合せフォームから問い合わせてみてもよいでしょう。その場合は「1号特定技能外国人支援計画書」に各市町村に直接問い合わせた旨を記載する必要があります。
4.必要な協力の実施
交通・ゴミ出しルール、医療・公衆衛生、防災訓練・災害対応など、市区町村から協力を要請されたら、必要な協力を行いましょう。詳しくは出入国在留管理庁のページをご確認ください。
協力確認書の入手方法・提出手続きの具体的な流れ
協力確認書の入手方法と、提出手続きについて具体的に解説します。
まず注意しておきたいポイントとして、協力確認書は特定技能所属機関と行政書士以外は記入できません。登録支援機関の職員や弁護士等を代理人として、協力確認書の提出そのものは可能ですので、混同しないように気を付けましょう。
協力確認書の入手方法
協力確認書の入手方法は、出入国在留管理庁のホームページより入手できます。
様式のダウンロードは、以下をご参照ください。
協力確認書様式(2概要 協力確認書の提出<関係資料>)|出入国在留管理庁 協力確認書の様式は、出入国在留管理庁のホームページにアップされています。
【協力確認書様式】
以下の画像は記載例です。
【記載例(直接雇用の場合)】

【記載例(派遣形態の場合)】

協力確認書の提出先と提出方法
協力確認書の提出先と提出方法は、以下の通りです。
【協力確認書の提出先・提出方法】
・提出方法…各市町村のホームページ、または直接の確認が必要
なお、特定技能外国人が活動する事業所が同じ市区町村に複数ある場合は、一枚の協力確認書にまとめて記載して提出することが可能です。
注意点:協力確認書を提出しない場合のペナルティ
協力確認書を提出しない場合、受入れ企業が出入国在留管理庁による指導や助言・協力要請が行われる可能性があります。
共生施策を行わないために、特定技能外国人に必要な支援が確保されず、適正な支援計画の実施に支障が生じていると認められた場合、出入国在留管理庁から改善命令を受けることが考えられます。
また、受け入れ中の外国人の在留資格の更新や変更が、今後できなくなることも考えられます。協力確認書の提出は、忘れずに行いましょう。
注意点:協力確認書の再提出について
協力確認書の再提出が必要な場合と、必要ではない場合について解説します。
再提出が必要な場合
協力確認書の再提出が必要な場合は、以下の通りです。
・特定技能所属機関を別法人(個人事業主から会社の変更、法人の設立など)に変更した
・特定技能所属機関の担当者連絡先等に変更があった
・地方公共団体が確認書の様式を変更した
これらに該当するとき、速やかに市町村へ協力確認書を再提出しましょう。
再提出が不要な場合
協力確認書の再提出や更新が不要な場合もあります。以下のような場合、協力確認書を再提出する必要はありません。
・特定技能外国人の在留諸申請が不許可等になった
・すでに同じ市区町村に協力確認書を提出している
以上のような場合、協力確認書の再提出を行う必要はありません。
注意点:支援計画に変更があった場合の届出
共生施策の取り組みに関連して、支援計画の変更届出が必要な場合があります。
特定技能外国人の支援計画書の「Ⅴ 共生施策関係」と「Ⅵ 支援内容」の項目に変更があった場合、変更日から14日以内に、該当する地方出入国在留管理局に変更の届出をしなければなりません。届出は、インターネット・窓口持参・郵送の3つの方法から選択できます。
特定技能の協力確認書に関するよくある質問
協力確認書について、マイナビグローバルが企業からよく受ける質問を2つご紹介します。
よくある質問①「自治体ごとに共生施策の内容が違うけど、何処をみればいいの?」
必要な共生施策の内容は自治体ごとに異なります。
協力確認書を提出する自治体のホームページで「多文化共生⇒協力確認書」などと検索してみてください。 対応をしている管轄の課が記載されているので、不明点があれば電話や問い合わせフォームなどから確認することをおすすめします。
よくある質問例②「登録支援機関で代わりに出してもらえるの?」
はい。協力確認書の提出は、登録支援機関に委託できます。
雇用する特定技能外国人が居住する自治体と、働く事業所がある自治体が異なる場合、協力確認書はどちらにも提出する必要があります。そのような場合、管理や手続きが複雑になることもあるので、協力確認書の提出を登録支援機関に委託するといいでしょう。
ただし、協力確認書の記入は特定技能所属機関と行政書士以外はできません。この点については注意してください。
まとめ
協力確認書は、特定技能外国人の地域共生のために必要な書類です。地域と特定技能外国人を結ぶ大切な書類といっていいでしょう。
記載する内容は面倒な内容ではありませんが、協力確認書に関することで、「手続きがわずらわしい」「不明点がある」と思う方は、マイナビグローバルまでご相談ください。













