外国人労働者を受け入れたい!雇用のメリット・デメリットや現在の問題点などを解説

執筆者:

外国人採用サポネット編集部

日本では少子高齢化による人手不足で、多くの企業が従業員の採用・雇用に苦戦しています。その対策の一つとして、外国人労働者の受け入れが進んでいます。

外国人労働者の受け入れは、日本人対象では採用することが難しい地域や職種で従業員を確保できたり、訪日観光客への対応ができたりするメリットがある一方、文化ギャップによるトラブルなどのデメリットもあり、それらを含めて外国人の受け入れ検討していくことが重要です。

本記事では、最新の外国人雇用状況の届出状況を活用し、外国人労働者数から見る日本の外国人需要、受け入れのメリット・デメリット・賃金への誤った理解などの問題点を客観的に解説。
また、実際の採用方法や、受け入れの際に注意すべき事項もご紹介します。

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目次

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  1. 統計から見る外国人労働者数の現状
  2. 人手不足対策に対応「特定技能」制度
  3. 外国人労働者受け入れの4つのメリット
  4. 外国人労働者受け入れの4つのデメリット
  5. 外国人労働者受け入れの問題点
  6. 外国人労働者の受け入れにおける注意点
  7. 外国人労働者の採用フローは?
  8. まとめ

統計から見る外国人労働者数の現状

近年、国内の企業のあいだでは「募集をかけても採用できない」と、人材の確保に苦労する声が上がっています。ご存知の通り、少子高齢化により生産労働人口が減少しているためです。

厚生労働省が発表している有効求人倍率を見ると、2023年3月の有効求人倍率は1.32倍。これは求職者ひとりに対して1.3件の求人があることを指し、有効求人倍率が1を超えた2014年ごろから、国内の採用は売り手市場です。コロナ禍の2020~2021年は減少したものの、1を下回ったことはありません。

一方で、国内で働く外国人の数は右肩上がりで増えています。厚生労働省が発表している『「外国人雇用状況」の届出状況』によれば、2023年10月末時点で国内に滞在する外国人労働者数は204万人を突破し、以降は過去最高記録を更新し続けています。

在留資格別の内訳を見てみると、身分に基づく在留資格は近年あまり変化はありませんが、資格外活動、技能実習、専門的・技術的分野の在留資格は大きく増加し、割合を増やしています。こうした数字からも、国内の人手不足を伴うため、外国人を雇いたいという需要が高まっていることがわかります。

政府は、飲食業や宿泊業などの人手不足が深刻な業界で外国人が働けるよう範囲を広げた在留資格「特定技能」を新しく作るなど、人手不足への対応を進めています。

国別の割合

次に国別の割合を見てみましょう。

最も多い外国人労働者はベトナムで全体の25.3%を占め、続くのが中国で全体の19.4%です。かつて一番割合の多かった中国は減少傾向で、ベトナム人の割合は2023年も増加を続けています。

ここで注目したいのが、対前年増加率が高い3カ国のインドネシア、ミャンマー、ネパールです。インドネシアが43,618人人(56.0%)、ミャンマー23,690人(49.9%)、ネパール27,391人(23.2%)と増加、かつては中国などの東アジアメインだった外国人労働者が東南アジア中心に移りつつあります。

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外国人労働者数の産業別の割合を見ると、「製造業」が27.0%、「サービス業(他に分類されないもの)」が15.7%、「卸売業、小売業」が 12.9%となっています。

外国人労働者の推移
「外国人雇用状況」の届出状況まとめを元に作成

伸び率で見てみると、中国人はほぼ横ばいなのに対し、ベトナム人は2015年から急増。ベトナムは海外への出稼ぎが珍しくないため制度が整っていること、日本より賃金水準が低いことから、ベトナム人は日本で働くことを選びます。ただし、ベトナムと日本の賃金格差は縮まりつつあり、このままだと日本で働く選択は減っていくと予想されています。

そのほかの国を含めた、国別の外国人労働者数については以下の記事で詳しく解説しています。

人手不足対策に対応「特定技能」制度

2019年4月に入管法が改正され、新たに在留資格「特定技能」が創設されました。人手不足が深刻な産業分野全12分野(旧14分野)において、外国人材の受け入れを可能にしたものです。12分野には介護・農業・漁業・宿泊・外食業などがあります。詳しくは関連記事で解説していますので、ご覧ください。

マイナビグローバルが、日本での就職を希望する国内在住の外国人に対して行ったアンケートによると、9割が「在留資格の期限が切れた後も日本で働きたい」と回答しており、日本での就労に積極的であることがわかります。

日本での就労意思 グラフ
日本在住外国人の「特定技能」「就労意識」調査結果

更に、現在の在留資格別に見てみると技能実習生のうち「特定技能で働く意思がある」と回答したのは96.7%と一番多く、次いで特定活動、留学となりました。「特定技能でとても働きたい」と答えた人はどの在留資格も70%以上となり、採用対象となる外国人の数は今後も増加すると予想できます。

採用対象が多いということは、「特定技能」で採用したい企業は採用・雇用がしやすいということです。

では、在留資格「特定技能」とはどんな在留資格なのか見ていきましょう。

特定技能の特徴① 単純労働が可能

人手不足対策のために新設された在留資格であることから、特定技能の場合は幅広く業務に携わることができます。特に大きな特徴としては、主業務にはできませんが、単純労働を含むさまざまな業務ができるという点です。

単純労働は在留資格によっては認められていません。例えば、就労ビサの代表格と言われる「技術・人文知識・国際業務」は専門職であり、専門知識を必要としない、あるいは学籍・職歴や文化と関連しないとされる業務は行うことができないからです。

特定技能の特徴② 試験に合格することで取得が可能

特定技能は2種類の試験に合格することで、取得が可能です。

取得を希望する外国人の学歴要件は不要なので、それだけ取得希望の外国人にとっては敷居の低い在留資格と言えます。例えば、「技術・人文知識・国際業務」の場合は、「上陸許可基準適合性」というものがあり、決められた分野の大学卒や10年以上の実務経験が必要になります。

在留資格「特定技能」1号・2号とその違い

特定技能には1号と2号があります。2つの大きな違いは、在留期間です。「特定技能」1号では在留期間の上限が「5年」なのに対し、「特定技能」2号の場合は上限がありません。また、「特定技能」2号の場合は、要件を満たすことで家族帯同もできます。

特定技能2号は「建設業」と「造船・舶用工業」の2分野のみでしたが、2023年に対象分野を拡大し、介護以外の11分野が対象となりました。2023年秋から2号の試験が一部実施されています。

間違えやすい?「技能実習」と「特定技能」

どちらも近年頻繁に耳にする在留資格ですが、名前が似ているため間違われることも多いようです。違いを見てみましょう。

 技能実習特定技能
目的技能移転による国際貢献労働力の確保
人数制限あり建設・介護を除いて無し
在留期間5~10年1号:5年、2号:10年
転職転職という概念はない。場合によって「転籍」が可能。同一職種であれば転職が可能。
家族滞在不可2号のみ可
関与する主体外国人本人(技能実習生)送り出し機関・受け入れ先機関(企業)・監理団体・技能実習機構外国人本人企業※登録支援機関への委託は必須ではない。
⑧支援を行う団体監理団体登録支援機関

大きな違いは、その設立目的です。人手不足解消を目的とした特定技能とは違い、技能実習は、外国人への技能移転・国際貢献が目的です。そのため、就労目的となることは基本的にできず転職が不可であったり、家族帯同が不可だったりします。

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外国人労働者受け入れの4つのメリット

では、企業が外国人労働者を受け入れることで得られるメリットとはどんなものでしょうか。

メリット1、人手不足の解消

まず考えられるのが、人手不足の解消です。

日本人だけでなく外国人材を採用の対象に加えることで、求職者の母数が広がり、採用に苦戦していた職種でも、望む人材に出会える可能性が高まります。電子・電気や機械系のエンジニアといった専門スキルを持った人材の採用や、地方での募集が多い農業、慢性的に人手が不足している宿泊・飲食といったサービス業の従業員の確保にも適しています。

メリット2、訪日外国人への多言語対応

日本語だけでなく、英語やその他外国語を母語とする従業員を幅広く雇うことで、訪日外国人への対応力を高めることができます。日本を訪れる外国人旅行客の数は増加の一途で、政府は観光を国の政策の一つに掲げており、2030年までの訪日外国人旅行者数を6,000万人に設定しています。現在は新型コロナウイルスの影響で旅行客はできませんが、治まればまた以前の状態に戻ることが予想され、多言語対応の需要はさらに高まっていくでしょう。

外国人の従業員が職場にいることで、その国の文化や価値観を踏まえたスムーズな接客が可能になります。

メリット3、外国人労働者受け入れのコストの最適化や助成金利用ができる

介護職や建設、飲食業といった国内で人材が不足しがちな職種では、思うように求職者が集まらず採用期間が長引き年中求人を出さなければいけないケースもあります。募集期間が長引く分、採用コストも膨らみます。

そこで日本人だけではなく、国内外の外国人を対象に含めることで求職者の数が格段に増え、結果的に採用サイクルの短縮化が期待できます。求人広告費用など受け入れにかかるコストが改善されたり、期待通り求職者の応募が集まったりすれば、人材雇用がより安定的に行えるでしょう。また、外国人を受け入れた際に使える助成金もあります。国からの助成金だけでなく、自治体が独自で出している助成金制度もあるのでうまく活用しましょう。

メリット4、海外進出への足掛かり

海外へサービス展開を考える企業にとって、現地の法律や習慣、言語の壁は大きな問題です。もし社内に進出を予定している国をよく知っている外国人従業員がいれば、海外進出の大きな助けになるかもしれません。今すぐではなく、数年単位で海外ビジネスの展開を検討している企業は、関連する国の言語や習慣に精通している外国人人材の受け入れを検討してみるといいでしょう。

▶関連記事:企業の83%が外国人材の活躍を評価。雇用視点で見る外国人労働者の実態

外国人労働者受け入れの4つのデメリット

上記のようなメリットがある一方、当然、デメリットもあります。きちんと把握をしたうえで検討すれば、対策を立てることも可能です。

デメリット1、文化や習慣の違いがある

文化や習慣の違いを理解していないと、思わぬところからトラブルになってしまうことがあります。善悪や価値観の基準が違うため、悪気がなくともお互いに不愉快になってしまうこと、場合によっては法に触れてしまうこともあります。事前にお互いの文化について理解を深めることが大切です。

デメリット2、コミュニケーションがとれないことがある

外国人従業員の日本語レベルによっては、最初は意思疎通がうまくいかないこともあります。また、日本語レベルの問題だけでなくコミュニケーションに対する考え方の違いもあります。

例えば、日本人は大まかな指示を出しても察して行動することができますが、海外の多くの人は、具体的に指示をしなければその通りに行動しません。これは悪気があるのではなく、コミュニケーション方法が日本と大きく違うからです。

このように、コミュニケーション方法の差異やわかりやすい指示の仕方などを、あらかじめ現場に周知し、受け入れ後も外国人の日本語スキル向上の手助けができば、徐々にスムーズになっていくでしょう。

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デメリット3、外国労働者ならではの手続きやルールを覚える必要がある

外国人労働者ならではの雇用に関する手続きや、就労のルール、支援があります。在留資格によっては就けない職種もあり、外国人雇用に関する知識はあったほうが良いでしょう。外国人受け入れに精通した社員がいない場合は、外国人材の紹介専門会社や、外国人の雇用に詳しい行政書士に相談することで解決できます。

また、外国人採用サポネットでは、外国人の受け入れに必要な知識を発信しています。特に法律にも関わる在留資格分野の記事は必見です。

デメリット4、外国人労働者の受け入れまでに時間がかかる

海外現地の外国人材を雇用する場合、ビザの発行や渡航までに時間を要するため、日本人のように採用後すぐ働くということはできません。また、日本在住の外国人材であっても、時間がかかることは変わりません。在留資格は雇用される企業に紐づくため、変更手続きが必要となり、その間は働くことができません。

ただし、海外現地の外国人材は日本国内の外国人材より求職者の母数が多いため、採用に至る確率が高い傾向にあります。

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外国人労働者受け入れの問題点

人手不足対策の1つとして外国人雇用が増加する一方、問題点も浮かび上がってきました。どんな問題点があるか、見ていきましょう。

安価な労働力の対象とされやすい

さまざまな法整備がされていますが、未だに「外国人労働者は安価に雇用でき、労働環境が悪くても働いてもらえる労働力だ」と考えている企業や採用担当者が少なくはありません。

まず、外国人労働者であっても日本人と同様に最低賃金は順守しなければなりません。これを無視することは違法となります。

また、昔とは違い、日本とアジア各国の平均賃金の差は狭まりつつあります。これは世界と比較して日本の平均賃金が下がり続けているからに他なりません。最低賃金の順守はもちろんですが、賃金差を考えるとあまりに安い給与では日本での採用そのものが難しい時代になっています。

「技能実習生」においては、給与のほかに監理団体や送り出し機関等への監理費用が発生しますので、特段に安価とは言えないこともご認識ください。

長時間労働などの労働環境の未整備

こちらも同様に、未だに「外国人労働者は労働環境が悪くても文句を言わずに働いてもらえる労働力だ」という認識が要因です。日本人に不人気の職場は労働環境が悪いことも多く、その労働力不足を補うために外国人を雇用しようとする現状もあります。

また、日本での生活に慣れていない外国人労働者に対してはさまざまなケアも必要です。精神的なケアもあれば、住宅や携帯の解約、口座の開設などのフォローなど、さまざまな支援が必要です。日本の文化や生活に慣れない、コミュニケーションがうまく取れず職場に馴染めない、契約が上手くできずにトラブルに巻き込まれる等して、最悪の場合は離職してしまうこともあります。

外国人労働者に対する差別がある

未だに外国人労働者に対する差別やいじめといった問題も残っています。日本語が通じないからといって暴力で指導をしたり、暴言や差別用語で精神的な攻撃をしたり、宗教上の行為を不当に制限するなどのパワハラや暴力行為は人権侵害で、あってはならないことです。

外国人労働者を受け入れる問題点と解決策はこちらの記事でも解説しています。

諸外国の経済発展や日本の賃金の伸び悩みにより、高度人材は採用が難しくなりつつある

優秀な人材の獲得競争に勝てなくなっているという問題があります。

昨今報道されているように、日本の平均賃金は諸外国と比較して低いと言われています。OECD(経済協力開発機構)の調査データによると、日本の平均年収はランキング1位のアメリカの半分以下、34カ国中24位とOECDの中で最下位グループです。加えて、日本の年収は1990年ごろから横這いにも関わらず、税金の国民負担率は上昇しており、手取り金額は減少しています。

アジア諸外国の経済発展は著しく、日本との賃金差は狭まるだけでなく、すでに追い抜かれている状態です。例えば韓国はランキング18位で日本よりもかなり上に位置しています。ベトナムとの経済格差も近年では随分と縮小しました。このような事情から、高度人材と呼ばれるような外国人の採用は以前ほど容易ではなくなっています。

外国人労働者数の国別割合において中国人の数は横這いであることからもわかる通り、経済発展が著しい国からの人材獲得は減っており、技術者などの高スキル人材の雇用はかつてと比較して難しくなってきています。

このまま平均賃金の伸び悩み、円安の状態が続けば、いずれ高度人材だけでなくアジア各国からの外国人受け入れも難しくなっていくことは明白です。

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外国人労働者の受け入れにおける注意点

外国人労働者を受け入れる際に知っておくべき注意点を解説します。

労働が認められた在留資格(就労ビザ)が必要

外国人が国内に滞在する際、在留資格(ビザ)が必要です。在留資格にはいくつかの種類があり、働くことが認められているもの、条件付きで認められているもの、逆に一切働くことが許可されないものがあります。もし企業が働ける在留資格を持っていない外国人を雇った場合、不法就労になってしまいます。

たとえば、日本で学ぶ外国人が持っている「留学」や、就労ビザを持って日本で働いている外国人の配偶者に許可される「家族滞在」の在留資格は、原則として働くことが禁止されています。

【原則として就労が禁止されている在留資格の例】

■ 日本の専門学校や大学で学ぶ外国人が申請できる在留資格:留学

■ 就労ビザで働く外国人の配偶者が申請できる在留資格:家族滞在

これらの外国人が日本で働くには、「資格外活動の許可」の申請が必要です。

国籍や人種での差別は禁止

採用過程で、「〇〇人歓迎」といった、国籍や人種に基づく選考は差別になるため禁止されています。求人票には、かならず募集している仕事内容に即して、スキルや経験など求める能力を記載しましょう。

■ NG表記:「〇〇人歓迎」と、国籍や人種で選別する書き方

■ OK表記:「英語がネイティブレベルの方歓迎」と、仕事に合った能力で選別する書き方

また、労働時間や給与といった勤務条件について、国籍を理由に不当に設定することは禁じられています。同じ職務内容であれば、日本人と同等の条件で雇用しなければいけません。

在留資格に合った仕事内容でないといけない

就労可能な在留資格を持っていたとしても、どんな職種でも働けるわけではありません。外国人が働く予定の職種・仕事内容によって、取得できる在留資格が異なるからです。

【仕事によって異なる在留資格の例】

■ エンジニア、経理、マーケティングなどの専門職が申請できる在留資格:技術・人文知識・国際業務

■ 調理師や大工など、熟練した技能を持っている職種で申請できる在留資格:技能

■ マネジメントをする管理職や経営者が申請できる在留資格:経営・管理

在留資格の基本を知らずに外国人を雇用してしまうと、予定していた仕事では働ける在留資格が許可されず、雇用できない可能性もあります。

持っている在留資格の種類に見合わない仕事に従事させた場合、不法就労と判断される恐れもあります。調理師として雇用した外国人に、接客のみさせるのは在留資格の条件と合致しません。経理として採用したはずなのに、資料整理など単純作業しかさせないのは不適切な行為です。せっかく採用したのに、予定していた仕事内容では働ける在留資格を取得できなかった、ということがないように、自社の採用にあてはまる在留資格を確認しておきましょう。

文化や仕事に対する価値観の違いを理解する

日本とは違う文化や環境で育った外国人は、異なる価値観を持っています。たとえば、「働くこと」への価値観の違いです。海外の文化のなかには、日本よりも家族を大事にする傾向が強い国があります。そうした文化で育った人は、家族の誕生日や子どものイベント時、仕事よりも家族を優先します。家族との時間を確保するために残業をしない、家族を優先して休暇を取るということもあるでしょう。一緒に働く日本人が「仕事が最優先」という価値観だった場合は異文化の価値観に戸惑うかもしれません。

些細な違いからコミュニケーションのすれ違いが発生する可能性もあります。採用担当者だけでなく現場で一緒に働くスタッフも異文化への理解と配慮が必要です。文化・労働への価値観の違いは、日本人従業員向けに研修を設け、どのような対応が望ましいかを伝えていきましょう。

受け入れ企業が、生活面も含めた支援体制を整える

外国人を雇用スムーズに行う鍵は、受け入れ先企業に、彼らを支援できる体制があるかどうかです。外国人の雇用の際に求められる手続きを滞りなく実施しましょう。以下のような支援を求められます。

入社前の説明・手続き
労働条件や雇用条件の説明・社会保険加入の手続き・外国人雇用状況の届出 など

生活サポート
銀行口座開設・住居探し・日本での生活に必要な情報の提供 など

職場環境のサポート
オリエンテーションによる社内ルールの周知・日本語学習のサポート など

海外からはじめて日本にやってくる外国人従業員は、生活習慣などわからないことばかりです。仕事に専念できる環境を整えるためにも、管理部門や現場でのサポートが肝心です。

住居の契約、印鑑の用意などの環境面の準備には、入国前に行わなければならないもの、入国後でよいものがあります。詳しくは関連記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

外国人労働者の採用フローは?

外国人労働者受け入れの際には日本人とは違う手続きや確認が必要です。在留資格によっても多少の違いはありますが、一般的には以下のような流れで行います。

【外国人採用のフロー】

STEP① 求人募集

STEP② 選考

STEP③ 内定

STEP④ 労働契約の締結

STEP⑤ 在留資格(就労ビザ)申請変更  ※国内在住者は不要な場合も有り

STEP入社の準備  ※住居手配などの環境面、在留資格によっては事前ガイダンスの研修、渡航など

STEP雇用開始

「STEP①求人募集」の方法は以下の3つです。


自社サイトやSNS等で募集をかける

外国人従業員や知り合いの外国人から紹介してもらう

外国人材の派遣・紹介会社や監理団体などを通じて採用をする

外国人採用の求人募集の際に最も効率的な方法は、日本の人材紹介サービスや外国人採用に精通したエージェントを利用することです。在留資格申請や変更の手続きだけでなく、受け入れがスムーズに行えるようトータルでサポートをします。

例えば海外現地から外国人を採用する場合に、企業が単独で海外現地説明会や選考を行う方法もありますが、実現するには大きな費用・労力がともなう一方で成果が必ず出るとも限りません。希望する国について詳しい人材紹介会社やエージェントを探して相談してみることをお勧めします。

外国人採用はマイナビグローバルにお任せください

フローの中で特に注意すべき点は「STEP④ 労働契約の締結」です。雇用契約書はトラブル防止のために必ず書面で契約を取り交わしましょう。

雇用契約書は「STEP⑤ 在留資格の申請」にも使用します。外国人が日本で働くためには、活動の内容に適した在留資格が必要で、その申請を行います。労働が認められた在留資格(就労ビザ)で、働いてほしい職種で労働が可能でない場合は申請しても不許可になりますので、必ず確認しましょう。

在留資格申請を行ったあと、許可が下りるまでの間に「STEP⑥ 入社の準備」を行います。海外から渡航や県外への転職の場合は住居探しを行ったり、特定技能などの在留資格の場合は企業などによる事前のオリエンテーションを行ったりします。海外現地から採用する場合は、在留資格の許可が下りてから渡航という流れになります。

まとめ

外国人労働者の受け入れは、人手不足を解消したり、採用コストを改善したりする効果が期待できます。一方で、在留資格によって可能な業務が異なることや、受け入れの現場負担が増えすぎることにならないかといった検討事項があります。このようなメリット・デメリット・注意点を踏まえたうえで外国人採用について検討をおこなうことで、自社にとって本当に外国人労働者が必要なのかどうかがわかると思います。

また、外国人労働者の受け入れを進めるにあたっては、在留資格などの基本知識をおさえ、外国人労働者受け入れ後の支援体制まで見据えた準備が大切でしょう。


※【調査概要】
■調査対象:日本に在留する外国人 ■調査期間:2022年8月7日~10月13日
■調査方法:提携する日本語学校・専門学校等の留学生や日本での就職を希望するFacebookグループ・コミュニティーでのWEB入力フォームによるアンケート、留学生向け就職イベントでの紙によるアンケート。日本語・ベトナム語・ネパール語・中国語・ミャンマー語から回答者が入力フォームを選択して回答。
■有効回答数:372件