【2020年6月】あの国はどうなってる?新型コロナウイルス最新現地情報

6月19日に東京都をはじめとする首都圏の休業要請が解除され、徐々に日常を取り戻しつつあります。県境を越えての移動も解禁となり、ビジネス旅行だけでなく国内観光を検討している方も増えているのではないでしょうか。とは言え、国内における新規感染はまだ発生しており、人と人との交流が増えていく中で感染拡大防止策をいかに取るかがますます課題になってきています。また、内閣府の発表によると全国で3割、23区内では5割の人がテレワークを実施しており、フードデリバリーや動画配信サービスの利用者増加、無観客でのプロスポーツの再開など、生活の変化が生まれています。
こうした課題や動きは海外でも同様に起きています。本日は弊社駐在員の肌感覚も含め、各国の状況をレポートしたいと思います。

【ベトナム】死者数0を継続するコロナ対策優等生

ベトナム・ホーチミン。街中は以前と変わらず渋滞が起きている。

まず初めに日本との出入国制限緩和が期待されるベトナムです。日本政府は入国制限緩和に向けてベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドとの協議を進めておりますが、ベトナムとは既にビジネス関係者らに限りに条件付きで相互に入国を認めることで合意しており、6月25日~27日に日本人のビジネス関係者約440人が出国する予定とのことです。またベトナム側でも7月1日からの国際線運航再開を検討しています。

さてベトナムですが、6月19日時点での感染者数は342人で、最近の感染者のほぼすべてが海外からの帰国者となっており、国内での新規感染は64日間0です。死亡者もなく、3月22日と早い段階から海外からの入国制限を徹底的に行ったことが功を奏しているようです。

 ベトナム国内については生活はほぼ日常に戻っていると言ってよいでしょう。弊社駐在員のいるホーチミンの街中を見てみると、在宅勤務を終え出社している人が8割以上、マスクの着用は推奨されていますが、オフィスや公共施設でつけている人か3割から5割はいかないぐらいの感覚とのことです。国内線は減便しているものの移動の制限はなく、航空会社はいち早い復興に向けて国内旅行向けにキャンペーンを展開しており、若者を中心に申し込みも上々のようです。

 一方で感染防止のための対策も継続しています。空港ではマスクの着用が義務化されており、移動する前にはオンラインで健康状態の申告が必要、行先、便名、任意ではありますが座席番号の申告が必要となっており、万が一感染が起きた場合の接触者の把握が容易にできるような対策が練られています。

【台湾】域内新規感染0を継続、渡航再開はいつ?

台北の店に並ぶ人々の様子

ベトナムと同じく帰国者以外の新規感染者0が続く台湾。6月19日時点では66日連続で新規の感染を抑えております。3月19日からと早いうちに外国人の入境を原則禁止としたことが防止につながっているようです。

 台湾では元々移動の制限もなく、学校やお店なども感染防止策をとりながら、以前の日常と変わらない営業を行っております。地下鉄構内はマスクの着用が必須ですが、街中では暑すぎるのでマスクをしていない人も多いです。またレストランではこれまで行っていたお客さんへの体温チェックと手の消毒を実施しないお店も出てきました。台湾内の旅行に対する補助があり、人気となっています。海外旅行については相手国の感染状況によりますが、10月に解禁となる方針です。

 台湾政府は6月22日より、短期のビジネス関係者の渡航について一部を緩和。日本は低中感染リスク国になっており、台湾入境後7日間は指定ホテルに待機、PCR検査が陰性の場合、トータル3か月以内の滞在が認められます(諸条件あり)。

 台湾政府は日本への入国制限の緩和を要請しており、協議が進んでいる4か国に続き、緩和されることが期待されます。

【中国】日本人へのビザ発給再開も北京で第2波発生、現地の様子は?

北京のオフィスビルの検温の様子

 外国人へのビザ発給を徐々に拡大している中国。経済交流の正常化に向けて、6月17日から日本人のビザ発給も再開されました。中国は発給済みの居留許可証を持っている外国人も3月下旬から原則として入国を停止しているため、有効期限内のビザや居留許可を持っている場合でも、中国に入国するためには新たなビザの取得が必要となります。また、現段階では客室乗務員等航空関係従事者、経済・貿易・科学技術分野に関する活動、及び人道的な事由によるビザ申請のみを受付範囲としていることに加え、現在中国と各国を結ぶ国際線は、1つの航空会社につき、1国、1都市、週1回、1便のみという「5つの1」政策を実施し、制限を設けています。そのため出張等での渡航はまだ現実的でなく、一時的に日本に退避していた駐在員が任地へ戻る、もしくは新赴任者の渡航がメインになると予想されます。

 さて、6月11日に首都北京で57日ぶりの新規感染者が出たことは報道で見聞きした方も多いと思います。中国全土の中でも首都北京は厳格な感染対策を講じてられてきただけに、北京に住む人にとってこの流入は衝撃でした。北京市は突発公衆衛生事件応急対応レベルを3級から2級に引き上げ(1級~4級まであり、1級が最も厳しい)、オフィスビルや居住区などに入るときの検温や、出社人数の制限、公共交通機関の乗車率の抑制、学校のオンライン授業などを再開しました。また、北京市から省を跨いでの移動も、団体旅行は停止、PCR検査の陰性証明があれば移動はできますが、各省の政策で移動先に到着後隔離となる場合がほとんどのようです。とは言え、今回は発生源が市場と明らかになっているため、街中に人は減っているものの以前ほどの厳しい措置はないようです。

広大な土地を有する中国ではコロナ対策も各省、各都市でそれぞれ実情に合わせた対策が取られてきましたが、感染リスクがある地区以外は中国国内の移動制限はほぼなくなっております。中国全体で見れば感染拡大防止措置を取りながら、引き続き経済活動を持続・回復させていく方向にあると言えるでしょう。

【フィリピン】早めに対策したが収束にはしばらく時間がかかりそう

 フィリピンは東南アジアの中でまだ感染が増加傾向にある国の一つです。今年1月には中国武漢から入国した中国人観光客を送還するなど、早くから水際対策を行い、3月22日からは外国人の入国も停止しました。また、3月12日からは順次ロックダウン(都市封鎖)を実施するなど対策を講じてきましたが、国内での感染拡大を抑え込むまでには至っておりません。フィリピン政府は警戒レベルに応じて隔離措置を4つの段階に分け、2週間ごとに見直しを行っておりますが、6月1日に全域が「一般的なコミュニティ隔離措置」(下から2番目のレベル)以下となり、ロックダウンは一時解除されました。しかし、フィリピン国内で最も感染者の多いセブ市がその2週間後の6月15日から再び「強化されたコミュニティ隔離措置」(最高レベル)まで引き上げるなど、未だ日常に戻るには時間のかかりそうな地域があります。

 ロックダウンが解除されたマニラを中心とする首都圏でも、地区ごとの移動は制限されております。出社はできるようになりましたが、通勤であっても制限された地域を移動するためには、会社の手配した車両を利用するなど人との接触を避ける対策が必要となります。飲食店も店内での人数制限があるため、テイクアウトやフードデリバリーを利用する人がまだ多いようです。国内での移動については空の便も一部運航を再開しましたが、人員不足による突然の欠航などトラブルが生じており、空港から市内に戻ることもできず野宿する人もいたようです。また、飛行機や鉄道など州境をまたぐ移動には、原則として移動証等の携行が求められます。

 フィリピンでは他の東南アジアに比べ、観光収入のウェイトは低いのですが、海外で働く労働者のフィリピンへの送金額はGDPの10%になると言われています。コロナの影響で解雇されたり、一時的に帰国して赴任地に戻れなくなったりしているフィリピン人もいるので、フィリピン経済の回復のためにもビジネス渡航の再開も重要な課題となっていますが、現状ではまだ動きはないようです。

 

【インドネシア】東南アジアでの感染者最多、今後の動きに注目

STAYHOME中のインドネシア・ジャカルタの様子。普段は渋滞の道がガラガラ。

 インドネシアも感染拡大がまだ落ち着いていません。感染者は6月19日時点で4万2千人を超え、感染・死亡共に東南アジア最多となっています。そのような状況下、首都ジャカルタでは大規模社会制限は継続するものの、6月を「安全で健康的、生産的な社会」に向けた移行期間に設定するとし、6月5日から各種活動を順次再開させました。8日からは企業でも最大半数が出勤して働くことができるようになり、15日からはショッピングセンターの営業も再開となりました。しかしながら、オフィスワーカーなどは出社の必要がなければ可能な限り在宅勤務を希望する人が多く、ショッピングセンターやモールで買い物する人も感覚的にはコロナ禍前の1割~2割程度に留まるなど、外出を極力さけ、安全策をとっている人が多いようです。また、小中学校や高校、映画館、美容室、結婚式場など再開が決まっていない業態も多くあります。6月末に発表予定の新たな政策に注目です。

 インドネシア政府は近隣諸国以外に日本、中国、韓国、オーストラリアとの渡航再開を目指していますが、収束の目途が立っていないため課題は多くありそうです。

 

外国人採用サポネットではこれからも定期的にアジア各国の新型コロナウイルス情報を発信してまいります。