インドネシア人の性格と魅力とは?特徴や宗教上の慣習・注意点についても解説

執筆者:

宮本和佳

突然ですが、みなさんはインドネシアの方々の性格にどんな特徴があるかご存知でしょうか?

私はインドネシアで働いて3か月経ちますが、現地で働く中でインドネシア人の性格や宗教を尊重する価値観、仕事に対する考え方など日本とは異なる価値観に驚きの日々を過ごしています。

いま、日本で働くインドネシア人が急増しており、将来インドネシア人と接する機会も増えると予想されます。
今回は、僭越ながら私なりに現地で過ごす中で見聞きしたインドネシア人の性格・特徴やインドネシア人から見た日本への印象を紹介します。

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インドネシアってどんな国?

インドネシアの文化やインドネシア人の特徴をお伝えする前に、まずインドネシアの基本的な情報からご紹介します。

13,000以上の島からなる世界有数の島国

インドネシアの正式名称は、インドネシア共和国(the republic of Indonesia)です。

「ネシア」は「島々」を意味しています。その国名の通り、インドネシアには大小13,000以上の島々が点在しています。世界一の島国なのかと思いきや、島の数のランキングでは世界第5位です。

国土は約200万㎢、日本の約5倍の国土を誇ります。東西の距離はアメリカ大国よりも長く、広大な土地を所有しています。

人口世界第4位!平均年齢29歳、急成長中の新興国

インドネシアは人口約2.7億人、中国、インド、アメリカに次いで世界第4位の人口を擁しています。人口の増加はまだまだ続くと予想されており、3億人までは到達するだろうといわれています。

しかし都心に人口が集中しているわけではなく、首都ジャカルタの人口は約1,000万人しかいません。東京都の人口より少ないのです。

全国民の平均年齢はなんと29歳!日本の平均年齢と比較するとその差は20歳もあり、活気に満ち溢れております。

※日本国民の平均年齢は48歳前後。

公用語はインドネシア語、英語も通じる

広大な土地ゆえに500以上の言語があるともいわれていますが、1928年にインドネシア語が公用語として定められました。

大学まで進学した方々は基本的に流ちょうに英語を話せます。公用語が英語ではないのでそれ以外の方々はペラペラというわけではありませんが、日常会話レベルの簡単な英語であれば通じるケースもあります。

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宗教を重んじるインドネシアの文化・価値観

インドネシアの話をする上で宗教の話は欠かせません。インドネシアでは宗教が日常に根付いていると感じる時がたくさんあります。例えばイスラム教の礼拝の時間をお知らせする「アザーン」というものがあるのですが、礼拝の時間になるとアザーンが町中に響き渡り、人々が礼拝堂に集まります。礼拝は朝早くから行われるので、アザーンの音によって目覚めることも少なくありません。ではさっそく、宗教に関わる文化や価値観を紹介します。

インドネシアは多宗教国家

インドネシアはイスラム教徒が国民の約85%を占めており、次にキリスト教、ヒンドゥー教、仏教と続きます。さまざまな宗教信仰の自由が認められている一方で、無宗教であることは基本的に認められていません。この点、日本は特定の宗教を信仰している方は少ないイメージなので、驚かれるかもしれません。婚姻制度においても異なる宗教同士では結婚ができないので、片方が改宗しなければなりません。

お互いの信仰を尊重し、多様性を認める

イスラム教徒、キリスト教徒、仏教徒…さまざまな宗教観の人が同じ職場で仕事をしています。宗教が異なる者同士でも、互いの宗教を尊重し合っています。例えば、イスラム教徒の人は朝~夕方にかけて1日5回お祈りをします。5回もあると仕事中にもお祈りの時間が必要になりますが、インドネシアでは就業時間中にイスラム教徒の人がお祈りの時間を持つことを会社が認めているケースが多いです。

豚肉やお酒はNG?

インドネシアというと豚肉やお酒を取らない国というイメージがあるかと思いますが、実際は個人の信仰度の違い・生活習慣の違いによって異なります。豚肉、お酒などは扱っていないお店が多いことは多いですが、海外駐在員などが集う都心のお店には豚肉やお酒がメニューに載っている場合もあります。大半の方は豚肉もお酒も口にしないケースが多いですが、イスラム教の方でも豚肉を食べたり飲酒をしたりする人も見受けられます。私の友人の例をあげると、彼は豚肉やお酒を口にしないことが当たり前だから食べたり飲んだりしたいと思わないそうです。しかし、ラマダーン(断食)は過去数回破ったことはあると笑いながら言っていました。

宗教の信仰度合いは人それぞれ

敬虔なイスラム教徒、そうではないライトな教徒、まったく興味ない方々。どこの国もそうですが、宗教への信仰度合いは当然、個人の価値観によって異なります。ジャカルタではジルバブ(ヒジャブとも呼ぶ)と呼ばれる頭に被るスカーフも、被っている方と被っていない方は半々くらいです。ただ、ジャカルタを外れた都市になると、やはり敬虔な教徒は多いように感じます。

「親はジルバブを毎日被っているけど、友達がずっと被ってないから被っていない」という人や「学校行く前に親にジルバブを渡されるが、家を出てからすぐ外す」という人もいて、おしなべて宗教の信仰度を語ることはできないと日々感じています。

ヒジャブをしている人もいれば、タトゥーをゴリゴリに入れている人もいて、インドネシアは本当にいろいろな人が入り混じっている国です。多様性を認め合うインドネシアの良き文化だと思います。友人曰く「戒律を犯していたとしても、価値観は人それぞれなわけで、それを自分が敬虔なイスラム教徒だからといって、裁いたり糾弾したりなんてできないよ」と言っていました。

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インドネシア人の性格・特徴

インドネシア人の性格や特徴は人それぞれであり一概にはいえませんが、現地の日系の方々や現地で仲良くなったインドネシア人の方々に聞いたり、インドネシアで日々過ごす中で感じたりした、インドネシア人の性格・特徴をご説明します。

スローペースな性格

本当に焦らない、スローペースな性格です。渋滞でも焦らない、お店で行列ができていようが焦らない、締め切りが過ぎてもあせらない。そんな人が多いように感じます。

お店で一人ご飯を食べている時、業務そっちのけで店員さんが話しかけてくれてずっとしゃべっていることもあります。この人、店長に怒られないのかな…と毎度思います。

穏やかでスローペースの方が多い理由は、インドネシアが赤道近辺に位置し、年中常夏であることが影響しているそうです。日本は四季があります。4つの季節があるからこそ、日本人は昔から計画を立てます。「お米が収穫できない冬に備えて、春には麦を…、夏には…を」と。一方で、インドネシアの季節は「常夏」です。常夏の為、年中果物が成っており、食うには困らない気候なのです。こうした気候が計画性に起因しているとの噂?もあります。

時間に縛られない

スローペースな性格ゆえに、時間感覚が自由な人が多いです。提出物があっても後ろ倒しにしたり、こちら側からかなり念を押さないと忘れられたりすることが多々あります。逆にインドネシア人から期日を決められることがほぼありません。期日を過ぎることにあまり罪悪感はないようで、期日を過ぎたとしても日本のように気遣いのメールを送ってくることもほぼありません。(ここは人それぞれだと思いますが。)

ジャカルタは世界最大の渋滞都市と言われております。空いていたら15分の道路が、夕方は2時間近くかかることが通常であり、計画が予定通りに進まないことは日常茶飯事です。それゆえ、時間にルーズというより「まぁ、しょうがないよね」という感覚になるのかもしれません。

人前で怒られることに慣れていない

前述したように、基本的にインドネシア人はスローペースで穏やかな人が多いです。そのため、怒鳴られたり、叱ったりされる経験がない方が多いようです。インドネシア人に関わらず人前で怒られて良い気がする人はいませんが、今後インドネシア人を雇用して怒らなければならない場面があった時は、1対1で話せるように別室で対応しましょう。どうして怒られたのか、何が原因だったのかを、きちんと根拠を持ってわかりやすく説明する必要があります。

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インドネシア人からみた日本人の印象

インドネシアで働いていると現地の方々から日本人への印象を教えてもらう機会もたくさんあります。そこで、現地の方々から教えてもらったり私が日々感じたりするインドネシア人の日本人への印象をご紹介します。

日本人に対してポジティブな印象を持っている

インドネシアの方々は基本的に日本人に対して友好的な感情を持ってくれているように感じます。現地の方々から日本の印象を聞く機会が多いですが、日本のことを悪く言う人を未だに経験はしていません。また、車やバイクはほぼ日本製だったり、日本のアニメや漫画が人気だったりと、インドネシア人にとって日本は身近な存在かと思います。

親日国家である理由は諸説あるようですが、初代大統領スカルノや初代副大統領ハッタなどのインドネシアの開国の楚とされる方々を、オランダの植民地支配から日本が開放したという印象がインドネシア人に残っているのが理由のひとつだそうです。この点に関しては、若者からはこのような歴史的背景を理由とした背景というよりも、アニメや文化などから興味を持ってくれている方が多いように感じます。

日本人は「規律」を大切にするイメージ

ローカルの乗り物などで移動していると、おじちゃん、兄ちゃんたちがこちらから聞かなくても日本の印象を教えてくれることがよくあります。日本の印象でよく聞く単語は「discipline(規律)」です。日本を規律の整った国家、きれいな国という認識をしてくれている印象が多いように感じます。仕事に対してはオーバーワークする国だという認識があるようです。仕事面については、今後日本の企業がどのように彼らの仕事文化にアジャストさせるかが課題かと感じます。

まとめ

インドネシア人はスローペースで穏やかな性格です。宗教が日常の中で当たり前に存在している点など日本人とは、大きく異なる価値観を持っています。インドネシアにはたくさんの島・民族があるので一括りにできない部分もあると思いますが、インドネシアで働く中で感じたインドネシア人の特徴をまとめました。ぜひインドネシアの方々を理解する参考にしていただければ幸いです。

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