「観光地に日本で働くチャンスを感じた」語学を活かして活躍する台湾人のキャリア

執筆者:

外国人採用サポネット編集部

こんにちは。外国人採用サポネット編集部です。
日本語・中国語・英語の3言語を活かして日本のホテルで働いている台湾出身のクリスティーナさん。日本語が堪能なクリスティーナさんもはじめは敬語に苦労したそうです。日本での仕事内容や苦労したこと、そして今後のキャリアプランについて教えていただきました。

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日本での仕事内容

―日本で働こうと思ったきっかけを教えてください。

中学生の時から日本のドラマと漫画が大好きで、いつか日本で暮らしたいとその時からずっと思っていました。初めて日本に来たのは、大学2年生の時、友達との大阪旅行です。日本に台湾や中国の観光客が多いですが、中国語と英語を上手に話せる日本人は少ないことにその時初めて気づきました。なので、自分がうまく日本語と英語を話せば、日本で働くチャンスがあるんじゃないかと思いました。

 

―それでホテルに就職されたんですね。どのようなお仕事をされていますか?

日本ではホテルで働いています。去年まではずっとフロントに立っていました。今のホテルのお客様はビジネス目的と観光客が半々で、外国人観光客以外はビジネスで来る日本人も結構います。なので、外国人の接客だけではなく、ビジネス客向けの接客―例えば領収証を書いたり、常連客の習慣を覚えたりしないといけません。外国人観光客が多い時は、観光地の案内や温泉の使い方など日本の文化を説明しています。また、日本に来る前は想像していませんでしたが、お客様のトラブルを解決することもあります。病気になったお客様のために英語で対応できる病院を探したり、お客様がレンタカーを借りた時のトラブルや事故があった時はお客様と警察の間に入って通訳したりしました。通訳として一緒に病院に行ったこともあります。この2年間はいろいろなトラブルを解決してきました。

今年からはフロントではなく予約係の仕事をしています。インバウンドの担当として始めましたが、今年はコロナウイルスの影響で訪日外国人の宿泊予約がまったく入ってこないので、今は主に販売管理と日本人個人・団体客の予約を担当しています。

 

―なぜホテルで働こうと思ったんですか?

私は新しい言語を学んでいろんな国の人と話すのが好きなので、ずっとホテルで働くことを目指していました。自分の語学力をレベルアップさせるために、大学では英語学科を専攻して、塾で日本語を学んでいました。卒業した後に台湾のホテルで働きましたが、海外のお客様はあまりいなかったんです。語学を活かして仕事をしたかったので、その後日本のホテルに就職するためにホテル業務で必要なスキルを磨きながら日本語を学びました。

 

―日本で働く時に勤務先に用意してもらったことはありますか?

賃貸契約も家具の準備も今の会社が全部やってくれました。日本に住む時、外国人にとって一番面倒なのは住む家の契約と家具の用意だと思いますが、会社の方で私たちが来る前に家具付きの家を探してくれていたので助かりました。足りないものも私たちと一緒に買いに行ってくれました。住所の登録や在留資格の更新も、会社の人が私たちと一緒に市役所と入国管理局へ行って手続きをしてくれました。会社の人がいろいろ手配してくれたので日本に来る時の不安な気持ちはだいぶ軽くなりました。今の会社の人は本当に外国人社員に優しいです。

日本で働いた感想

―日本で働いてみてどうでしたか?

周りの同僚はみんな日本人なので、とても早いスピードで日本語が上達しました。また、仕事だけではなくて、言語や職場のルール、人間関係など台湾との違いを学べることがたくさんあります。完全に自分のコンフォートゾーンから離れたら、自分の成長も早くなれます。

私は日本に来る前、日本語は話せましたが上手くはありませんでした。でも、ホテルのフロントに立つことになってお客様と敬語で話せないといけないのを知って、一生懸命勉強しました。台湾にいた時どうしても覚えられなかった敬語は、日本に来て実際に何度も使っていたらすぐ使えるようになりました。敬語を褒められるぐらい使えるようになった時は自分でもびっくりしました。

 

―使いながら日本語が上達されたんですね。働く時に大変だったことはありましたか?

一番大変だったのは、やはり敬語でした。会社の上司は、私が台湾人なのであまり敬語のことを気にしませんでしたが、お客様に対しては敬語を使わないといけません。話す時、日本語にちょっと違和感を感じたら、お客様はすぐ自分の名札に目を移します。外国人に対して優しい人が大多数ですが、日本人と代わってと言われることも結構あります。そう言われると、自分の自信は本当に一瞬で崩れます。今は、日本語が上手になってもこういう人はやはりいます。もう慣れましたが、最初来た時は本当に辛かったです。

また、プレッシャーがありながら、家族も友達もいない日本でまず自分で乗り越えられないといけません。私は日本への留学経験がなかったので、日本に来たばかりの時は知り合いがあまりいませんでした。友達はいましたが、全然違う地域に住んでいたのですぐに会うことはできません。特に会社で嫌なことがある時、会える人がいなくて本当に寂しかったです。

 

―ほかに日本と台湾と違うと思ったことはありましたか?

年齢と関係なく、先輩後輩の上下関係は厳しいということです。私の後に入社した後輩たちは、ほとんど30代と40代の人です。私の方が年齢が若く日本人でもないためか、敬語を使わない後輩が一人いました。年上の後輩だったので私は特に気にしていませんが、同じフロントの先輩にそれを言ったら怒っていました。私は大丈夫だと言っても、「あの人は年上でも経験者でも、この会社では後輩ですから、タメ口はだめです。」と先輩に言われました。その時から、私も話す時この点についてすごく気を付けています。

日本での生活について

―日本で暮らした感想を教えてください。

日本のいいところは、台湾と違ってちゃんと季節を感じられることです。函館に住んでいるので冬には雪が降りますが、北海道の他の場所に比べるとそんなに寒くはないです。花の種類も台湾より多くて、見るだけで気分が明るくなります。函館は海もあって、山もあります。すぐ海が見えるのは本当に最高です!

ですが、日本は広くて住む場所と繁華街は基本的に離れているので、地下鉄がないとすごく不便だなと思います。バスと徒歩は移動に時間がかかりますが、車を買うと税金も結構かかるので、貯金することがもっと難しくなってしまいます。

―休日はどのように過ごしていますか?

写真を撮りに出かけています。北海道は自然が豊かなので、ちょっと山の方に行けばいい写真を撮れるんです。あとは海岸線に沿って散歩をしています。外国人が集まるバルにもよく行きます。そこで違う国の人たちに出会ったり、日本人の友達を作ったりしています。

あと、一人旅ですね。今まで仙台や青森、鎌倉、京都などに一人で行きました。ゲストハウスに泊まっていろんな人に出会いました。日本旅行が好きな人にとって日本で働くと国内線の飛行機でどこにもすぐ行けるのはいい点だと思います。

今後のキャリアプラン

―今後の自分のキャリアプランについて教えてください。

今後はインバウンド向けの営業をしたいです。今はホテルの予約係とインバウンドを担当していますが、今年はコロナウイルスのせいで仕事がほぼ停止しています。本当はたくさんの旅行会社や宿泊予約サイトの方とやりとりしたいです。インバウンドの営業をすればたくさんの人たちと交流することができるので、インバウンド需要が復活するのをとても楽しみにしています。

また、30歳になる前にたくさんのスキルを身に付けたいです。それで、自分のゲストハウスを立ち上げたいと思います。

日本企業へのメッセージ

―最後に、これから台湾人の採用する日本企業へのメッセージをお願いします。

台湾人を採用したら、後悔はしないと思います!日本にポジティブな印象を持つ台湾人が多く、いずれ日本で生活できるようになるために、一生懸命仕事をしている人がたくさんいます。私と同じく、いい会社に出会って台湾に帰りたくなくなる人も絶対いると思います。台湾人は性格明るく、優しくてスキルが高い人がたくさんいますので、ぜひ採用してみて下さい!

※2020年6月インタビュー実施

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