台湾から日本にキャリアチェンジ!日本人しかいない職場への挑戦

執筆者:

外国人採用サポネット編集部

こんにちは!外国人採用サポネット編集部です。 日本で働く外国籍の方の中には、ワーキングホリデーでアルバイトを経験した後に在留資格を変更して日本でキャリアアップする方もいます。
今回は、日本でワーキングホリデー中にスキー場スタッフとして働いた後に日本の旅館に転職した、台湾出身のMillyさんにインタビューしました。日本に来たきっかけや職場の様子、今後のキャリアアップについて話を伺いました。

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はじめはワーキングホリデーを使って日本での生活がスタート 

―日本に来たきっかけを教えてください。 

20代前半の時に日本に住んでいた台湾人のブログを読んで日本の生活に魅力を感じていました。同じ時期、雑誌でワーキングホリデーという制度を知って、いつかワーキングホリデーで日本に行きたいと思い、28歳の時に実現しました。今は技術・人文知識・国際業務ビザを取得して箱根の大型旅館に勤務しています。 

 

初めて日本に来たのはいつでしたか? 

日本に初めて来たのは会社の出張です。24歳の時に日系企業へ転職し、その会社の出張で日本に来ました。滞在中はほぼ会社で研修を受けていたので、自由に観光できる時間はなかったです。28歳の時にワーキングホリデーで日本に来るまで、来日回数は出張2回、観光1回でした。 

 

日本来てはじめどのような仕事をしていましたか? 

最初はワーキングホリデービザで半年ほど新潟のスキー場にレンタルスタッフとして働いていました。スキーとスノーボードは全然できませんでしたが、セッティングはちゃんとできるようになりました。また、研修の時に日本リーダーと欧米スタッフの間の日英通訳も担当しました。 
その後、北海道のリゾートホテルにリテールスタッフとして2年間くらい勤めました。スキー場の経験を活かしてスポーツショップで高価なスキーグッズやスノーボードグッズを販売していました。また、3か国語を話せるため、免税カウンターの仕事も任されました。 

現在の仕事について 

―今はどのようなお仕事をされていますか? 
4年前、箱根の大型旅館へ転職しました。現在は海外顧客に対するマーケティング活動も含め宿泊予約の業務に携わっています。日常業務は日本人の社員と同じく日本語で電話、メール応対、予約手配です。そして、インバウンドの集客に関しては予約サイトの管理、イベント開催なども担当しています。 

 

―旅館で働きはじめたきっかけは何だったのでしょうか? 

今の会社は基本的に日本のお客様をメインに集客していました。社内に外国籍社員がおらず、外国語に対応できるスタッフもかなり少なかったんです。私はチャレンジすることが好きなので、この仕事で自分の能力を発揮できるのではないかと思って入社を決めました。入社してからは色々な新しい企画にチャレンジさせてもらって、とても働きやすい環境です。現在は自分で宿泊プランを提案、商品の販売状況を分析、改良方法を検討などそれなりの裁量権を持っているので、かなり楽しいです。 

 

―日本で働く時に勤務先に用意してもらったものはありましたか? 

どの会社も住む場所は用意されていて、日本に働き始めてからずっと寮生活です。会社によってお部屋の備品なども異なりますが、今の会社は一番外国従業員に優しい会社だと思います。外国人の新入社員に対して一時期ですが家具の貸出もあったので、本当に助かりました。 

―逆に勤務先に用意してほしかったことはありますか? 

来日してから最初の2年間、税金に関する問題はいつも自分で税務署に行って問い合わせていました。もしその時、会社に税金や節税に詳しい方がいたら税金関係の事を教えてほしかったです。 

日本で働いた感想 

日本で働いてみてどうでしたか? 

今までの職場は全部観光地です。コンビニが遠いなど不便な点もありますが、基本的に居住環境がとてもいいと思います。一緒に働く仲間たちも色々なところから来ているので、みなそれぞれ歩んできた人生のストーリーがとても深くて、自分自身の視野が広がりました。 
一方で、ルールを守るのは大事ですが、ルールを更新するのも大事だと思います。昔からのやり方を定期的に見直ししたほうがいいと思うことがあります。あとは、日本人独特の曖昧な表現に慣れるまで少し時間がかかりました。 

 

日本で働く時に一番大変だったこと・困ったことは何ですか? 

一番困ったことは電話応対です。方言や訛りで電話口の声が聞き取りにくく、曖昧な表現でお客様の意図を分からない時もありました。最初慣れてなかった時はすぐ落ち込んで自己嫌悪になりそうでした。でも、電話でお客様に日本語が上手と言われて、励まされたことも何回もありました。今までどの職場でもすごく人間関係に恵まれている環境で、仕事上困っている時にいつも助けてくれた仲間たちがいて、本当に周りの皆さんに感謝しています。 

 

日本で働いて台湾と違うと思った点はありましたか? 

台湾の職場でコミュニケーションはもっとストレートで、効率よく仕事していた感じがあります。また、台湾での転職は日本と比べたらそんなに難しくないので、いい人材を確保するために、正社員登用や人材採用に関しては積極的な感じがあります。実力があれば出世も早いです。

しかし、台湾は残業代を払う会社が少なくて、定時内に仕事が終わらないのは個人の問題と思われる傾向があります。 

日本での生活について 

日本で暮らしカルチャーショックはありましたか? 

日本文化を好きになってから日本に来たので、特に大きなカルチャーショックはなく、すぐに日本の生活に慣れました。日本の収入と物価は台湾より高いですが、今住んでいるところはあまりお金がかからないので、台湾にいた時より今の生活の方が貯蓄と消費のバランスを取れています。

ずっと海外に住むとやっぱり台湾の家族と会いたいですし、たまに台湾のグルメを食べたくなる時もあります。でも、特に接客業は台湾に帰省したい時にあまり長い休暇を取れません。 

 

―いつも休日はどのように過ごしていますか? 

旅行が大好きで、車でドライブすることも好きです。車は持っていませんが、休みの時は友達と一緒によくレンタカーを使って旅行にいきます。2日以上の休みがあったら、友達を誘って一泊旅行にいきます。あと、ドラマと映画も好きです。1ヶ月で最高6本の映画を見たことがあります。天気が悪くて出かけられない時は一日中ずっと部屋でドラマをみたこともあります。また、今までずっと温泉地で働いていたので、休みの時は近所にある温泉施設を回って温泉三昧しています。 

今後のキャリアプラン 

今後の自分のキャリアプランについて教えてください。 

今後のキャリアのために、大学院に進学することを検討しています。金銭的にはあまり余裕がないので、仕事しながら勉強できる学校で考えています。接客の仕事で色々勉強させていただいたので、貴重な人生経験だと思います。商品企画の仕事もとても楽しいです。この二つの経験を活かして、もっと専門的な分野に進めていきたいと考えています。できたらこのままずっと日本で暮らしたいです。 

外国人が日本で働くには教育係が大事 

これから台湾人の採用する日本企業へのメッセージをお願いします。 

一人で海外生活するのは最初はすごくドキドキするので、もし隣に助けてくれる人がいなければ、そのまま生活に慣れなくて帰国したくなることが多いです。新しい環境に入る時は教育係がすごく重要な役目だと思います。仕事の教育だけではなく、会社のことや異国での生活に慣れるためにも教育係は大事です。グローバル思考を持つ方や海外に興味がある方が教育係に向いているんじゃないかと思います。

※2020年6月インタビュー実施