【徹底解説】外国人留学生のアルバイト採用方法と知っておくべきポイント

近年、コンビニや居酒屋で見かけるようになった外国人の店員たち。じつは、海外から日本にやってきた留学生が学びながら働いているケースが多くあります。
大学や専門学校に留学する外国人の数は、年々増加しています。しかし企業の採用担当者からは「留学生をアルバイトで雇いたくてもどこに募集をかければいいかわからない」、「採用後の手続きが不安」といった声が聞かれます。
ここでは、外国人留学生をアルバイトで雇うための採用ルートと、採用前に知っておくべきポイントを解説します。

減少する日本人学生、増加する外国人留学生

外国人留学生が増加している

まず、外国人留学生が日本にどれくらいの人数滞在しているのか、統計からみてみましょう。

独立行政法人日本学生支援機構の調査によれば、2019年5月時点で約31.2万人の留学生が日本に滞在しています。下記のグラフからもわかるように、留学生の数は年々増加しています。

引用:2019(令和元)年度外国人留学生在籍状況調査結果

留学生の内訳で最も人数が多いのは、大学(学部)で約9万人、次いで日本語教育機関で約8万4千人、専門学校が約7万9千人です。多くの留学生が日本語や専門知識を学ぶために日本にやってきています。

また、2017年の日本学生支援機構の調査によると、約7割の私費留学生がアルバイトをしながら学生生活を送っています。

学生もアルバイト人口も減少している日本

一方、留学生の数が増えているのに対して、日本の18歳人口は減少を続けています。1989年には193万人だった人数は、2017年には120万人と減り続けるばかりです。この数字が示すのは、アルバイトの担い手でもある「大学生」「高校生」の減少といえます。

また、総務省統計局が実施した労働力調査によると、「パート・アルバイト及びその希望者」は182万人いた2013年を境に減少が続き、2019年には138万人にまで減少しました。

このように人口減少によって人材不足が叫ばれる背景のもと、アルバイトができる外国人留学生は貴重な労働力となりつつあります。

留学生はどこで採用できる?効果的なアルバイト採用方法

留学生にアプローチする採用手法はさまざまです。しかし、「絶対にコレ!」という決まった方法はありません。自社のマンパワーや、募集をかける仕事の内容、アルバイト留学生に求める能力、募集人数などに応じて、複数の方法を使い分けることをおすすめします。

ここでは、国内にいる留学生と海外にいる渡航前の留学生にアプローチする方法について、具体的な採用ルートを紹介します。

日本にいる留学生のアルバイト採用方法

日本語学校や専門学校からの紹介

日本語学校や専門学校など、学校から学生を紹介してもらったり学内に求人票を貼ってもらったりする方法があります。学校側から紹介してもらうルートがいちばん安定的に人材を確保できる方法です。ただ、学校に足しげく通って学校側との関係構築から始めなければならないので、非常に時間とマンパワーがかかります。

留学生特化サービスを利用

留学生向けのアルバイト求人サイトや留学生に特化した人材紹介会社もあります。また、留学生が日本で住む場所を探す時に、住宅あっせん会社が住む場所と一緒にアルバイト求人も紹介するパターンもあります。

実態は学生間での口コミが大多数

しかし実態としては、留学中の学生間での口コミや紹介でアルバイト先を探すケースが最も多いです。たいていの場合は出身国同士のコミュニティがあるので、仲間からの紹介でアルバイト先を決める人が多い傾向があります。

日本にいる留学生の採用、実は競争率が高い?

人手不足解消のため、留学生をアルバイトで採用する方法は、たしかに効果的な選択の1つといえるでしょう。しかし、留学生だからといって、簡単に採用できるとは限りません。なぜなら、留学中の学生は日本語能力が高い人が多く、日本語ができる外国人留学生は企業からの採用ニーズも高いからです。

文部科学省の留学生の就職活動に関する調査で、就職活動中の留学生に対して企業が懸念する事項のトップに「日本語能力が不十分」とあります。裏を返せば日常会話を問題なくこなし、仕事上のやりとりもそつなくできる言語能力を持った留学生は、どの企業にとっても採用したい存在です。

国内の留学生をコンスタントに採用するために、日本語学校や専門学校、大学との関係性をつくるのは大切です。しかし、日本語能力の高い学生ほど、どの企業にとっても人気があります。マンパワーをかけて学校と募集ルートを結んでも、競争率の高い場所で採用活動を行う可能性を覚えておきましょう。

安定的に人材を確保するなら、海外へ直接アプローチ

「国内の留学生を募集しているけれど、思うように人数が集まらない」と悩んでいる企業に検討してほしい選択肢が、海外に直接アプローチする方法です。考えられる募集ルートは2つあります。

現地の日本語学校にアプローチする

自社の採用で時間と労力の余裕があれば、現地の日本語学校にアプローチする方法を検討してみましょう。渡航前に日本語を学んでから留学する人が多いこともあり、日本に来る留学生が多い国には日本語学校があります。日本にやってくる留学生で、圧倒的に多いのがアジア地域です。アジアだけで全体の9割を占めています。留学生の数で多いのは、1位中国、2位ベトナム、3位ネパール、4位韓国、5位台湾です。

採用予算とマンパワーに余裕があれば、こうした国々の現地の日本語学校に直接連絡をとってみましょう。現地の日本語学校に通っている外国人の方々は、入学時に一定上の日本語レベルをクリアしているケースもあります。

海外在住の外国人を紹介する会社を利用する

自社で現地にアプローチするのは、労力がかかりすぎる。そうした場合は、日本に渡航・留学予定の外国人を紹介する人材紹介会社を利用する方法があります。求める人材のスキル・日本語能力を伝えれば、条件に合った人材を紹介してくれます。現地とつながりのある人材紹介会社を利用することで、国内での人材確保競争の前に従業員を獲得できます。

留学生のアルバイト採用前に知っておくべきポイント

では、留学生をアルバイトで採用したい企業が最低限知っておくべきポイントをご紹介します。求人を出したら偶然外国人留学生が応募してきた場合も参考にしてください。

留学生が働くためには「資格外活動許可」が必須

「留学」は、本来勉強をするための在留資格です。そのため、原則働くことが禁じられています。アルバイトをしたい留学生は、資格外活動の許可を法務省に申請し、働く許可を得る必要があります。すでに許可を得ている留学生は、在留カードの裏面にその旨が記載されています。外国人留学生をアルバイトで採用する場合は、必ず在留カードを確認してください。

働ける時間に制限がある

留学生がアルバイトできる時間は週28時間までです。夏休みや冬休みなど学則で決まっている長期休暇期間は週40時間まで働けます。この週の就労時間の制限には残業時間も含まれます。この就業時間を超えて働くと、外国人留学生は強制送還に、雇用主は3年以下の懲役か300万円以下の罰金が科せられる場合があります。勤務時間が制限を超えないよう雇用した企業側も気を付けなければなりません。

業務に必要な日本語能力があるか確認

多くの採用担当者を悩ませるのが、日本語能力の確認です。採用の場で一般的に利用されるのが、日本語能力検定の結果です。N1・N2・N3・N4・N5の5段階に分かれており、N1になるほど日本語能力が高くなります。

日本語能力検定の結果を採用条件にする場合、採用側が求める日本語レベルと実務で必要な日本語レベルが合っているかには注意が必要です。

日本語学校、大学などですでに一定レベルの日本語能力を身に付けている留学生は、現場で即戦力スタッフとしての活躍が期待できます。一方で、そのような人材はどの企業も欲しがり、採用するには多くの競争相手に勝る必要があります。

N1は日常会話のみならず、ビジネスでの会話や難しい用語を理解しネイティブと対等にコミュニケーションがとれるレベルをさしています。

求人によっては、採用条件としている日本語レベルが実際の業務で求められる日本語レベルにそぐわないケースもあります。業務に求められるレベルを把握したうえで、面接の会話を通じて確認しましょう。

採用後の必要手続きを忘れずに

留学生をアルバイトで採用したあとは、2つの手続きを忘れずに行いましょう。

「外国人雇用状況の届出」をハローワークに提出

外国人雇用状況の届出は、外国人を雇った企業が「雇い入れ」と「離職」のタイミングでハローワークに届け出る手続きです。雇用形態は正社員・アルバイト関係なく、すべての外国人が対象です。外国人とわかっていながら届出を怠った事業者には、罰金が科せられるおそれもあるので、きちんと手続きを行いましょう。

参考:厚生労働省 外国人雇用状況の届出

社会保険の手続き

外国人従業員でも、健康保険や労災保険といった社会保険の手続きを行わなければいけません。基本的に、日本人と同じルールが外国人従業員に適用されます。留学生のアルバイトの場合、加入義務があるのは労災保険です。健康保険、厚生年金、雇用保険は一般的には加入対象外です。ただし、一般社員の所定労働時間などを基準にして、パートやアルバイトをする外国人が厚生年金・健康保険に加入義務対象にすることもあります。

まとめ

少子化が進み人手不足の業界では、外国人留学生は貴重なアルバイトの労働力です。しかし、日本語能力の高い留学生はどの企業からも人気があり、簡単に採用できるとは限りません。国内の募集ルートを複数活用するほか、海外に直接アプローチすることも視野にいれてみましょう。自社のマンパワーでは対応しきれないという場合は、現地の外国人紹介会社のサービスを活用できます。また雇用にあたっては、留学生の在留資格や、入社後に必要な手続きを覚えておきましょう。