外国人留学生アルバイトを雇用する3つの注意点とは?意外な落とし穴も

街なかでよく見かけるようになった居酒屋やコンビニの外国人店員。こうしたアルバイトをする外国人の中には、日本に滞在している留学生もいます。少子化を背景に、人手不足で苦しむ業界では外国人留学生は貴重な働き手となっています。
しかし、トラブルなく留学生に働いてもらうには、採用での日本語能力の確認、労働条件の明示、安全衛生への配慮、社内研修の充実など、外国人留学生を雇う企業には適切な対応が求められます。
今回は、留学生を採用した際に企業が対面する課題と、スムーズな雇用のために注意するべき点を紹介します。

どれくらいの外国人留学生がアルバイトしている?

日本にやってくる留学生の数は、年々増えています。2018年5月時点で、留学生の数は約29.8万人。独立行政法人日本学生支援機構の調査によれば、7割の留学生がなんらかのアルバイトをしています。まずは、アルバイトをする留学生の実態をみてみましょう。

 

留学生アルバイトで多いのは、飲食業が4割、コンビニが3割

アルバイトの職種でみると、一番多いのは「飲食業」の41.9%です。続いて、「営業・販売(コンビニなど)」が28.9%、そのあとは「ティーチングアシスタント・リサーチアシスタント」が7.3%、「翻訳・通訳」が6.7%と続きます。

【留学生がアルバイトする上位職種】

  • 飲食業 9%
  • 営業・販売(コンビニなど) 9%
  • ティーチングアシスタント・リサーチアシスタント 3%
  • 翻訳・通訳 7%
  • 清掃 5%
  • ホテル受付・ホール係 3%

出典:P24 『平成29年度私費外国人留学生生活実態調査概要

 

留学生採用のメリットは、人手不足の解消と多言語対応

留学生をアルバイトで採用する企業にとってメリットの1つは、人手不足の解消につながることです。売り手市場で募集をかけても人がこないと嘆く小売店や飲食店の場合、募集対象を広げることで従業員を確保できる可能性が高くなります。

もう1つ、留学生のアルバイトに期待できるのが母国語を生かした接客です。日本を訪れる外国人旅行客の数は、2018年に3000万人を突破しました。日本語以外での接客が必要になったとき、対応できるスタッフがいれば、訪日外国人をビジネスに呼び込むきっかけになります。

意外な落とし穴?外国人留学生を雇用する課題

留学生ビザ発給件数が減少するかも?

企業が知っておくべき現状に留学生のビザ発給数があります。留学生の全体人数は増えている一方、前年度比の増加率は低下しています。これは日本語教育機関の留学生が前年より7.7%減少したことが影響しています。

考えられる理由としては、出稼ぎ目的の留学生の規制だと思われます。留学を目的に在留資格を得ているものの、実際には出稼ぎのために来日する外国人が増加しており、出稼ぎ目的の留学生の多くは日本語学校へ入学していることが背景にあります。今後も留学生ビザの発給が厳しくなる可能性は十分にあります。

留学生の数が減少すれば、日本語ができる留学生の採用はより厳しくなるでしょう。その際、従業員の確保には留学生アルバイトだけではなく、外国人の正社員雇用も視野に入れることが大切です。

外国人を雇うには、飲食業や宿泊業でも即戦力を採用できる「特定技能」や、専門知識を持った職種で利用する「技術・人文知識・国際業務」など、ほかの在留資格もあります。外国人留学生のアルバイト採用をはじめ、自社にとって最適な形の外国人採用を検討しておく必要があるでしょう。

留学生をアルバイトで雇用する4つの注意点

最後に、留学生アルバイトを雇うとき、企業が注意するべきポイントをまとめました。

留学生は「資格外活動許可」を得ないと労働禁止

留学生の来日目的は学業のため、「留学」の在留資格だけでは労働ができません。しかし、実際にはアルバイトをしている留学生はたくさんいます。それはなぜかというと、彼らは資格外活動許可を法務省に申請し、日本の学校に通いながら労働できる許可を取得しているからです。

そのため、企業は留学生が資格外活動の許可を得ているか必ず確認してください。在留カードの表面にある就労制限の有無は「就労不可」と書かれていますが、裏面の資格外活動欄に「許可」と記載があればアルバイトが可能です。

留学生が働ける時間は週28時間が原則

留学生を雇う企業は、アルバイトの労働時間に注意しましょう。留学生の労働時間は、週に28時間までと決められています。なお、夏休みや冬休みなどの長期休暇の場合は1日8時間、週40時間までの労働が認められています。雇用主は現場で勤務時間の管理をしっかりと行わなければいけません。

留学生を違法に雇用した場合、雇用主に罰則が科せられる可能性がある

留学生が違反して働いた場合、本人の次の在留資格の更新が難しくなったり、強制送還の対象になったりします。また、資格外活動の許可を得ていない留学生を働かせたり、上限時間を超えて勤務させたり、違反した場合は、不法就労を助長したとして企業に3年以下の懲役、または300万円以下の罰金が科せられます。

労働時間の上限は、現時点で出入国管理庁が取り締まる仕組みはなく、実質努力目標になっています。なかには、お金欲しさにアルバイトを掛け持ちする留学生もいます。雇用主側は、法で決められたルールを理解し、適切な雇用関係を結びましょう。

留学生の採用・退職時にはハローワークへ必ず届出を出す

留学生をアルバイトで採用したら、ハローワークに「外国人雇用状況の届出」を提出します。この届出は、採用時・離職時ともに必ず必要です。また、雇用形態がアルバイト・正社員であるかを問いません。最寄りのハローワーク、もしくはオンラインで届出ができます。

まとめ

留学生をアルバイトで採用するのは、現場の人手不足の解消や、職場の日本語以外での接客を充実させるといったメリットがあります。一方で、仕事を覚えるまでの研修を手厚く行ったり、就業時間をしっかりと管理したりしなければいけません。外国人留学生だからといって、待遇を差別することなく労働法のルールを守ることが重要です。