記録共有はなぜ必要?外国人介護士にわかりやすく説明するポイントを解説

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執筆者:

馬淵敦士

記録共有の重要性は、介護職のみなさんならご存じかと思います。しかし外国人介護士はその大切さをしっかり理解できているでしょうか。もし、外国人介護士が、記録共有がうまくできずに業務の滞りなどが発生しているとしたら、その重要性や記録共有する際のポイントを認識できていない可能性があります。

今回は、「なぜ記録共有は必要なのか?」を外国人介護士にわかりやすく説明するポイントを解説します。

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記録共有の必要性を理解してもらおう

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まず外国人介護士には、介護は「チーム」で動くという意識をもってもらいましょう。

介護施設には、介護職だけでなく、医療職(看護師や理学療法士など)やその他(栄養士など)の業務を提供している職種も存在します。介護は、さまざまな職種と連携して進めていく必要があります。外国人介護士には「チームで動く重要性」を理解してもらうとともに、一緒に働く日本人介護士にもその取り組みについて説明して協力を促しましょう。

外国人介護士に、「なぜチームで動くことが必要なのか」を理解してもらうためには、具体例を挙げて説明するとよいでしょう。

例えば、身体介護を提供している中で異変を感じた場合、それを同じ介護職や他職種に伝えなければならないときがあります。「チーム」で動くということは、それを伝える「記録」が必要であり、それを「共有」する手段が必要です。この「記録」「共有」をせずにそのまま放置すると、利用者に対して不適切な対応をしてしまう可能性があるからです。

「〇〇なことが起こったら〇〇になってしまうおそれがあるため、〇〇について記録をし、それを共有する必要がある」と、事象や関係職種について具体例を挙げると、記録共有の必要性を理解しやすくなるでしょう。また当然ですが、この内容は、現場の日本人介護士に周知することも重要なことです。

◆事象や関係職種について具体例を挙げて説明することで、記録共有に必要性を理解してもらいやすくなる
◆現場の日本人介護士に、『事象や関係職種について具体例を挙げて説明する』ことの重要性を周知する

外国人介護士に記録共有を指導するための3つのポイント

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【1】「共有」するポイント

「情報を共有しましょう」といわれても、外国人介護士は、なにをどう共有すればいいかわからない状態です。そのため、それぞれの介護内容について、具体的になにを共有するかを明らかにさせておく必要があります。

また、介護をする前に、利用者の記録に必ず目を通しておくこと。終了したら、それを記録しておくことも指導しましょう。例えば、入浴介護であれば、「どこ」が「どういう状態か」を共有します。

●「どこ」→「上半身」「下半身」など
●「どういう状態か」→「あざがないか」「ケガなどしていないか」「褥瘡(床ずれ)ができていないか」など

入浴介護は「入浴すること」だけが目的ではなく、身体全体を見る機会。いつもと違う状態が見られたら、他業種と共有する必要があります。もし褥瘡ができており、それが共有されることなく放置されてしまうとどうなるか……。

共有のポイントと合わせて、情報を共有することは利用者の命を守る大切な業務であることも伝えましょう

また、記録を書く必要性とともに、緊急性がある事項は、口頭による共有を優先させることも指導します。

【2】「書く」ポイント

「書く」ときに重要なことは、「利用者の平時の状態を知ること」です。そのため「書く」ポイントが介護職によって異なっていると、利用者の正しい状態を把握することができません。例えば、介護職Aは上半身のことを書く、介護職Bは下半身のことを書く、という役割分担は無意味で、「なにを書くべきか」は共通である必要があります。

とはいえ、外国人介護士によっては「書く」こと自体が難しい場合もあります。そんなときは、報告書をチェックリスト方式にするとよいでしょう。

例えば、以下のようなチェック項目を作っておきます。

●お尻の状態はいつもと同じですか?(はい・いいえ)
●(いいえの場合)違うところはどこか、そこがどうなっているかを書きましょう。

これを全ての介護職が行うと、視点が同じになり、正しい情報が伝わることになります。

しかし、これを書くには、その利用者の「いつもの状態(平時)」を知っておかなければなりません。外国人介護士には、「書き方」の指導とともに、利用者の平時の状態を知るということも大切だということも伝えましょう。

【3】「読む」ポイント

「書く」ポイントに、「利用者の平時の状態を知ること」がありますが、他の職員が書いた記録を「読む」ことで、利用者の平時を知ることができます。「記録を書く」ことは情報発信、他者が書いた「記録を読む」ことは情報を受信することです。発信と受信のチーム連携がうまくいくと、「共有」がスムーズになります。

外国人介護士には「書く」と「読む」のポイントを合わせて伝えた上で、読み方の指導を行いましょう。

まずは、他の職員が書いた記録は必ず読み、頭に入れる、もしくはメモをとる習慣をつけてもらいます。また、外国人介護士には読めない字などもあることを想定し、あらかじめ一緒に読むパートナーを決めておきましょう。その際、内容について理解が難しい部分は、パートナーがかみ砕いて説明するようにします。これも「共有」の一環となります。

まとめ

「書く」ポイントに「利用者の平時の状態を知ること」がありますが、他の職員が書いた記録を「読む」ことで「利用者の平時を知ること」ができます。

「記録を書く」ことは情報発信、他者が書いた「記録を読む」ことは情報を受信することです。発信と受信のチーム連携がうまくいくと、「共有」がスムーズになります。外国人介護士には「書く」と「読む」のポイントを合わせて伝えた上で、読み方の指導を行いましょう。

まずは、他の職員が書いた記録は必ず読み、頭に入れる、もしくはメモをとる習慣をつけてもらいます。また、外国人介護士には読めない字などもあることを想定し、あらかじめ一緒に読むパートナーを決めておきましょう。その際、内容について理解が難しい部分は、パートナーがかみ砕いて説明するようにします。これも「共有」の一環となります。

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