最初が肝心!外国人介護士の受入れ失敗の原因・成功へ導くための対策とは?

外国人介護士の受入れ失敗の原因とは。成功へ道ビック対策を紹介。
執筆者:

外国人採用サポネット編集部

初めて外国人職員を受け入れる介護施設から、「受け入れの準備が整っておらず不安です。でも、何をしたらいいのかがわかりません」というご相談をいただきます。施設の職員や現場の担当者の方は、受け入れを前にして、対策しなくて大丈夫だろうかと漠然とした不安を抱くことも多いと言います。

そこで、本記事では、介護の現場で実際に起こりやすいトラブルとその解決方法や、事前の対策方法などご紹介します。
また、ノウハウだけでなく対応する際の考え方もご紹介しますので、様々な状況で応用していただけるのではないでしょうか。

外国人介護士を受け入れる前の心構えや準備として、ぜひご覧ください。

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介護現場で起きる実際のトラブルとは?

外国人職員の受け入れ、または雇用の検討にあたってこんな不安はありませんか?


「日本人職員との人間関係はうまくいくだろうか」

「外国人職員は日本語の意思疎通がちゃんとできるだろうか」

「信頼関係が築けなかったりトラブルが起きたりして、すぐに離職するんじゃないか」
 

これらは、外国人を初めて雇用する企業や施設の担当者が抱えやすい不安です。みなさんも心当たりがあるのではないでしょうか。

実際、外国人雇用を行う際に何の対策もしないことは、のちのちトラブルを引き起こす一因になります。育った環境や文化、そして母国語が違う人間同士がなんの努力もなく分かり合うのは非常に難しいことです。

では実際にはどんなトラブルが起こりやすいのでしょうか。

神戸市が2019年1月に行った「外国人介護人材等に関する調査(アンケート)」には、現在、外国人職員がいる施設から以下のような声が寄せられていました。

● 受け入れ当初は日本語の理解が困難な為、担当した介護職員(日本人)のストレスは非常に大きかった。

● コミュニケーションにおいて、その方の特性が国柄なのかは判断できないが、「配慮」「空気を読む」ことができず(ストレートに物言を述べる)、そのことによって一度職員間でトラブルになった。

● イスラムの方には食生活で少しストレスを感じる場面があると思われる。ハラール食品が少ない為。

引用元:「外国人介護人材等に関する調査(アンケート)」|神戸市

このほかにも「わかったと言ったが、違うことをしていた」「自分のことしかせずチームで仕事ができない」「急に長期休暇の取得を希望してきた」「自分の非を認めず、改善しようとしない」「現場の日本人職員が受け入れ前から非協力的」などがよく聞かれるトラブルです。

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外国人職員の受け入れで問題が発生しやすい要因2点

上記であげたトラブルの要因は、大きく2つに分けることができます。

外国人職員の受入れで問題が発生しやすい要因2点

①会社・施設の制度の問題

  • 給与制度
  • 評価制度
  • 生活支援
  • 資格取得支援

例えば、昇給や昇進などの人事制度や賃金や賞与へ不満、介護福祉士を目指す場合のサポートがあるかどうかなどの会社制度・福利厚生などに関わる問題などを指します。

②一緒に働く日本人職員との間で起こる問題

  • 文化、価値観、生活習慣の違いによるコミュニケーションの不具合
  • 日本語でのコミュニケーションの不具合
  • 期待値(思い込み)調整の不十分さによる不具合
  • 外国人を受け入れるマインドや体制の未整備

外国人職員が日本語を聞き取れているのに日本人職員とコミュニケーションのすれ違いを起こしてしまったり、日本人職員への負担が多くなって疲弊してしまったり、外国人職員の宗教への理解が足りずに心を傷つけてしまうなどの例が挙げられます。

①に関しては会社の制度を変える必要がありますが、②については異文化理解を通じて解決していくことが可能です。

この②の問題への対策を行わないまま外国人職員を受け入れてしまうと、先述のようなトラブルが起こり、外国人雇用へのイメージ悪化、外国人職員へのネガティブな評価、現場での疎外感などから現場にうまくなじめず早期に退職してしまうといった「負のスパイラル」が起こってしまいます。

外国人介護士採用の負のスパイラル

そこで、この記事では②の「一緒に働く日本人職員との間で起こる問題」と解決方法について見ていきましょう。

現場の日本人職員との間に起こる問題への対策方法3点

一緒に働く日本人職員との間に起こる問題は、先ほども述べた通り「文化的背景や日本語そのものを要因としたコミュニケーションの不具合」「外国人職員を受け入れるマインドや体制が未整備」「期待値調整の不十分さによる不具合」などがあげられます。

これらの問題が起こらないために受け入れ前に行うべき3つの対策をご紹介しましょう。

文化的な背景をもとにしたコミュニケーションの違いを理解する

外国人職員とのコミュニケーションが難しいことは、外国人職員と働いたことがない人でもなんとなく察するところです。この要因について、多くの人は日本語能力の問題だと思っていますが、実は文化的な背景によるコミュニケーション方法の違いも影響しています。

例えば、コミュニケーションの取り方には、話した言葉の背景、前後関係を共通した認識を持っていることを前提に話す文化(ハイコンテクスト文化)と話した言葉そのものを文字どおりにとらえる文化(ローコンテクスト文化)があります。

▶併せて読みたい!【外国人材相談事例#1】「伝えたことと全く違うことをしている」問題の処方箋 

そのため、直接的かつ事細かに伝えないと伝わらない文化の人もいれば、日本のように全てを伝えなくとも察して行動できる文化の人もいます。この文化の違いはあくまで一例に過ぎません。このようないくつかの文化の違いを知るだけでも、外国人職員に伝わる言い回しや指示の仕方の工夫ができるようになります。

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外国人との仕事の進め方を知る

外国人職員と仕事をする場合、現場の日本人職員も仕事に対する文化的な考え方の違いを理解しておく必要があります。責任や自分が持てる権限についての考え方が日本と海外では違うからです。特に業務範囲に対する認識の違いを知らないまま働いてしまうと、すれ違ってお互いにネガティブな印象を抱いたままとなり、負の連鎖を加速させてしまいます。

また、本人にどこまでの仕事を求めるのか、だれがケアを行うのか、外国人職員の方を育成していくために日本人職員の方がわかりやすく教えるスキルなども必要です。

とはいえ、これらを日本人側だけが知って対応するのでは意味がありません。日本の社会で働くのですから、日本の仕事の進め方を外国人にも知ってもらうことが必要です。相互理解をすることで初めて業務が円滑に進むようになります。

現場の日本人職員に外国人職員を受け入れる意図を理解してもらう

なぜ外国人職員を雇用するのかを外国人職員と同じ職場で働く日本人職員にも説明し、雇用することへの納得感を得ることも大切です

外国人雇用を行う理由として、社会貢献や国際貢献のために受け入れている場合もあれば、人手不足の解消が目的の法人や施設もあるでしょう。

介護業界は慢性的な人手不足で日本人の採用にはなかなか応募が集まりません。そんな中で外国人採用が有効な手段と考えられており、人手不足に対する危機感を感じている法人を中心に外国人雇用が進んでいます。

同じ職場で働くことになる日本人職員に、日本人の採用は非常に難しいこと、外国人職員を雇用することで自分たちが働きやすい環境を前向きに作っていくことができるということを伝え、納得してもらいましょう。これは外国人雇用を行う上で一番最初に必要な対策です。

外国人職員を受け入れるにあたって、どうしても日本のやり方に「適応させる」という考え方になりがちですが、時に日本人側も歩み寄ることも必要です。相互に文化や考え方の背景を知ると、杞憂や無駄なすれ違いが減り、業務が円滑に進んでいきます。

これは外国人職員が働きやすい環境を作るということもありますが、現場でともに働く日本人職員のストレスを緩和するためでもあります。逆に、外国人職員の方も日本で生活していくためには日本のルール・文化を知らなければならず、それができないと定着は難しくなるため、相互に歩み寄っていくことが大切ではないでしょうか。

マイナビグローバルの研修では外国人職員と働くために必要な「考え方」から「仕事の進め方」まで具体的に学べます

マイナビグローバルでは、これらコミュニケーションによる問題の対策に特化した介護事業者向けの研修サービスを提供しています。

介護現場で日々外国籍スタッフと関わる現場の日本人職員・マネジメント担当の方にフォーカスした実務的な内容で、実例をもとに外国籍職員と一緒に働く上で知っておくべき基礎知識やコミュニケーション方法などが学べます。

研修の中では複数回のケーススタディを用意しており、介護現場で起こり得る具体的なトラブル事例を基に、トラブル発生の原因や対策をグループで意見交換をしたり、発表することによって、より深い理解促進を図ります。

また、ワークシートを用いて行い、研修を受けたあとに各自復習したり忘れてしまったときに見返したりすることが可能です。本研修はライブ配信型のため、わからないことはその場で質問できます。動画配信の研修の場合、不明点などが解決できないまま研修を終えてしまうことがありますが、そのような心配はありません。

講師は、企業の外国人採用と定着支援を行う元マイナビコリア代表取締役社長の山下弘喜氏が務めます。

山下弘喜プロフィール画像
山下弘喜
マサチューセッツ大学MBA専攻。組織論、マネジメント論をベースとし日本独特のビジネス文化比較を通して、企業の外国人採用とその定着を支援。元マイナビコリア代表取締役社長。多国籍組織での実体験を通し、異文化環境での組織運営に向き合う。 現在は、グローバル人材の育成をテーマに、グローバルエクスペリエンス協会の代表として個人向け会員組織を運営。海外を拠点にアジア・NIS諸国を中心に日本への就職活動を支援するボランティア活動を実施。人材の成長とともに事業の成長を支援するTIRM global 合同会社 ファウンダー & CEO。

▶山下弘喜氏が外国人雇用のお悩みに答える連載記事は こちら から

受講者の声

マイナビグローバルの研修を受けた方々からは様々な気付きがあったというお声をいただいています。受講した方の感想の一部を紹介します。


【受講者の声】

● 受け入れ側のことしか考えてなく、相手は何を考えてるかの視点はなかったので、とても勉強になった。
● 外国人の方の「できている」と、我々の「できている」の基準に違いがあることを知った。
● 外国人職員を受け入れるにあたって、みんなで目指すべきところがはっきり分かった。
● 日本人と外国人の間で起こりうるギャップを理解して、ギャップを埋めていくことの大事さが分かった。
● 外国人の方と働く事が当たり前となっていく状況を受け入れ、先入観を無くし、コミュニケーションを積極的に取る必要があると思った。
 

受講した方の多くが、外国人職員に対する意識が変わったと感じています。

また、2021年9月と10月に開催した無料体験会では、アンケート回答者全員が「満足」以上と評価し、受講者からは「今回の内容を部下と共有したい」、「外国籍職員や日本人職員が陥りそうなことを確認できてよかった」などの感想が寄せられ、参加者の満足度の高い結果となりました。

繰り返しになりますが、外国人と日本人の考え方・価値観の違いを知ることは、日本人職員と外国人職員の円滑なコミュニケーションを生み出す最初の一歩です。

受け入れ前の不安を払拭し、外国人定着へと繋がる研修にぜひご参加ください。

「日本人介護職員向け 外国籍介護人材 受け入れ研修」のお申し込み・お問い合わせは コチラ をクリック!

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