外国人介護士の採用メリットは?4つの在留資格の選び方や採用フローもご紹介

執筆者:

外国人採用サポネット編集部

外国人介護士の採用を検討しているものの、これまで採用実績がない施設にとって気になるのは、外国人介護士を採用するにあたっての課題や条件などではないでしょうか。また、外国人介護士の採用メリットを知りたいという採用担当の方もいるかもしれません。
そこで今回は、外国人介護士を採用するにあたって知っておきたいことをまとめてご紹介します。

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監修:行政書士/近藤 環(サポート行政書士法人)

在留資格に関するコンサルティング業務を担当。2019年に新設された「特定技能」も多数手がけ、申請取次実績は年間800件以上。 行政書士(東京都行政書士会所属 /第19082232号)

外国人介護士を採用するメリットや課題は?

まずは、外国人介護士を採用するメリットや課題について説明します。

外国人介護士を採用するもっとも大きなメリットは、人手不足が解消できることです。さらに、若い労働力の確保も期待できます。採用する外国人の在留資格によっては、長期にわたっての雇用や、永続的に就労してもらうこともできます。また、「介護の技術や先進的な考え方を母国に持ち帰りたい」という想いを持つ外国人採用は、国際貢献にもつながります。

課題の一つ目は、在留資格によっては長期的な勤務は望めないことです。ただし、在留資格は別の資格へ変更が可能なため、在留期限を延ばすこともできます。

二つ目は日本語能力です。ただし、能力が低くてもうまくコミュニケーションをとれるよう工夫することはできます。具体的な方法を知りたい人は下記記事もご参考にしてください。

また、せっかく教育してもすぐに離職してしまうのでは? という不安を抱く人もいるかもしれません。

「技術を身に着けたから母国に戻って働きたい」「在留期限が切れた」などの理由であればやむを得ないですが、そうでなければ、就労条件の満足度を高めることで離職を防ぐことができるので、下記の記事もぜひご参考にしてください。

外国人介護士を採用できる在留資格

外国人介護士として働くための、介護に特化した在留資格は4種類あります。※ 「特定技能」、「技能実習」、「介護」、「特定活動(EPA介護福祉士)」の4種類です。「特定技能」は、ある程度の専門性や技能を有する外国人の受け入れを趣旨とする制度です。「技能実習」は本国への技能移転を目的としています。「介護」は、専門的・技術的分野の外国人の受け入れが目的です。「特定活動(EPA介護福祉士)」は、二国間の経済連携強化を趣旨とする制度「EPA(経済連携協定)」に基づく在留資格のひとつです。インドネシア人、フィリピン人、ベトナム人介護福祉士候補者を受け入れることができます。

これらの在留資格はそれぞれ、受け入れの仕組みが異なっています。在留資格取得の要件も違っているため、採用にあたっては注意が必要です。施設としてどのように働いてもらいたいか、また、施設のどんな課題を解消してほしいのかを考えながら、それに適した在留資格の人材を採用すると良いでしょう。

※就労制限のない身分系の在留資格でも就労は可能です

出典:外国人介護人材受入れの仕組み(厚生労働省)|PDF

続いては、それぞれの在留資格について詳しく解説していきます。

最長5年・幅広い業務に従事してほしいなら「特定技能1号」

まずは「特定技能1号」から説明します。「特定技能」は、2019年に新設された在留資格です。技能水準および日本語能力水準を測る試験に合格するなどの要件を満たすと取得できます。介護事業所に最長5年間就労できます。また、幅広い業務に対応可能です。特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の「介護保険3施設」および認知症グループホーム、特定施設、通所介護、通所リハビリテーション、認知症デイサービスでの業務に携わることができるなど、業務制限が少ないのが魅力です。

さらに、特定技能外国人は現場配属当日から人員配置基準に含めることが可能です。技能実習生の場合は現場配属6か月経過後からとなるため、かなり大きな差がでます。

ただし、1号特定技能外国人は訪問介護はおこなうことができないので注意が必要です。また、また、現在は介護分野の「特定技能2号」がないため、特定技能の在留資格では通算5年までしか働くことができません。

※日本語能力試験N2以上に合格している技能実習生は現場配属当日から可能です

一人夜勤もOK! 即戦力となる人材を採用したい事業所向け

特定技能は一人での夜勤も可能なので、即戦力としての活躍が期待できます。よく比較される技能実習生の場合は、一人で夜勤ができません。さまざまな業務に従事してもらえる点は、特定技能のメリットのひとつではないでしょうか。

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受け入れのしやすさで選ぶなら「技能実習」

技能実習自体はよく浸透した制度のため受入れがしやすい制度です。その反面決められた計画に沿って丁寧な研修が必要で、細かい就労制限もあります。

本国への技能移転を趣旨とする「技能実習」は、各外国人介護士の母国の経済発展に協力することを目的とした制度です。介護施設などの実習実施者のもとで実習を受けた後、介護事業所に配属となります。配属から1年後および3年後にスキルをはかるための試験を受ける必要があります。この試験に合格して、かつ実習先および監理団体が「優良」と認定されていれば、最長5年まで実習できます。

特定技能へ移行が可能

また、技能実習2号または技能実習3号から特定技能に移行することもできるので、その場合、5年+5年で最長10年働くことが可能です。移行の条件は、「技能実習2号を良好に修了していること」「技能実習の職種・作業内容と、特定技能1号の業務に関連性が認められること」の2点となります。特定技能に移行することで、今まで身につけたスキルを引き続き活かすことができます。また、移行の際に別の施設への転籍・転職することが可能です。

在留期間更新の制限なし。長く活躍を希望するなら在留資格「介護」

できるだけ長く活躍してほしいと望むなら、在留資格「介護」を有している外国人介護士を雇用するといいでしょう。在留資格「介護」は、高齢化が進み、より質の高い介護のニーズが高まったことや、介護福祉士の資格を取得しても日本国内では介護業務につけない外国人をサポートするために創設されました。そのため、在留資格「介護」取得の条件としては、まず、介護福祉士の国家試験に合格することが必要です。

介護福祉士の国家試験はすべて日本語でおこなわれるため、日本語能力が高くないと取得が難しいです。もちろん、介護に関するスキルや知識が豊富であることも求められます。そのため、合格者は業務上のコミュニケーションに問題がないと考えていいでしょう。その分、在留資格「介護」取得の条件みたす外国人はまだ少ないのが現状です。

在留資格「介護」保持者は家族の帯同が認められている

在留資格「介護」の保持者は、「家族滞在」の在留資格で家族の帯同が可能であることも大きな特徴です。家族も一緒に日本にいるとなれば、永続的に日本で活躍しやすくなるでしょう。

整った制度で育成するなら「EPA介護福祉士(特定活動)」

「EPA」とは、「経済連携協定」のことで、介護領域において日本とEPAを締結しているインドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国から人材を受け入れる制度です。

EPAの歴史は長く、インドネシア、フィリピンとの間には2008年、ベトナムとの間には2009年に協定が発効されています。10年以上の長きにわたって活用されている制度であるため、スキームが確立されていて、初めて外国人介護士を受け入れる施設でも安心できるでしょう。

しかも、母国で看護学校・看護課程の卒業・修了 、大学などの高等教育機関を卒業し、母国政府による介護士認定を受けた人材なので、技能実習生よりもスキルが高い点も魅力です。

平成30年度の受入実人数は773人で、統計を取り始めてからは808か所、累計4,302人を受け入れています。

EPAに基づく介護福祉候補者受け入れ実人数の推移
厚生労働省|外国人介護職員の雇用に関する介護事業者向けガイドブックp4より抜粋

入国4年目には介護福祉士の国家試験受験が必須

いずれの国の人材に関しても、介護や看護に関して一定の知識を有しているだけでなく日本語能力も高いため、即戦力としての活躍が期待できることから、EPA介護福祉士を受け入れる施設は増えている傾向にあります。ただし、入国から4年目に介護福祉士の国家試験受験が義務付けられているため、受け入れた先は受験をサポートしてあげることが必要です。また人数に対して需要が高く、各施設で受け入れできる人数が少ないという懸念点もあります。

外国人介護士を受け入れた介護施設の声

続いては、外国人介護士を受け入れた介護施設の声を紹介します。外国人採用サポネットが直接インタビューしましたので、ぜひ参考にしてください。

採用した特定技能「介護」の外国人の仕事への姿勢に非常に満足

【社会福祉法人「泉心会」】

EPA介護福祉士のほか、特定技能の外国人を採用しています。その受け入れ理由は人材不足でした。受け入れを開始した2013年当初はEPA介護福祉士候補の採用のみでしたが、コロナ禍の影響によって新たなEPA介護福祉士候補の受け入れが進まず、すでに日本にいた特定技能外国人を採用するにいたったとのこと。初めての特定技能外国人の採用でしたが、採用した2名ともに日本での生活も長かったことから、生活面でのサポートがほとんど必要でなかったばかりか、仕事への姿勢にも非常に満足で、「今後も長く活躍してもらえそうだ」と期待しているそうです。

▼続きは以下のインタビュー記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

相手の国の文化や信仰を尊重することで、働きやすい環境作りに努めている

【社会福祉法人「昭徳会」】

外国人材に定着してもらうためにまず大切なことは、相手の国の文化や信仰を尊重して、「働きやすい」と思ってもらえる環境を作ることだといいます。どんな環境、どんなルールが用意されていたら働きやすいと感じるかは国によって異なるため、一人ひとりの声に耳を傾けながらルールを決めていく受け入れ先も多いです。

例えば、1日に何度かお祈りをすることが定められている宗教の外国人を採用する場合、該当する時間帯には持ち場を離れることができるよう、みんなで協力しています。

▼社会福祉法人「昭徳会」のインタビューは以下の記事で読むことができます

特定技能1号受け入れの流れ

最後に、特定技能1号の介護分野における受け入れまでの流れを説明します。受け入れまでの流れは、特定技能1号の資格を有した外国人材が国内在住であるか海外在住であるかによって変わってきます。

■日本在住者の場合
Step 1. 日本語能力と特定技能の各分野の技能試験に合格する 又は 技能実習2号を良好に修了する
step 2. 在留資格変更許可申請をおこなう
step 3. 入職する
■海外在住者の場合
Step 1. 日本語能力と特定技能の各分野の技能試験に合格する
Step 2. 在留資格認定証明書交付申請をおこなう ⇒ 詳細はこちら
Step 3. 来日する
Step 4. 入職する

一般的に、前者は勤務開始までに約3~4か月を要し、後者は約5~7カ月を要します。

外国人材の面接での見極めポイント

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まとめ

それぞれの在留資格についてお伝えしましたが、違いを理解いただけたでしょうか。メリット・デメリットをしっかりと把握することはもちろん、施設側がどういった理由で雇用したいかをはっきりさせることにより、その理由に合った手段で雇用することをおすすめします。

1人目の採用実績ができた後でしたら、2人目からの採用はさらにスムーズにいくでしょう。

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