入管法改正をわかりやすく解説!2021年改正案や特定技能との関係も

執筆者:

行政書士/井手清香

ここ数年で何度か話題となった「入管法改正」。2019年に大きな改正があった後、2021年に改正案が出たことで再度注目を浴びました。
入管法は外国人が日本へ入国・出国などをするにあたって避けて通れない日本の法律です。いままでの入管法からどこが変更になったのか、問題点や現在注目されている理由などに触れながら、行政書士がわかりやすく解説していきます。

出入国管理及び難民認定法(入管法)とは

昨今話題となっている「入管法 改正」が、どんな法律かご存知でしょうか?

この入管法とは略称のことで、正確には「出入国管理及び難民認定法」といい、ポツダム命令に基づいて1951年(昭和26年)10月4日に公布されました。その後、ボツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基づく外務省関係諸命令の措置に関する法律の規定により、法律として扱われるようになりました。

簡単に言えば、下記のような内容です。

「出入国管理及び難民認定法」とは
出入国管理及び難民認定法(入管法)は、本邦に入国し、又は本邦から出国するすべての人の出入国の公正な管理を図るとともに、難民の認定手続を整備することを目的とした法律です。

内閣府男女共同参画局|出入国管理及び難民認定法

日本への入国や出国の管理、在留資格や不法滞在、難民の認定手続きなどに関して決められた法律ということです。すべての人が対象なので、これには外国人だけでなく、日本人も含まれます。

▶参考:e-GOV法令検索|出入国管理及び難民認定法

2019年の入管法改正の背景 

入管法の大きな改正は2019年4月に行われていました。新しい在留資格の創設です。日本の人口減少と深刻な人手不足という問題を解消するために行われました。外国人受入れの政策を見直・拡大をすることで人手不足を解消しようというものです。

2019年の入管法改正による変更点

新しい在留資格「特定技能」の創設

そこで、このときには新しい在留資格「特定技能」が創設されています

特定技能を創設したことで、日本国内において人手不足が深刻とされている特定産業分野では、一定の専門性・技能がある外国人を即戦力として受け入れることが可能となりました。

注目すべきは、特定技能では単純労働を含む幅広い業務が可能という点です。いままでは身分系の在留資格以外で単純労働はできませんでしたが、これにより幅広い業務に従事してもらえるようになりました。

また、特定技能には技能実習からの移行が可能です。

技能実習生は最長で5年しか日本に在留できず、その後は必ず母国へ帰らなければなりませんでした。ところが、技能実習から特定技能への移行が可能になったことで、母国に帰らず引き続き働いてもらうことが可能になりました

このように、人手不足のに対して、外国人材の受入れを拡充することで対応していこうという動きがみられました。

詳しくは以下の記事でも解説していますので、ぜひ、ご覧ください。

特定技能外国人の採用をワンストップ支援!

2021年「出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律案」は取り下げ

2021年に提出された法律案は、取り下げとなりました。その理由はなんだったのでしょうか。

2021年入管法改正の問題点

2021年の入管法改正について人権上の問題点が多いとして、批判の声があがりました。

問題とされている点

◆不法滞在者の帰国を徹底させる
◆難民認定手続き中の外国人であっても申請回数が3回以上になった場合強制送還できるようにする(2回申請を却下されて3度目の申請中の人)
◆強制送還を拒む人に対しては、刑事罰を加えることも可能

帰国すると身に危険が及ぶことで難民申請をしているので、かつては、強制送還が保留され、日本で生きながらえることを許されていました。

しかし、日本の難民認定率は0.4%で諸外国と比べて異常に低く、また入管施設に収容されていたスリランカ人女性が過酷な扱いを受けて死亡した事件をきっかけに、改正案への批判が高まり、結果として今回の改正は取り下げとなりました。

近年の改正の動向 

入管法改正の最近の動向としては、専門分野の外国人は積極的に、そうではない人の受け入れは慎重になっている。

専門分野の外国人については、特定技能の創設と受験機会拡大を始め、高度人材のポイント制の開始と拡大、特定活動46号の創設など、受入れ拡大の方向で動いています。 技能実習生については、失踪技能実習生対応の施策が公表されました。留学生の場合は、在籍管理の徹底が図られ、抑制される方向です。 

受入れ企業が注意すべきこと

金銭的な困窮や、労働環境が劣悪といった理由から、在留資格を失ってしまう外国人も多くいます。2021年の入管法改正はこのあたりに対する罰則が非常に厳しく、反対運動が起きて取り下げとなりました。本来はフォローできる制度や社会づくりが必要です。

そのためには受入れ体制をきちんと行い、外国人が共生できる環境作りを企業から行っていくことが大切です。また、外国人雇用の正し知識を得る必要があります。正しく理解を深めていきましょう。

まとめ 

今回は、最近の入管法の改正についてご紹介しました。 

外国人受入れに関する従来の施策の課題を解決するため、2019年から2020年にかけて新たな在留資格創設されたり、今までの受入れ体制について慎重な姿勢が示されたり、多くの改正点がありました。 

2019年に創設された特定技能の在留資格については、受験機会が拡大し、現在は旅行者でも受験できるようになりました。ただし、合格したからといって必ずしも在留資格が付与されるわけではないため注意が必要です。人手不足や労働・雇用の問題と、外国人受入れに関する施策は密接に関係しています。今後も動向に注目していきましょう。 

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