【2021年1月29日時点】新型コロナウイルス最新現地情報
新型コロナウイルスの発生が確認されてから今月で約1年。一部の国・地域でようやくワクチン接種がスタートしました。
今回は、ワクチン接種状況中心に世界各国の新型コロナウイルス情報をご紹介します。
世界のコロナワクチン接種状況
新型コロナウイルスの発生が確認されてから今月で約1年。一部の国・地域でようやくワクチン接種がスタートしました。主にはワクチン開発国中心に接種を開始していますが、世界最速ペースでワクチンの接種が進んでいるのはイスラエルで、ファイザー製のワクチンを使用しています。
南米では中国・ロシア製のワクチン接種が拡大中。どちらも臨床試験の結果が不十分と欧米メディアらは報道しています。中国製ワクチンは中国国内でもまだ未承認の状態です。アジア主要国でも順次接種を開始しており、2月以降は更に接種を行う国が増加する見込みです。感染が抑制されているベトナムでは、各国からの調達と並行して昨年12月から国産ワクチンの臨床試験も実施しています。
WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は、ワクチンが所得の低い国に行き渡らないことに強い懸念を示し、4月上旬までにすべての国で、医療従事者と高齢者が接種を始められるよう各国が協力すべきだと訴えています。
ただし、ワクチンが病気の発症を防いだとしても、人から人へのウイルス拡散は引き続きおきる可能性があるのではないかと言われています。ワクチンが今後の感染拡大防止にどこまで影響するのか、世界中が注視しています。
※参照:アワー・ワールド・イン・データ
日本は、2月下旬までにコロナワクチン接種を開始予定
日本でもコロナワクチンの接種は急ピッチで進められています。マイナンバーと紐づけすることで、接種状況をリアルタイムで把握できるよう制度を整える予定であることが発表されています。
ワクチン接種の優先順位は下記のように発表されています。
- 新型コロナウイルス感染症患者等に頻繁に接する医療従事者等
- 高齢者
- 基礎疾患を有する方や高齢者施設等において利用者に直接接する職員
- それ以外
4.は5月ごろになるのではないかと言われています。全額公費(無料)で接種可能です。日本が供給を受けるワクチンは米ファイザー製を予定しています。国内開発のワクチンは5月ごろに完成予定とのことです。
※参照:首相官邸|新型コロナワクチン接種推進担当 河野大臣からのメッセージ
中国の新型コロナウイルス対策
2021年の春節連休は2月11日から。帰省自粛を呼びかけ
中国国民17億人が移動すると言われている、中国の春節(旧正月)ですが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大を防止するために、春節の連休中はできるだけ帰省を避けるよう国や自治体が呼びかけています。
農村地域へ帰省する場合には、7日以内に受けたPCR検査の陰性証明が求められます。また、帰省後も14日間在宅で健康状態を確認し、7日ごとに検査を受けることになります。一部の企業では、帰省しない従業員に特別ボーナスを支払措置を検討しているそうです。
中国のコロナワクチン接種状況
中国国内で未承認のワクチンですが、希望者から接種を開始しました。誰でも無料で接種が可能です。1月9日までに約900万人が接種、また1月17日までに北京では170万人が接種済みと発表されています。
※参照:人民網日本語版|中国、新型コロナワクチンを900万人以上が接種済み
※参照:人民網日本語版|北京、170万人が新型コロナワクチン接種済み 8万人は宅配便・デリバリー配達員
国外から入境し、北京に入る場合の健康管理措置について
北京市政府は1月19日に記者会見を開き、北京市に入る者に対する新たな健康管理措置について発表しました。
海外から北京首都国際空港に到着した人々は、最初の14日間の集中隔離期間が終了した後、7日間、自宅隔離または集中隔離を継続して実施し、終了した後はさらに7日間の健康モニタリング※を行う。
国内のその他の入境点から入境した者は、入境した日から満21日となって初めて北京に来ることができ、北京に入った後に7日間の健康モニタリングを補足する。21日間に満たない場合は北京に入った後に7日間の自宅隔離または集中隔離を行い、その後に7日間の健康モニタリングを補足する。
北京市人民政府HP
中国国内から北京に入る場合の規則を発表について
北京市政府は1月27日、記者会見を開き、春節前後に北京市に入る(戻る)際の新たな規則を発表しました。内容は以下の通りです。
1月28日から3月15日までの間、中国国内の低リスク地区の人員が北京に来る(戻る)際には、北京到着前7日以内のPCR検査の陰性証明を所持しなければならず、北京に到着した後に14日間の健康モニタリングを実施し、7日目、14日目にそれぞれ一回のPCR検査を行わなければならない。14日間未満の北京滞在の場合は、実際の北京での滞在時間に応じ、北京での健康モニタリング※とPCR検査を行わなければならない。
北京市人民政府HP
※健康モニタリングとは、期間中は各種の集団活動に参加せず、会食もせず、集まりもせず、かつ要求に応じて職場や社区などに健康状況を報告すること。通常の外出、仕事・生活は可能。
インドネシアの新型コロナウイルス対策
中国シノバック製ワクチンの接種を開始
インドネシアでは1月13日から、中国シノバック製のワクチンの大規模接種を開始しました。大統領が第一号として接種しています。
また、首都ジャカルタ特別州では15日から、医療従事者6万人を対象にワクチン接種を開始しました。
インドネシアは、高齢者よりも勤労世代の接種を優先し、集団免疫を獲得して経済再生を目指す計画のようです。この理由としては、シノバック製のワクチンは高齢者に効果があることを締める十分なデータがそろっていないからだとしています。
ちなみに、米国ファイザー製ワクチンは全ての世代で有効性が示されていますが、インドネシアで供給できるのはまだ先になります。
渡航状況について
インドネシア政府は、一時滞在許可(KITAS)保持者などの例外を除き、トランジットを含め、日本を含む外国からの外国人の入国を一時的に停止しています。
査証免除及び到着ビザ(VOA)は停止されており、人道的理由等の例外を除き、査証発給は現在行われていません。
※参照:在インドネシア大使館
台湾の新型コロナウイルス対策
外国人の来台規定を調整
台湾の中央感染症指揮センターより、2021年1月1日から外国人の来台規定を調整すると発表がされています。規定は以前より厳しいものになっています。
外国人は以下のどれかに該当しない限り入国が認められません。
一.中華民国(台湾)の居留証を持っている。
二.訪台目的が「外交公務」か「商務履約」、あるいは「人道的な理由」である。
三.中華民国の国民及び居留証を持つ者の配偶者ならびに未成年の子女である。
四.その他、特別に入国が許可された者。
台北駐日経済文化代表処|中央感染症指揮センター、1/1より外国人の来台規定を調整
台湾における感染者はほぼ海外で感染したとされる人であることがわかっており、より厳しい入国審査が行われています。
台湾の春節はイベント中止や延期が相次ぐ
2021年の台湾の春節は2月12日~16日まで、2月10日から7連休の春節休暇となります。
感染拡大を防いでいた台湾ですが、1月に入ってから台北近郊の桃園病院で院内感染が発生。10人以上が市中感染しました。この事態を受けて、春節関連イベントのランタン祭りなどが中止に。
ただ、街頭の飾りが徐々に春節の赤色に変わり始め、お正月ムードになってきています。
※参照:公益財団法人日本台湾交流協会|COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に関する最新情報
台湾はコロナワクチン接種開始前
台湾ではまだコロナワクチンの接種は始まっていませんが、第1Q中には接種が開始される予定と報じられています。
それとは別に、高端疫苗生物製剤(メディゲン・ワクチン・バイオロジクス)が台湾国内でのワクチン開発を進めており、第2相臨床試験でワクチン投与を開始したと発表されています。
※参照|TAIWAN TODAY 中華民国(台湾)外交部|感染症指揮センター、来年1QにもCOVAXでコロナワクチン入手可能の見通し示す
フィリピンの新型コロナウイルス対策
日本からの渡航制限が1月31日まで延長
新型コロナウイルスの変異種が確認された日本を含む国々からフィリピンへの渡航制限が1月31日まで延長となりました。
また、フィリピン大使館は、この渡航禁止期間中のビザの申請受理および発行を停止すると発表しています。
※参照:フィリピン共和国大使館|令和3年1月31日まで日本からの渡航制限の延長ついて
2021年3月にコロナワクチン調達の見込み
現段階ではワクチン接種は開始されていません。現在は早期に開始するべく、調達を急いでおり、2月にも接種を開始できると見通しが発表されています。
1月16日に中国の王毅外相がマニラを訪れた際、コロナワクチン50万回分を寄付を約束したとフィリピン大統領府が声明を発表しています。
また、シノバック(中国)、モデルナ(米)、アストラゼネカ(英)、ファイザー(米)、Johnson&Johnson(米)、ガマレヤ研究所(露)などとも交を進めています。フィリピンは東南アジアで新型コロナウイルスによる人名被害が甚大で、早期のワクチン接種が望まれます。
※参照:フィリピン共和国|President Duterte: Government deals on vaccine procurement are above board