海外から外国人介護人材を採用する方法とは?メリットや注意点も紹介
海外から外国人介護士を採用したいと思っても、どうやって採用したらいいのか、どこに相談すればいいのか、在留資格は何がいいのか、不明点が多く迷っている採用担当者が多いのではないでしょうか。
介護業界 は、他の業界と比較して受け入れ可能な在留資格が多く、迷ってしまうことも無理はありません。
今回は海外から採用する際に注意すべきこと、在留資格の違いなどを詳しく解説していきます。
目次
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なぜ海外現地からの外国人採用を検討すべき?介護業界が直面している現状
近年、介護業界に限らず外国人を雇用する法人・企業が増加、人手不足の影響で国内に在留する外国人は引く手数多な状況です。外国人は現在の職場より良い条件を求めて転職する価値観を持つ人が多く、職種を変えて転職するケースも少なくありません。
そのため、介護業界内はもちろんのこと、業種間でも人材獲得競争が起きています。このような状況下で、介護施設が必要な人材を確保するためには、海外にいる人材にも目を向ける必要があります。
そこでまずは、介護施設が海外から外国人を採用するメリット・デメリットから紹介します。
介護施設で海外から外国人を採用するメリット・デメリットは?
介護施設で外国人を雇用できるメリットとデメリットはいったいなんでしょうか。
メリット1:採用対象者の数が多い
日本では少子高齢化により、若い人材の獲得が非常に厳しいことは皆さんご存知の通りです。
ところが東南アジアなどの国では、人口増加が著しく、人口ピラミッドもボリュームゾーンは10~30代です。
日本で働きたい外国人の母国の多くは、人口増加により若者であっても国内就職が難しいなどの問題を抱えています。
若者が多く、出生率も高いため、今後も人口増加が続く見込みです。採用の対象人数が豊富であることは、採用側にとって大きなメリットになります。
メリット2:地方企業でも採用をしやすい
初めて日本で働こうとしている外国人にとって優先度が高いのは「日本で就労すること」であるため、居住地に関する具体的な希望がなかったり、優先順位が低かったりします。また、母国の居住地が都心部でない外国人の場合、日本の都心部に住むことをためらうこともあります。
地方の介護施設が採用しやすいことも外国人採用のメリットです。
デメリット1:日本の文化やマナーなどを教えていく必要がある
海外と日本では文化や習慣、マナーが違います。これらをきちんと理解してもらうことはトラブル回避に繋がるため、各企業が研修をおこなったり教えたりする必要があります。文化やマナーを知らないと、悪気なく日本ではしてはいけない行動をとってしまうこともあります。
特に介護は多くの人と関わりながら行う仕事が多く、文化やマナーを理解してもらうことは重要でしょう。
デメリット2:入社までに時間がかかる
海外現地から外国人を採用する場合には在留資格を取得する手続きが発生します。制度によっては入国前に済ませなければならない講習などもあります。日本人のように明日にでも入社して働いてください、とはなりません。また、海外から人材を採用する場合は、渡航の準備時間も必要です。この点はどうしてもデメリットになってしまうでしょう。
ただ、何カ月かけても日本人を採用できない場合、かかる期間はさほど変わらないと言えます。
デメリット3:在留資格の申請手続きは慣れていないと難しい
在留資格の申請には申請書類だけでなく、様々な書類が必要となります。海外現地での手続きなどもあり、これらは慣れていないと不備が発生して再申請することになったり、さらなる書類の回収に時間がかかったりしてしまうため、予定していた入社時期が遅れることがよくあります。
自社ですべてできるのが最善ですが、不慣れな場合は行政書士に依頼したり、人材紹介会社や登録支援機関などの各種機関のアドバイスを受けたりすることをおすすめします。
疑問点などあればマイナビグローバルでもご相談を受け付けておりますので、気軽にご連絡ください。
どの国から採用すればいいのか?
海外から外国人を採用するにあたって気になることといえば、どの国から採用できるのか、採用しやすいのかといった情報でしょう。雇用までの手順が容易、または複雑なのかはもちろん、どの在留資格をもつ人材を採用したいのか、日本就職を希望する人材がどれだけいるのか、なども採用先の選択において知っておく必要があります。在留資格によっては日本就職に求めるものも違います。給与であったり、日本語を使って働くという経験であったり、日本で生活してみたいという憧れであったりと、様々です。これらを知っておくことは、海外現地から採用を成功させるにあたって重要です。
海外現地から採用を行う際に知っておくべき点や注意すべき点
海外現地採用を行う際に知っておくべき注意点を詳しく見ていきましょう。
各国の独自ルールに対応できる送り出し機関や人材紹介会社を選ぶ
外国人採用において注意すべきこととして、各国独自のルールがあげられます。外国人が出稼ぎするにあたって、送り出す側の国では法律が定められていたり、日本と協定を結んでいたりする場合があります。その場合は当然、各国のルールに従った採用をしなければ違法行為となり、外国人本人はもちろんのこと、企業も法的な問題やコンプライアンス上の問題に直面する可能性があります。
しかし、こういったルールは非常にわかりにくく、特に現地の国のルールは日本にいても情報が得られないことも多くあります。そのため、外国人採用に慣れており情報に精通している紹介会社や行政書士を頼ることをおすすめします。
送り出し機関をきちんと見極めないと希望する人材を採用できない
送り出し機関の見極めは非常に重要です。国によっては、政府認定の送り出し機関からしか人材を採用してはいけないというルールもあります。また、送り出し機関や現地のエージェントなどに外国人が多額の借金をしている場合などは、入社後の人材定着に悪影響を及ぼす場合があります。送出し機関を自社で開拓することは非常に大変です。信頼できる人材会社に依頼をすることをおすすめします。
「日本の介護」について理解しているかどうかを見極める
介護人材を採用する場合、気にしておきたいのは「日本の介護」をどの程度理解しているのかという点です。
これは外国人自身もそうですし、送り出し機関についても同じことが言えます。
日本の介護は他国より先行しています。東南アジア諸国などでは、自宅介護が一般的なため、介護施設で手厚い介護や看取りまでするような文化がありません。日本の介護について知らないまま働き始めた場合、想像していた介護とのギャップで早期退職となってしまうことも少なくないため、事前に「日本の介護」についてきちんと教育しているかどうかが重要になります。
また、介護用語は日本語能力の試験には出てきませんので、これも別途学ばなければ勤務を開始した際に仕事が思うように進みません。これらを理解しているかどうかを見極めて、紹介会社などを選ぶと良いでしょう。
マイナビグローバルは安心できる送り出し機関と提携しています
マイナビグローバルでは、安心して日本企業のみなさまに人材をご紹介できる送り出し機関であるかを徹底的に調査した上で各送り出し機関と契約しています。現地へ赴いて送り出し機関をチェックしたり、現在までの実績や人材の質を確認したり、様々な方法でスクリーニングをしています。
インドネシア現地で送り出し機関を取材した時の様子を以下で紹介しています。併せてご覧ください。
マイナビグローバルで紹介可能な国は?
マイナビグローバルではベトナム、インドネシア、ミャンマー、ネパールから紹介が可能です。詳しくはお問い合わせください。
受け入れ側も相手の国や文化を知っておくと、日本人職員もストレスが少ない
トラブルの元になりやすいのが、文化や習慣、考え方の違いを理解していなかったことが原因で日本人と外国人の間に溝ができてしまうことです。すれ違いを防ぐためにも、外国人が日本の文化を学ぶのと同じように現場で働く日本人も外国人の母国の文化を理解しておきましょう。
習慣や考え方など、日本と海外ではあらゆることが異なるのが当たり前であるという心構えでいるだけでも、現場職員のストレス軽減につながります。
また、外国人の母国の文化を知っておくと、外国人がなぜそのような行動をとったのかが把握できたり、対処方法がわかったりします。
マイナビグローバルでは外国人と働く前に現場の日本人職員が理解すべき内容を学べる研修サービスを提供しています。
詳しくは以下からお問い合わせください。
外国人材雇用や雇用後の支援についてのお困りごと・ご相談ならマイナビグローバルへ。
介護職で働ける4つの在留資格比較
海外から外国人介護士を採用・雇用するメリットや概要について説明してきました。ここからは、外国人が介護業界で働くことができる在留資格についてご紹介します。
現在、介護職で外国人が働くことが認められている在留資格は4つです。
※「日本人配偶者」などの身分系の在留資格はここでは除きます。
- 在留資格「介護」
- EPA(経済連携協定)に基づく外国人介護福祉士
- 技能実習
- 特定技能
それぞれにメリット・デメリットがあり、特徴も違います。
EPAと技能実習については、受け入れまでに時間がかかり、また、受け入れる介護施設にも厳しい要件が複数あります。また、新設の介護施設では受け入れができません。
在留資格「介護」は日本の介護福祉士養成校を卒業し、原則、介護福祉士の資格を持っているため、非常に優秀な人材です。日本語能力も高いため、即戦力として活躍しうる人材です。しかし出現率も低く、採用競争が高い点がデメリットです。
この4つの在留資格のなかで一番採用しやすいのが「特定技能」といえます。その理由は後述します。
それぞれの在留資格については以下の記事をご覧ください。
また、直接マイナビグローバルへお問い合わせの場合はこちらからご連絡ください。
外国人材雇用や雇用後の支援についてのお困りごと・ご相談ならマイナビグローバルへ。
特定技能は何がいいのか?
特定技能は人手不足を補うために創設された在留資格です。
訪問介護は不可ですが、基本的には日本人と同様に働くことが可能です。夜勤にもすぐ入ることができます。
また、特定技能の要件は介護技能評価、日本語試験N4、介護日本語評価試験の3つに受かることですが、外国人本人の学歴などは不要であるため取得のハードルが低く、採用対象となる外国人の母数は多くなります。現在、特定技能は在留者数が急増している在留資格で、特に介護分野では採用競争率が高くなってはいますが、施設が満たす要件は低く、人材不足に悩む施設にとって非常におすすめです。
まとめ
外国人の採用競争率が高まっている昨今、海外にいる人材の採用を検討することは必須になってくるでしょう。とくに介護業界は外国人の採用競争率も高く、地域や条件によっては国内在住の外国人の採用は難しくなっています。さらに競争が激化する前に早めに安心できる紹介会社や送り出し機関を選定し、採用ができるようにしておくとよいでしょう。
マイナビグローバルでは海外からの人材採用支援も行っています。
実際にどのような人材を紹介できるかなど、少しでも気になった方はぜひお気軽にお問い合わせください。