外国人労働者の国別内訳と、今後の動向、注目国を解説!

ミーティングをする外国人社員たち

厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況まとめ」によると、外国人労働者は2019年10月に1,658,804人を突破しました。外国人労働者と一口にいっても、どの国の労働者が多く、どのような業種・職種に就いているのでしょうか。今回は、政府の統計を基に、現在の外国人労働者の受け入れ状況から今後の動向まで解説していきます。

現時点での外国人労働者数は中国が最多

日本で働いている外国人には、どの国籍の人が多いのか、厚生労働省が発表した2019年10月末時点の「外国人の雇用状況まとめ」で知ることができます。

(出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和元年 10 月末現在)|厚生労働省

グラフの通り、中国が最も多く418,327人(外国人労働者数全体の25.2%)。次いでベトナム401,326人(24.2%)、フィリピン179,685人(10.8%)と続きます。

では上記の国からはどんな在留資格での受け入れが多いのでしょうか。

 

▶関連記事:在留資格の基礎知識|外国人を雇用する前に知っておこう!

中国は「技術・人文・国際業務」での在留が多い

(出典:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和元年 10 月末現在)|厚生労働省

技術・人文・国際業務は、全国に26,055人、そのうち中国が96,702人で圧倒的です。

「技術・人文・国際業務」の資格は、エンジニアやオフィスワーカー、通訳として働くケースが多い在留資格となります。

ベトナムは「特定技能」・「技能実習」ともに一番多い国

(出典:特定技能1号在留外国人数(令和2年9月末現在)|出入国在留管理庁

2020年9月時点で、全国で8,769人、そのうちベトナムは5,341人が特定技能1号外国人として働いています。2019年7月に、ベトナムと日本間で、特定技能外国人を適切に送り出し・受け入れるための協力覚書(MOC)が交換され、特定技能のベトナム人労働者は今後も増加すると思われます。

(出典:令和元年度外国人技能実習機構業務統計 概要

なお、上記のグラフの通り、技能実習生を多く送り出している国もベトナムとなっており、2019年のデータでは、実習計画の半数をベトナム人が占めています。

ブラジルが身分系在留資格(永住権・定住者)最多

「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和元年10月末現在)|厚生労働省 をもとに作成)

ブラジルは日本での永住者・定住者が非常に多い国です。2019年10月時点で、ブラジル人労働者の98.9%にあたる133,943人が、身分に基づく在留資格で働いています。日系ブラジル人の存在など、日本と労働力の行き来が多い国です。なかでも、製造業(43.8%)とサービス業(38.2%)に多いことが特徴です。

現在進行形で一番増加しているのはベトナム人労働者

前年同期と比較した伸び率で見てみると、ベトナム(26.7%増)、インドネシア(23.4%増)、ネパール(12.5%増)の順で、外国人労働者が増加しています。これらは、今現在、外国人労働者数が増加している注目国といえます。

この3つの国に共通する特徴としては、日本と比べて母国の賃金水準が低く、海外へ出稼ぎに行くことが珍しくない、という点です。母国で働くよりも日本で働いた方が労働者にとってより高い収入を得ることができるため、多くの労働者が日本へ来て働いています。

2019年10月時点で、在留している外国人労働者数1位の中国の増加率は7.5%と、それほど高くはありません。今後も劇的な増加は考えにくいでしょう。かつては中国をはじめとした東アジア中心でしたが、現在は東南アジアからの受け入れが中心に移行しつつあることがわかります。

ベトナムは2017年以降、増加率1位

2016年10月時点では、外国人労働者全体に占めるベトナム人労働者の割合は全体の15%程度でしたが、その後は毎年増加率トップで増え続け、2019年10月には24.2%という結果となっています。

ただし、近年ベトナムの賃金水準は上昇しており、日本との賃金格差は縮まっています。この差は、今後ますます縮まっていくと言われており、それに従って増加率も下がっていくことが予想されています。

今後はどの国の労働者受け入れが進むのか

かつては東アジア、そして現在は東南アジアの外国人労働者が、日本に多く在留しています。しかし、今後の見通しはまた変わるだろうと言われています。

経済発展が進むと、国内の給与もそれに伴い上昇します。中国がその良い例でしょう。先ほども述べた通り、日本における中国の外国人労働者の増加率は停滞しており、業界によっては日本人の平均給与で採用できない場合もあります。近年ではベトナムにおいても、日本との給与水準の差が縮まり始めたと言われています。

では、どんな国の外国人労働者が採用しやすくなるのでしょうか。

ポイントは以下の3つです。

  • 日本との給与水準の差が大きい国
  • 他国へ出稼ぎに行くことが一般的な国
  • 自国の労働生産労働人口が多い国

詳しく説明していきます。

日本との給与水準の差が大きい国

先ほども述べた通り、自国の給与水準が低い場合は日本で働いたお金を本国に送金することで大金になりますが、逆の場合は金銭面で働くメリットはありません。

まだ経済発展の余地があり、日本と比較して給与水準が低い国は、労働者にとっても日本で働く魅力があり、企業側としても低コストで人材を採用できるというメリットがあるため、採用しやすくなります。

他国へ出稼ぎに行くことが一般的な国

外国人材の採用をする際、「他国への出稼ぎが一般的でない国」からの採用は非常にハードルが高いことは想像に難くないでしょう。海外での就職のための制度やフォローが整っていない可能性が高く、また、わざわざ海外で働く理由がない、国内就職で充足しているということです。

なお、「他国へ働きに出ることが一般的な国」であっても、日本への出稼ぎが一般的ではない国もあります。この場合は、「日本で働く」という選択肢を知ってもらえさえすれば、コストを抑えつつ雇用できる可能性があります。開拓すれば、多くの外国人労働者が見込めるブルーオーシャンかもしれません。

自国の労働生産労働人口が多い国

理想は、「他国へ働きに出ることが一般的な国」で、なおかつ「自国の労働生産人口が多い国」でしょう。若者自体がたくさんいる国であれば人材確保のハードルが下がります。逆に、高齢化の進む国からの採用は避けるのが無難です。高齢化の進む国では、働き手が少なくなっていくので、現在の日本と同じような状況になることが予想されるからです。

以上の条件を考えたときに、おそらく今後は、増加率が高くなりつつあるフィリピン、インドネシア、ミャンマーやネパールなどの東南アジアが採用において注目される国となっていくことでしょう。ぜひ、今後の採用の参考にしていただければと思います。

まとめ

今回は、外国人労働者の受け入れ状況から今後の動向まで解説しました。

現状、日本における外国人労働者の人数だけ見れば中国がトップです。しかし、今後継続的に外国人の採用を考えるのであれば、労働者の自国の環境にまで目を向ける必要があります。

企業にとってのポテンシャルの高い外国人労働者とは、労働力人口が多く、海外で働くことが一般的な国の労働者です。また、まだ日本にあまり入ってきていない国の労働者であれば、さらなる採用のチャンスが眠っています。

世界の流れを読みつつ、一歩先を見据えた外国人材採用活動を進めていきましょう。