【最新】採用現場から見たミャンマーの現状と採用動向とは

採用現場から見たミャンマーの現状と採用動向を解説
執筆者:

外国人採用サポネット編集部

近年、日本の外国人採用において注目を集めている国のひとつがミャンマーです。
そのなかでも特定技能で働くミャンマー人は年々増加しており、日本での存在感を増しています。
一方で、軍事クーデターをきっかけとした内戦など、情勢の悪化をニュースなどで耳にする方も多いのではないでしょうか。

「ミャンマーって今どうなってるの?」「いま採用はできるの?」といった疑問を抱いている方に向けて、現地とやり取りしている私たちだからこそお伝えできる、最新の現地の情勢や採用のポイントを解説していきます。

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ミャンマー内戦の現状と国内の最新情勢

まずはミャンマー内戦の現状と国内の最新情勢について説明します。
現在の内戦は2021年2月1日に軍がクーデターを実行したことがきっかけです。それまで政権を担っていたアウン・サン・スー・チー国家顧問をはじめとする与党幹部を軍が拘束しました。

その結果、軍が政権を握りましたが、軍事政権に反発する民衆と軍の武力衝突が起きるなど、現在も内戦が続いています。

そもそもなぜ内戦が勃発したのか

そもそもなぜ、ミャンマーの内戦は勃発したのでしょうか。
内戦が起きた理由を詳しく解説していきます。

ミャンマーの歴史年表

ミャンマーの内戦の背景には、19世紀半ばにイギリスによって植民地支配された過去があります。イギリスは少数民族を支援することで、ミャンマーの多くを占めるビルマ族を支配する分割統治を行っていました。
1948年にミャンマーが独立すると、ビルマ族を中心とする政府軍と少数民族の武力衝突が起き、内戦が始まります。内戦による混乱の中、1962年に政府軍はクーデターを起こし、軍が政権を握りました。

しかし、軍事政権に対する反発は大きく、1988年には全国規模で民主化を求める学生運動が起こりましたが、軍に鎮圧されます。この学生運動を機にNLD(国民民主連盟)という政党を立ち上げ、民主化運動のリーダーとなったのがアウン・サン・スー・チー氏です。
NLDは軍事政権による弾圧を受けながら、2015年の選挙で圧勝し、民主政権となりました。

しかし、NLDによる民主化が進む中、2021年に軍がクーデターを起こしたことで、再び軍事政権となり、現在の内戦へ至ります。

内戦が変えたミャンマーの生活

ミャンマーで長期間続く内戦は、国民の生活にも大きな影響を与えています。

戦闘などにより、住む場所を追われた国内避難民は300万人に上ると言われています。また、徴兵制が導入されたことで、男性は急に徴兵され戦闘の前線に送られることもあるとのことです。
ただ、ヤンゴンなどの主要都市では大きな戦闘は少ない状況です。徴兵される前に国外で働き、ミャンマーから逃れたいと考えている人たちも多くいます。
しかし、軍事政権も、そのような徴兵を逃れようとする動きを把握しており、海外で働くために必要な書類の発給数を制限するなどの対応がとられています。また、戦況によって政府の方針が変わるため、国外就労に対する規制の状況が一変することも考えられます。

しかし、経済制裁などにより経済が落ち込んでいる中、外貨はミャンマー政府にとって貴重な収入です。そのため、政府が国外就労を完全に禁止するというのは考えにくいでしょう。

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地震の影響も甚大

内戦だけではなく、2025年3月に発生した地震も大きな影響を与えています。

マグニチュード7.7を記録したこの大地震は多数の死傷者を出しており、首都ネーピードーなども大きな被害を受けました。
地震被害による経済的損失がインフレに拍車をかけており、内戦により経済が落ち込んでいた中で、さらにダメージを受けた形です。

【最新】情勢がミャンマー人採用に与えている影響

いまのミャンマーの情勢は、ミャンマー人採用にどのような影響を与えているのでしょうか。

ここまでで説明したように、内戦や地震の影響もあり、海外で働きたいと考えるミャンマー人が増加傾向にあります。
しかし、実際には思うように採用が進まず、働き先が決まっても出国できない状況が続いています。

理由としては以下の3つが挙げられます。

  1. デマンドレターの発行数が規制されている
  2. スマートカード(OWIC)の発給が遅れている
  3. 18歳から35歳の男性に対する労働目的の出国制限

ミャンマー人の採用については以下の記事で詳しく解説しています。

①デマンドレターの発行数が規制されている

現在、デマンドレターの発行数が政府によって制限されており、ミャンマーにいる人材の採用活動に時間がかかっています。

デマンドレターとは日本でいう求人票のことで、現地にいるミャンマー人を採用するために必要です。デマンドレターは受入れ企業が作成し、現地の送り出し機関を通じてMOLIP(ミャンマー国内外の労働者を管理する機関)などに申請、承認を受けることで、求人をかけることができます。

しかし、1カ月で1つの送り出し機関が申請できるデマンドレターの数が、15枚までと政府によって制限されるようになりました。背景としては、徴兵から逃れたい、情勢が不安定なので国外で働きたい、と考えるミャンマー人の動きを抑えるという政府の狙いがあります。

デマンドレターについては以下の記事でも解説しています。
特定技能外国人はどの国・国籍から雇用できる?最新の各国法令・ガイドラインを解説

②スマートカード(OWIC)の発給が遅れている

ミャンマーを出国する際に必要となるスマートカード(OWIC)の発給が遅れています。スマートカードはミャンマー人が海外で働く際に、所持することが政府によって義務付けられている書類です。海外で働こうとするミャンマー人が出国するためにはスマートカードが必要なため、出国待ちのミャンマー人が続出しています。

2025年2月から3月までミャンマー人の海外流出を防ぐために、スマートカードの発給が停止されていました。発給が再開されるも、停止期間中に申請していた人から先に対応されていること、地震で省庁の建物が被害を受けたことから、いつ頃交付されるのかはわかっていません。

スマートカードについては以下の記事でも解説しています。

③18歳から35歳の男性は労働目的の出国が困難

また、ミャンマーの18歳から35歳の男性は、労働目的の出国が難しい状況にあります。

ミャンマーでは、国民の強制徴兵を可能とする人民兵役法が施行されており、18歳~35歳までの男性は徴兵の対象とされています。ミャンマー政府は、徴兵対象となる男性が国外に逃れるのを防ぎたいと考えているため、正規ルートでの出国は難しい状況です。

そのため、若いミャンマー人男性を採用する場合は、ミャンマー現地にいる人材ではなく、すでに日本に在留している人材の採用が中心となります。

ミャンマー人の採用は可能だが、入国にかかる時間は未知数

これまで説明したように、ミャンマー人が国外で働くには、越えなければならない多くのハードルがあります。ミャンマー人の採用自体は可能ですが、来日の見通しは立っていません。

18歳から35歳の男性は徴兵の対象となるため出国が難しく、女性もデマンドレターの規制やスマートカードの発給遅延などの影響で、出国まで時間がかかっています。
日本政府はスマートカードの発給遅延に対応するため、日本への入国に必要な在留資格認定証明書の有効期間を3カ月から6カ月に延長する措置を設けています。しかし、スマートカードの発給にかかる時間が未知数であることから、雇用契約を結んでからどれくらいの期間で入国できるかはわかりません。

国外脱出を望んでいるミャンマー人が、スマートカードのいらない観光ビザなどでタイへ入国し、海外へ出国しているという報道もありましたが、正規ルートではないため、今後どのような影響が出るかわからずリスクがあると言えます。

在留資格認定証明書については以下の記事で詳しく解説しています。
【よくわかる】在留資格認定証明書とは?交付申請や有効期限を行政書士が解説

来日を待っている企業のリアルな対応

それでは実際に受入れ企業はどのような状況なのでしょうか。

企業から聞いた話を例に挙げながら説明していきます。

  • 内定取り消しは避け、入国まで長い目で待っている
    多くのミャンマー人は徴兵や情勢への不安から、日本での就労を強く望んでいます。また、来日できた人は日本で長く働きたいと考えているので、非常にまじめに熱心に働いているという声が多く聞かれます。
    受入れ企業は、ミャンマー人を戦力として期待しているため、内定取り消しではなく、入国できるまで待っている企業も多いです。
  • 来日の見通しが立った際に、再度面談を行う企業もある
    最後に面接してから時間が経っているため、心境の変化や日本での生活で不安なことはないかなど、あらかじめ懸念要素を減らす場を設ける企業もあります。その結果、入社前と入社後のギャップをお互いに減らすことができ、来日後もスムーズに働くことができています。

ミャンマー人は穏やかな人が多く、親日国ということもあって、日本の職場との相性が良いと言われています。ミャンマー人の採用に期待を寄せている企業も多く、入国できるまでの間、別の国籍の外国人を雇用し、ミャンマー人が入国できるまで待とうという考えの方が多い印象です。

一方、いまだに来日できずにいるミャンマー人は数多く存在します。彼らは不安定な情勢に身を置いており、治安が良く比較的賃金の高い日本で働くことを強く希望しています。

そのため、普段ミャンマー人と接する機会の多い登録支援機関としては、すでに内定を出している企業には、可能な限り内定を取り消すのではなく、来日まで待っていただきたいという思いもあります。

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ミャンマー人採用は、国内人材の採用が現実的

ここまでで説明したように、ミャンマーの情勢は不安定で、国外就労に関する規制が明日どう転ぶかもわかりません。ミャンマー人を採用する際には最新情報を確認し、状況にあわせて対応する必要があります。

しかし、さまざまな規制などがある中、現地にいるミャンマー人が正規ルートで出国できる時期の見通しは立っていません。
そのため、すぐにでもミャンマー人を採用したい場合は、デマンドレターやスマートカードが必要ない、すでに日本にいる人材を採用するのが現実的と言えます。

ミャンマー人採用についてご相談がありましたら、マイナビグローバルまでお気軽にお問い合わせください。

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