台湾人の仕事観の特徴とは?上下関係や考え方を採用前に知ろう!

執筆者:

張聖豪

グローバル化が進んでいる現代社会では、海外の人と仕事をすることはもはや珍しくはありません。その際、相手の仕事観を理解することが非常に大切です。

海外から見ると日本人の仕事観は独特だとよく言われます。欧米と日本はもともと文化や習慣の違いも多いので仕事観が違うのは容易に想像できるでしょう。では親日で文化も比較的に日本に近いと言われる台湾人はどうでしょう。

今回は日系企業で働く台湾人の筆者が、台湾人の仕事観について解説したいと思います。

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台湾の基本情報

台湾人仕事観を説明する前に、まず簡単に台湾の基本情報をご紹介します。

アジアの地図

人口:約2,300万人

面積:約36,000㎢ (九州より少し小さい)

言語:①中国語(公用語、繁体字)、②台湾語 など

気候:北部は亜熱帯、南部は熱帯

台湾は沖縄本島の南西に位置し、台北から那覇まで飛行機で1時間の距離です。アジア地図全体で見ると、台湾は東南アジア諸国と日本の中間地点あたりに位置しています。台湾人は南国らしいフレンドリーで大らかな一面もありながら、日本人のような慎重で真面目な性格も併せ持っています。

※参照:日本外務省|台湾(Taiwan)基礎データ

台湾人の仕事観の特徴

日本語を勉強し、日本企業で働きたいという台湾人は比較的に日本文化を理解している人が多いです。ただし、文化も環境も異なれば、考え方の違いも当然あります。違いを埋めることは一朝一夕でできることではありませんが、仕事観を理解できれば、きっとお互いに働きやすくなるはずです。

ここでは一般的な台湾人の仕事観をご紹介しましょう。

①残業を好まない

残業に悩む台湾人女性

筆者は台湾で人材紹介事業に携っています。求職者に仕事を紹介する際、「残業は多いですか」とよく聞かれます。残業が多いと聞くと顔をしかめる人も多いです。台湾では残業代を支払わない所謂ブラック企業の話はネット上の口コミなどで広まりやすいため、日本企業の残業に対してネガティブなイメージがあります。

また、台湾人はプライベートの時間を重視する傾向が強くあります。家族と過ごす時間、友達と遊ぶ時間、趣味に使う時間など、仕事のために自分の時間を犠牲にしたくという考え方が一般的です。

②上下関係がフラット

台湾は職場でも私生活でも、上下関係は日本ほど厳しくありません。そもそも中国語に尊敬語や謙譲語などといった敬語は存在しないので、年上や目上の人に対しても友達のように接します。職場でもフラットな関係が多いです。

年功序列ではないので、上司部下ならまだしも、先輩後輩という考え方は基本的にはないです。上下関係の厳しい日本企業に入社した台湾人はストレスを感じて会社を辞めてしまうというケースも耳にすることがあります。

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③ホウレンソウが少ない、過程よりも結果

台湾は日本に比べて結果オーライなところがあります。仕事を進めている中、特に問題が起きなければ、途中経過を何も報告してこないことが多いです。社内でも社外でも、仕事の連絡をLINEで済ませることはよくあります。

いちいち仕事の進捗を報告することも、電話やメールで連絡することも、非効率だと考えるからです。欧米などもそうですが、結果が良ければ、過程はそこまで重視されません。逆に言えば、結果がすべての実力社会なのです。

また、過程にはこだわらないので、結果を出すための柔軟な対応は、得意な傾向にあります。

④仕事の範囲を線引きする

台湾人は自分の仕事の担当範囲に強い意識を持っています。そのため、担当内の仕事は責任を持ってしっかりやりますが、担当外の仕事を依頼されるとかなり嫌がります。「これ、私の仕事ではないですよね」「これは〇〇さんがやるべき仕事ですよね」と、遠慮なく言うことがあります。

会社に与えられた仕事を何でもやる、という考え方は台湾では一般的ではありません。台湾は欧米社会と同じく「ジョブ型雇用」です。ジョブ型雇用は、職務の目的・目標・責任・権限などが明確であり、それに対して給与が発生するという雇用です。

また、専門の仕事をこなすことでスキルを高めてキャリアを築いていきます。そのため、職務の範囲外の仕事を行うことは給与外の労働と感じたり、効率が悪いと考えてしまうのです。台湾人の求職者に在籍期間の短い会社の離職理由を聞くと、「もともと担当じゃない仕事が増えたから」、という理由はよくあります。

⑤自分の権利を主張する

台湾人は日本人ほど遠慮がちな性格ではありません。日本では職場の雰囲気、人間関係などを気にして自分の権利を行使しない人が多い印象ですが、台湾では労働基準法や会社規程によって守られた労働者の権利は、遠慮なく主張をします。それに台湾の労基法は日本よりも労働者に対して有利にできています。

ちなみに2019年の労働争議件数は、日本では265件なのに対して、台湾では26,435件と遥かに多いです。会社の雰囲気や人間関係よりも、自分の権利を守ることが大事という考え方です。

※参照:労働部統計処

※参照:厚生労働省|令和元年労働争議統計調査の概況

⑥転職には前向き

台湾人にとって転職は当たり前です。自分のステップアップのため、躊躇なく高い給料を出してくれる会社へ転職します。特に20代から30代前半の人は頻繁に転職するのは珍しくありません。若いうちにたくさんの仕事を経験し、自分に合う仕事を見つけるという考え方です。

日本は生涯転職回数3~4回と言われているのに対して、台湾は7回以上と言われています。

まとめ

如何でしょうか。日本人から見ると、ネガティブに感じる部分が多いのではないでしょうか。

文化と環境が異なれば、仕事観も当然異なります。海外から見た日本の仕事観も同様です。日本人の職人気質、勤勉さなどは高く評価される一方、非効率や非合理的などと言われることもあります。日本人の仕事観にも台湾人の仕事観にも、長所短所があります。

大事なのはお互いの仕事観を否定せず、理解しようとすることです。お互いの良い面を生かしていければ、より良い働き方ができるでしょう。台湾人と一緒に仕事をする際、本記事の内容が少しでも参考になれば幸いです。

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