運用変更あり|特定技能の定期届出・定期報告・随時届出についてわかりやすく解説!
特定技能制度には、定期届出・定期報告という義務的な支援があることをご存知ですか?
定期届出・定期報告を怠っていると、特定技能外国人の継続した受け入れができなくなる場合もあります。
また、登録支援機関に特定技能外国人の支援を委託しているか否かで、受け入れ企業が用意しなければいけない書類の数が違うため注意が必要です。
2026年4月より運用変更もあります。報告を忘れたり、書類に誤りを発生させないためにも、特定技能制度における定期届出・定期報告について知っておきましょう。

監修:行政書士/近藤 環(サポート行政書士法人)
在留資格に関するコンサルティング業務を担当。2019年に新設された「特定技能」も多数手がけ、申請取次実績は年間800件以上。 行政書士(東京都行政書士会所属 /第19082232号)
目次
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特定技能制度における定期届出とは?
特定技能制度において、定期届出は特定技能外国人を支援するための義務です。
定期報告を届け出ることを「定期届出」といいます。
特定技能制度の各種届出に関する運用が変更され、今まで3カ月に1回だった届出が、2026年4月からは新しいルール(1年に1回の届出)に沿って行われます。※
※特定技能制度における届出のルール変更については、こちらのページをご参照ください。(2026年4月以降に提出する定期届出の具体的な提出方法等の詳細については、決まり次第、出入国在留管理庁より案内される予定です。)
▼ 特定技能外国人への義務的支援については以下で詳しく解説しています。
定期面談とは?
定期面談は、特定技能外国人の現況を聞き取るために行われる、定期的な面談です。特定技能外国人が適切な環境で働くことができているか、特定技能外国人とその監督者(直接の上司や雇用先の代表者等)に対して直接聞き取りを行います。
登録支援機関に特定技能外国人の支援を全委託している場合は、登録支援機関が特定技能外国人に定期面談を行います。受け入れ企業の監督者・担当者も登録支援機関から面談を受ける必要があります。
定期面談はオンラインでの実施も可能です。オンラインで面談を実施する場合も従来のとおり3カ月に1回以上の面談を行う必要があります。オンライン面談を活用する場合でも、1年に1回以上は対面による面談を実施することが望まれます。また、オンライン面談の様子は特定技能雇用契約の終了日から1年以上保管し、地方出入国在留管理局から閲覧を求められた際には応じる必要があります。
特定技能外国人から相談や苦情が発生した場合、相談記録書を作成する必要があります。相談・苦情が無い場合は提出の必要はありません。
詳しくはこちらをご確認ください。
定期届出の提出期間は、2026年4月からは1年に1回
特定技能制度における各種届出の届出項目や届出頻度が変わり、以前の年4回(四半期ごと)から年1回になりました。
「受入れ・活動状況に係る届出書」と「支援実施状況に係る届出書」を一体化し、「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書」(参考様式第3-6号)に変更されます。
また、届出事項や届出時に提出する書類が、以下のとおり変更されます。
・ 別紙の内容 : 個人の年間活動日数、給与の総支給額、支援の実施状況等について、特定技能外国人を受け入れている事業所単位で作成
・ 主な添付書類 : 特定技能所属機関の登記事項証明書、決算関係書類、役員の住民票写し、公的義務の履行証明書など
令和8年4月以降に提出する定期届出の具体的な提出方法等の詳細については、決まり次第、出入国在留管理庁のホームページにて案内される予定です。
この運用変更により、定期届出の負担は改善されましたが、以前よりも報告内容の正確性と受け入れ機関側の体制整備が求められます。また、定期的な面談については、従前のとおり、3カ月に1回以上行う必要があります。
【定期届出の対象・提出期限】※運用変更前
| 届出の対象となる期間 | 提出期限 | |
|---|---|---|
| ①第1四半期 | 1月1日~3月31日 | 4月1日~4月15日 |
| ②第2四半期 | 4月1日~6月30日 | 7月1日~7月15日 |
| ③第3四半期 | 7月1日~9月30日 | 10月1日~10月15日 |
| ④第4四半期 | 10月1日~12月31日 | (翌年)1月1日~1月15日 |
提出期限を過ぎてしまった場合
提出期限を過ぎてしまった場合は、定期報告の必要書類と共に、遅延発生の理由書を添付して地方出入国在留管理局に提出しましょう。
なお、理由書に決まったフォーマットはありません。Wordなどの適切な形式で作成しましょう。
定期報告を怠った場合の罰則
定期報告を怠った場合、特定技能外国人の受け入れを継続して行うことができなくなる可能性があります。
定期届出の提出先と提出方法
定期届出の提出先は、所属機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局・支局です。法人の場合、登記上の本店所在地を管轄している地方出入国在留管理局・支局に提出する必要があります。
【定期届出 提出先一覧】
| 地方局・支局名 | 届出を管轄する都道府県 |
|---|---|
| 札幌出入国在留管理局 | 北海道 |
| 仙台出入国在留管理局 | 青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県 |
| 東京出入国在留管理局 | 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、新潟県、山梨県、長野県 |
| 東京出入国在留管理局 横浜支局 | 神奈川県 |
| 名古屋出入国在留管理局 | 富山県、石川県、福井県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 |
| 大阪出入国在留管理局 | 滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県 |
| 大阪出入国在留管理局 神戸支局 | 兵庫県 |
| 広島出入国在留管理局 | 鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県 |
| 高松出入国在留管理局 | 徳島県、香川県、愛媛県、高知県 |
| 福岡出入国在留管理局 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮城県、鹿児島県 |
| 福岡出入国在留管理局 那覇市局 | 沖縄県 |
上記の地方出入国在留管理局に、直接窓口まで提出するか、もしくは郵送で書類を提出してください。
▼ 入管については以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
また、定期届出はオンラインで行うこともできます。次で詳しく解説します。
オンラインで定期届出(定期報告)する場合
オンラインで定期届出をする場合、事前登録が必要です。
所属機関などの所在地を管轄する地方出入国在留管理官署の窓口、もしくは郵送で「出入国在留管理庁電子届出システム利用者情報登録届出書」を事前に提出することで、出入国在留管理庁電子届出システムポータルサイトを利用することができます。
定期届出に必要な書類は、電子届出システムの入力画面から、ファイルとして添付することが可能で、郵送の手間や時間を軽減することができます。詳しくはこちらのページをご確認ください。
定期届出の必要書類
定期届出に必要な書類は、特定技能外国人の受け入れ企業がすべて行う場合と、登録支援機関に委託している場合で違います。
後で詳しく解説しますが、まずは定期報告に必要な準備について解説します。
事前に必要な準備
定期面談では、雇用契約と異なる業務を行っているか、また休日がきちんとあるかどうかなどを確認します。
また、特定技能外国人の他にも、受け入れ企業の監督者にも定期面談を行うことが求められます。こちらも定期報告の事前準備に含まれます。
登録支援機関に支援を委託している場合
登録支援機関に支援を委託している場合、受け入れ企業が提出しなくてはいけない書類が少なくなります。
支援を全て委託している場合の提出書類の数は企業によって異なりますが、3点は必ず提出しなければなりません。
一方で、登録支援機関に支援を委託していない、または一部分だけ支援を委託している場合は、少なくとも7点の書類の提出が必要です。具体的には、支援状況についての届出書などが必要となってきます。
受け入れ企業が定期届出で作成・提出する必要書類
受け入れ企業が作成・提出する必要がある書類は、以下の通りです。
- 受入れ・活動状況に係る届出書
- 特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況
- 賃金台帳の写し ※特定技能外国人のもの・比較対象の日本人のもの
- 報酬支払証明書 ※報酬の支払を通貨払いにしている場合
- 理由書 ※届出期間内に定期届出ができなかった場合。様式は自由
これらのうち、1~3までが作成・提出必須である書類です。
書類について、以下で詳しく解説します。
受入れ・活動状況に係る届出書
「受入れ状況・活動状況に係る届出書」は、こちらの4ページの書類です。事業所単位で記載するものではなく、法人全体で1部を作成する必要があります。
複数の登録支援機関に支援を依頼していても、作成は法人全体で1部と定められているので、注意しましょう。




特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況(参考様式第3-6号別紙)
特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況に関しては、こちらの書類を記入する必要があります。先の「受入れ状況・活動状況に係る届出書」と違い、複数の登録支援機関に支援を委託していた場合、こちらの書類は登録支援機関ごとに作成できます。
こちらの書類で注意したいのが、「活動日数」の考え方です。
活動日数とは、該当する四半期間中に、特定技能外国人が就労した日数のことを指しています。有給・無給を問わず、休日は含まないので間違えないよう注意しましょう。
Q24:「活動日数」には、何を記載すればよいのですか。
A24:届出の対象期間中、実際に特定技能所属機関において就労した日数を記載してください。有給・無給を問わず、休暇等で就労していない日数については含みませんが、1号特定技能外国人支援計画に基づく支援(生活オリエンテーション等)及び職務命令による出張・研修については、活動日数に含めてください。引用:特定技能所属機関からの定期届出に関連してお問合せの多い事項について(Q&A)|出入国在留管理庁

賃金台帳の写し(特定技能外国人のもの・比較対象の日本人のもの)
賃金台帳の写しを、特定技能外国人のものと比較対象となる日本人のものを2種類提出しましょう。特定技能外国人の賃金台帳の写しは、届出対象期間内に支払った賃金に対応した写しを特定技能外国人全員分、提出する必要があります。
また、比較対象である日本人の賃金台帳の写しは、特定技能外国人の在留資格申請時に提出した日本人従業員と同じ人物の賃金台帳のものでなければいけません。
報酬支払証明書(参考様式第5-7号)
賃金などの報酬の支払いを通貨払い(現金払い)にしている場合は、報酬支払証明書も提出しなくてはいけません。こちらの書類は、対象となる特定技能外国人全員分作成・提出する必要があります。

登録支援機関が作成・提出する必要書類
登録支援機関は、届出書と身分を証明する文書などを同封・提示して、受け入れ企業の本店所在地の住所を管轄する地方出入国在留管理官署に提出しなければいけません。
注意すべき点について、解説します。
届出期間
特定技能制度における各種届出の届出項目や届出頻度が変わり、以前の年4回(四半期ごと)から年1回になりました。
届出事項
届出が必要な事項は、次の通りです。
- 特定技能外国人の氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住居地及び在留カード番号
- 特定技能所属機関(受け入れ企業)の氏名または名称と住所
- 特定技能外国人から受けた相談の内容とその対応状況(労働基準監督署への通報及びハローワークなどへの相談の状況を含む)
- 出入国や労働基準法などに関する法律に関し、不正や不当な行為の発生、特定技能外国人の行方不明者の発生など、その他の問題の発生状況
これら1~4の事柄について、届出が必要です。
届出の様式については、次で詳しく解説します。
届出の様式
届出の様式は、複数の様式があります。このうち、最低でも以下の3種の書類が必要です。また、事由が発生しだい、相談記録書などの書類が必要となる場合もあります。
- 支援実施状況に係る届出書
- 1号特定技能外国人支援対象者名簿
- 定期面談報告書(1号特定技能外国人用・監督者用)
<場合によって必要になる書類>
- 相談記録書
- 転職支援実績報告書
- 支援未実施に係る理由書
以下の画像は、1~3の書類の参考画像です。
【支援実施状況に係る届出書】


【1号特定技能外国人支援対象者名簿】

【相談記録書(特定技能外国人)】


【定期面談報告書(監督者用)】


届出先
届出先は、支援を委託されている受け入れ企業の本店の住所を管轄する地方出入国在留管理官署です。
あくまで本店の住所であることに注意してください。窓口でも郵送でも受け付けていますが、福岡出入国在留管理局に提出する場合には、窓口へ持参する場合と、郵送する場合で住所が違うので、こちらにも注意が必要です。
また、インターネットによる提出も受け付けています。利用する事前に登録が必要なので、提出期間になって慌てることのないように、余裕のあるときに登録しておくといいでしょう。
相談窓口
書類の記入方法など不明点は、地方出入国在留管理官署または外国人在留総合インフォメーションセンター(TEL:0570-013904)までお問い合わせください。
登録支援機関に委託していない場合
登録支援機関に委託せず、自社で特定技能外国人の支援を行っている場合は、先述の書類をすべて自社で作成しなければいけません。
つまり、最低でも以下の6種類の書類を用意する必要があります。
- 受入れ・活動状況に係る届出書
- 特定技能外国人の受入れ状況・報酬の支払状況
- 賃金台帳の写し(特定技能外国人のもの・比較対象の日本人のもの)
- 支援実施状況に係る届出書
- 1号技能特定技能外国人支援対象者名簿
- 定期面談報告書(1号特定技能外国人用・監督者用)
※報酬の支払いを通貨払いにしている場合、報酬支払証明書も必要
さらに、事由が発生したら以下の書類も必要となります。
- 相談記録書…特定技能外国人から相談・苦情対応が発生した場合に提出
- 転職支援実施報告書…「非自発的離職時の転職支援」を行った場合に提出
- 支援未実施に係る理由書…1号特定技能外国人支援計画書で実施予定と記載した支援が未実施となった場合に、理由などについて記載し提出
また、届出期間内に届出書ができなかった場合、理由書も添付して提出する必要があります。
定期届出の注意点
定期届出は、提出を忘れてしまう危険が多い手続きです。定期提出は義務的支援なので、未提出では済まされません。
定期届出で行わなければいけないことの流れを、振り返ってみましょう。
- 3カ月に1回対面もしくはオンラインでの定期面談を行う(オンラインの場合でも年に1回は対面で。監督者に対しても行う。出来なかった場合はその理由を理由書に記入)
- 書類を用意する(登録支援機関に支援を委託している場合と、自社で支援を行っている場合で提出しなければいけない書類の数が違うので注意が必要)
- 本店の住所を管轄している地方出入国在留管理管轄署に提出
これらを1年に1回行わなくてはいけません。新しいルールでの定期届出(1年に1回の届出)を最初に提出するのは2026年4月1日~5月31日となります。忘れないようにしましょう。
随時届出の出し忘れにも注意!
特定技能制度では定期届出以外にも義務付けられている届出があります。随時届出です。
随時届出とは、事由が発生した場合に提出する書類で、事由が発生したときから14日以内に提出しなければなりません。
該当する事由と必要書類については以下の通りです。
| 必要書類 | 該当する事由 | ルール変更点 |
|---|---|---|
| 受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号) | ・在留資格の許可を受けた日から1カ月経過後も就労を開始していない場合 ・雇用後に1カ月活動ができない事情が生じた場合 | 届出対象の 追加など |
| 特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の基準不適合に係る届出(参考様式第3-5号) | ・特定技能基準省令第2条第1項各号及び同条第2項各号に適合しない場合 ※ | 届出項目の 変更 |
| 1号特定技能外国人支援計画の実施困難に係る届出(参考様式第3-7号) | ・自社支援の場合に、1号特定技能外国人支援計画に基づく支援が実施困難になる事由が発生した場合 | 新設 |
| 1号特定技能外国人支援計画の実施における特異事案報告(参考様式第4-3号) | ・登録支援機関が支援の全部委託を受けている場合に、1号特定技能外国人支援計画に基づく支援が実施困難になる事由が発生した場合(支援において特定技能所属機関の基準不適合を把握した場合も) | 新設 |
※不適合の具体例とは
・ 税金や社会保険料等の滞納が発生したとき
・ 特定技能外国人が従事することとされている業務と同種の業務に従事していた労働者(日本人及び他の在留資格で就労している外国人を含む。)に関し、非自発的離職を発生させたとき
・ 関係法律による刑罰を受けたとき
・ 実習認定の取消しを受けたとき・ 出入国又は労働関係法令に関する不正行為を行ったとき
・ 外国人に対する暴行行為、脅迫行為又は監禁行為が発生したとき
・ 外国人に支給する手当又は報酬の一部又は全部を支払わない行為が発生したとき など
提出を忘れがちな届出ですが、適正に届け出ないと特定技能外国人の受入れができなくなる場合があるので、注意が必要です。詳しくはこちらをご確認ください。
登録支援機関が提出する随時届出
登録支援機関も、登録事項の変更や支援業務の休止・廃止・再開に係る届出は、随時届出として提出することが求められています。
まとめ
定期届出は、定期期間中に必ず提出しなければいけません。定期届出をするためには、事前に書類の準備や特定技能外国人に定期面談を行わなくてはいけません。これは、定期面談で確認したことを報告することが、定期届出だといえるからです。
登録支援機関に支援を一括して委託している場合、定期届出に必要な書類は少数で済みます。逆に支援を委託していない場合、または一部分だけ支援を委託している場合は、用意しなくてはいけない書類が多くなります。
定期届出にかかる負担を軽減したいと考えられている方は、特定技能外国人への支援は登録支援機関に委託することもできます。マイナビグローバルでは登録支援サービスを行っていますので、気になる方は資料請求やお問合せをしてみてください。








