就労ビザの在留期間は何年?審査には何日必要?

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外国人に長く働いてもらいたい場合、気になるのは在留期間(有効期間)です。就労ビザの在留期間は、上限は決まっているものの、上限いっぱいまで許可が出るのか、実際に何年の許可が出るのかという点は状況によって異なります。

今回は、外国人採用を考えている企業の担当者に向けて、在留期間の基礎知識や、申請にかかる期間をお伝えするとともに、就労ビザとして代表的な「技術・人文知識・国際業務」、「特定技能」を例にとって詳しく解説します。

在留期間とは? 就労ビザと有効期間の関係

ミーティングをする外国人社員

就労ビザには、在留期間(有効期間)があります。就労ビザと在留期間の関係についてご紹介します。

在留期間とは外国人が日本に在留できる期間のこと

日本で働くことのできる就労ビザ(働くことを目的に取得する在留資格)は19種類あります。

また、就労に制限のない永住者や定住者、日本人の配偶者といった身分系の在留資格は4種類です。内容によっては就労が認められる特定活動も含めると全部で24種類の在留資格で就労することが可能です。

これらの在留資格によって在留期間が異なることに加えて、外国人本人の経歴によっても、期間が長くなったり短くなったりすることがあります。

就労ビザの有効期間を過ぎると不法滞在になるので要注意!

もし、更新を忘れて有効期間を過ぎると不法滞在になってしまいます。また、不法滞在の外国人社員を雇用してしまうと、企業に責任が問われることもあるので注意しなければなりません。詳しくは過去の記事で解説していますので、参考にしてください。

▶関連記事:知らなかったでは済まされない!不法就労助長罪とは?企業が注意すべきポイント

技術・人文知識・国際業務の在留期間は最長5年・最短3か月

就労ビザの代表格として知られている「技術・人文知識・国際業務」は、主に、大学を卒業した外国人が、ホワイトカラーとして雇用される場合に取得する就労ビザです。

技術・人文知識・国際業務の在留期間は、「5年・3年・1年、または3か月」です。したがって、一番短い人では3か月で有効期間が終わってしまい、更新が必要になることがあるということです。

また、最初から5年の在留期間が付与されるわけではありません。在留期間は、法務大臣の裁量によってきめられているので、例えば申請側がいくら5年を希望したところで、1年の在留期間が付与されることはあります。

技術・人文知識・国際業務は更新回数に制限がありません。

有効期間が終わる前に、その都度更新すれば更新する限りは日本で働き続けることができます。

特定技能1号の在留期間は最長1年・最短4か月

技術・人文知識・国際業務のほかに、もう一つ、就労ビザとして有名なのが特定技能1号です。

特定技能1号の在留期間は、1年・6か月または4か月と定められています。

技術・人文知識・国際業務と違って、特定技能1号の更新は無制限ではなく、通算5年間までしか日本に在留できません。ただし、他の就労ビザに切り替えて働き続けることができるケースもあります。

ちなみに、特定技能には1号のほかに「2号」もあります。特定技能2号の在留期間は3年・1年または6か月であり、要件を満たす限り更新に制限がないという点で、1号とは大きく異なります。特定技能2号は熟練した技能を持つ外国人向けの在留資格であり、特定技能2号で在留している外国人は2020年9月時点ではまだ存在しません。

特定技能について、詳しくは過去の記事をご覧ください。

▶関連記事:新在留資格「特定技能」についてわかりやすく解説。最新動向もチェック

在留期限の決まり方

在留資格申請の書類を読む外国人

そもそも、どのような仕組みで在留期限が決まるのでしょうか。就労ビザにおける在留期間の決まり方について分かりやすく説明します。

納税や届出などの義務を果たしていないと短めになる傾向がある

在留期限は法務大臣が決めますが、「要観察」とみなされる要素があると次の更新までの期間が短くなることがあります

例えば、日本に在留している外国人が、過去に税金の未納や滞納、在留資格に関する届出義務を果たさなかった場合、次に許可される在留期間は短くなる傾向にあります。居住地の届出をしないままでいると、在留資格が取り消されることもありますので、届出をうっかり忘れてしまわないように、外国人本人に注意喚起する必要があります。

もちろん、犯罪行為も「要観察」とみなされる要素ですので、次に許可される在留期間が短くなります。大きな犯罪をした場合は、強制的に帰国(強制送還)となるケースもあります。

初回の許可は1年となることが多い

初回については、税金の未納や犯罪などの問題となる行動をしたことのない外国人であっても1年となることが多いです。また初回ではなく、在留期間の更新申請であっても、大して活動実績がない、という場合は1年になる傾向があります。

できるだけ長い期間の在留許可を得るためにできること

今後、自社で働くにあたって外国人は何回も在留期間の更新申請を行うでしょう。

毎回の更新申請の手間を少なくし、できるだけ長い期間の在留許可を得るために、外国人が日本で平穏に生活できるよう企業がサポートすることが大切です。自社で働く外国人労働者がトラブルに巻き込まれないように日本でのルールを教えていくことや、各種納税などの義務もきちんとこなしていくことの重要性を伝えてください。

また、初回の在留期限は通常短いものなので、在留期限については外国人だけではなく、企業側も把握しておき、更新のタイミングを確認してください。

在留許可申請をしたらどれくらいで許可される?

在留許可申請をチェックする人達のイメージ

在留許可申請は、すぐに通るものではありません。日数に余裕を見て申請する必要があります。

在留資格認定証明書を取得する場合

海外で採用して、外国人を日本に呼び寄せる場合の手続きは、「在留資格認定証明書交付申請」をするところから始まります。在留資格の認定では、資格の種類ごとに幅がありますが、申請後約30日~90日の間に審査され、結果が出ます。在留資格が認定されると、「在留資格認定証明書」が交付されます。

一般的に、海外から外国人を採用して日本に呼ぶ場合、在留資格認定証明書を取得した後、それを持って日本大使館で査証の発行をしてもらいます。その後、外国人が在留資格認定証明書と査証を持って、日本に入国するという流れになります。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の場合

出入国在留管理庁が調査した審査期間の統計をもとに、平成29年分から令和元年分までの平均値を算出してみると、技術・人文知識・国際業務では概ね30~40日の間に在留資格認定証明書の審査が行われていることがわかります。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の場合の審査期間を表すグラフ
参考:出入国在留管理庁|在留審査処理期間

在留期間【更新】許可申請の場合

在留期間を更新するための申請「在留期間更新許可申請」については、全体の平均として審査に30日前後かかっています。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の場合

上記の統計を見ると、在留期間を更新する場合は、平均で30日程度かかっていますので、標準処理期間として公表されている「14日間」を想定して書類を出すのではなく、1か月間フルにかかると思った方がいいでしょう。

在留資格【変更】許可申請の場合

在留資格変更許可申請の場合は、在留資格の種類によってかなりのばらつきがあります。例えば、平成29年の4月から6月に在留資格の変更が許可された申請では、技術・人文知識・国際業務の審査期間は38.1日でしたが、技能実習3号(ロ)は70.1日でした。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」の場合

在留資格を変更する場合の申請は、標準処理期間として、14日~30日が設定されています。しかし、出入国在留管理庁の行った統計からは、それ以上かかる傾向にあることが分かります。

審査期間以上に書類の作成にかかる日数に注意

審査期間は不備のない書類を出した場合にかかる日数のことを言います。

あくまでも、窓口に書類が受理されてからの日数で、それ以外の期間は含まれていません

例えば、書類提出には相当な書類の準備が必要で時間がかかります。また、書類の不足や不備等により受理されなかった場合は、再提出をするために書類を修正したり再度取り寄せたりする必要があるため、在留期間更新の際に、書類の準備期間も考慮して準備を行いましょう

企業の規模によって提出書類の数が変わることもある

例えば、在留資格「技術・人文知識・国際業務」では、企業の規模によってカテゴリーが分かれており、カテゴリーによって必要書類の多さが異なります。

また、「特定技能(1号)」の場合は、外国人支援業務を委託する場合はその契約書が必要など、書類の種類が多いことが特徴です。なお、技術・人文知識・国際業務のような企業のカテゴリー分けはされていません。特に初めて外国人を雇用する場合などは、会社側も外国人側も申請の準備をはじめてから在留資格認定証明書が発行されるまで、どのくらいの期間が必要なのかよくわからないと考えられます。

書類準備の期間は長めにとっておいたほうが良いでしょう。最低でも1か月、慣れない場合などはそれ以上の余裕をもって準備してください。

初めての外国人雇用で、調べても自分たちでは対応できそうにない、書類の数が多く対応が難しい場合等は、入管業務に詳しい行政書士に相談しましょう。ギリギリまで自分たちで頑張るのではなく、できるだけ早い段階(普段の業務と並行して進めるのが難しいと感じた時点)で、相談することをおすすめします。

まとめ

就労ビザ更新のための書類記載のイメージ

今回は、就労ビザ(技術・人文知識・国際業務と特定技能)の在留期間と、在留資格取得までにかかる日数についてご紹介しました。

在留期間が短い場合に注意すべきことは、うっかり期限切れになり、企業側も把握しておらず、知らないうちに不法就労助長罪を犯してしまわないことです。外国人と企業の双方で次の更新のタイミングを共有・把握してください。

できるだけ長い期間の許可が出るようにするために、外国人が犯罪などのトラブルに巻き込まれないように注意喚起などのサポートをしましょう。

企業側にとって、就労ビザの有効期限切れのリスクに備えておくことは重要です。