特定技能「電気・電子情報関連産業」とは?採用方法を紹介

特定技能_電気・電子情報関連産業とは?採用方法を紹介
執筆者:

外国人採用サポネット編集部

人手不足が深刻化している「電気・電子情報関連産業分野」「素形材産業分野」「産業機械製造業分野」の製造3分野においては、今後ますます外国人材の雇用が増えていくことが予想されています。そこで今回は、製造3分野で活躍できる在留資格「特定技能」について詳しく説明していきます。

監修:行政書士/古田 晶稔(サポート行政書士法人)

在留資格(ビザ)申請に携わると共に、技能実習に関する手続きも担当。 人材不足に悩む中小企業へ向けた外国人活用に関するコンサルティング業務をメインとして活躍。 行政書士(愛知県行政書士会所属 /第16190330号)

電気・電子情報関連業界の人手不足と現状

電気・電子情報関連の分野では具体的にどのくらい人手不足が深刻であるかというと、業界全体の有効求人倍率は2017年時点で2.75倍とされています。なかでも深刻な求人難となっているのが、プラスチック製品・製造工(3.70倍)、製品包装作業員(3.60倍)、金属溶接・溶断工(2.50 倍)です。

電気・電子情報関連の分野はIT化やAI導入を進めやすいため、省人化を進められる可能性がある一方、労働需要の拡大にテクノロジーの進歩が追いついていないことも現状です。

▶出典:電気・電子情報関連産業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針|経済産業省(PDF)

特定技能1号とは 

特定技能」とは、2019年4月から創設された在留資格です。日本では年々、少子高齢化の影響によって働き手の人材確保が困難になっています。その解消のために導入されたこの制度によって、在留資格を得て日本で働きたい外国人のチャンスも広がっています。

この資格が導入されたことによって、国内での人手不足が深刻化している14の業種において、外国人の就労が可能となりました。電気・電子情報関連産業はその14分野の一つです。

14の業種については下記の関連記事で詳しく解説しています。

また、特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があります。特定技能1号は、特定産業分野での労働に必要な知識または経験を有した外国人に向けられた在留資格です。特定技能1号の在留資格で来日するためには、相応の日本語スキルと、仕事に関する知識や経験に関しての試験に合格することが必要です。この資格で在留できる期間は通算5年間です。

特定技能2号の創設について

特定技能2号は、特定技能1号の修了者の次のステップとして用意されている在留資格です。ただし、2022年3月時点で特定技能2号に移行可能な分野は「建設業」および「造船・舶用工業」のみですが、2022年度中には「介護」を除く残りの11業種も対象に追加が決定される見込みです。これによりほぼ無期限で労働可能となる見通しです。

特定技能1号「電気・電子情報関連産業」とは ?

特定技能1号「電気・電子情報関連産業」について解説していきます。特定技能1号「電気・電子情報関連」は、以下の13種類の業務に従事することができます。

1. 機械加工
2. 金属プレス加工
3. 工場板金
4. めっき
5. 仕上げ
6. 機械保全
7. 電子機器組立て
8. 電気機器組立て
9. プリント配線板製造
10. プラスチック成形
11. 塗装
12. 溶接
13. 工業包装

特定技能1号「電気・電子情報関連産業」の在留資格を持つ外国人は、派遣社員としての雇用は認められておらず、直接雇用のみが認められています。

特定技能1号「電気・電子情報関連産業」の在留資格を持つ外国人の受入れ見込み数は、5年間の最大値で4,700人とされています。

▶出典:電気・電子情報関連産業分野 | 特定技能制度とは | 特定技能総合支援サイト | 法務省出入国在留管理庁

特定技能「電気・電子情報関連産業」で外国人が行うことのできる業務

特定技能1号「電気・電子情報関連産業」の外国人が従事することのできる業務は、前述した13種類ですが、同様の業務に従事する日本人が通常行うことがある関連業務に、付随的に従事することも認められています。

関連業務の例としては、原材料・部品の調達・運搬作業、クレーン・フォークリフトなどの運転作業、清掃・保守管理作業、各職種の前後工程作業などです。

特定技能「電気・電子情報関連産業」の外国人を採用するには?

特定技能1号「電気・電子情報関連産業」の外国人を受け入れるためには、3つの条件を満たしている必要があります。

受け入れ側企業が対象産業に該当している

「電子部品・デバイス・電子回路製造業」「電気機械器具製造業」「情報通信機械器具製造業」のうちいずれかの産業を行っていて、かつ直近1年間で製造品出荷額が発生していることが必要です。また、該当性の確認は事業所毎に行うため、事業所単位で該当していなければなりません。

特定技能「電気・電子情報関連産業」の受入れ産業であるかどうかは、日本標準産業分類における、産業の分類番号でも確認できます。

具体的には、28番の「電子部品・デバイス・電子回路製造業」、29番の「電気機械器具製造業(ただし2922内燃料電装品製造業および素形材産業分野に掲げられた対象業種を除く)、30番の「情報通信機器器具製造業」となります。

(例)

中分類 28  電子部品・デバイス・電子回路製造業

281 電子デバイス製造業

2811 電子管製造業

2812 光電変換素子製造業

2813 半導体素子製造業(光電変換素子を除く)

2814 集積回路製造業

2815 液晶パネル・フラットパネル製造業

日本標準産業分類(平成25年10月改定)(平成26年4月1日施行)-分類項目名|総務省

「製造業特定技能外国人材受入れ協議会・連絡会」に加入している

特定技能1号の外国人受け入れ前に、「製造業特定技能外国人材受入れ協議会・連絡会」に入会しておくことが必要です。

電気・電子情報関連産業の分野における特定技能競技会に加入するためには、経済産業省管轄の「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」に入会を申請する必要があります。

加入に際しての費用は、2022年3月時点では必要ありません。

特定技能協議会への加入とは

特定技能協議会とは、特定技能制度を適切に運用するために設置された機関のことです。特定技能を対象とした14業種ごとに各管轄省庁が中心となって、特定技能外国人にとって働きやすい労働環境の維持・改善に努めており、特定技能外国人を雇用する企業には協議会への加入が義務付けられています。

特定技能1号の外国人への適切な支援を行う

特定技能1号の外国人を受け入れるにあたって、法律で定められた支援を行えるように体制を整えておく必要があります。支援の具体的な内容は、住居の確保や金融機関の口座開設、日本語を学習する機会の提供、日本人との交流の場の提供など、トラブルなく快適に暮らせるために必要なことです。

また、登録支援機関にすべて委託した場合も、適切な支援体制が整備されているとみなされます。支援機関に委託する場合、支援費用を支払う必要があります。

受入れ企業は特定技能外国人に対しても日本人雇用者と同じように同一労働同一賃金ガイドラインを守る必要もあります。

特定技能1号「電気・電子情報関連産業」を取得するには?

特定技能1号「電気・電子情報関連産業」で労働する外国人が、この資格を取得する方法を解説します。

特定技能1号「電気・電子情報関連産業」を取得するためには試験を受けて合格するパターンと、技能実習2号から移行するパターンの2パターンがあります。

特定技能1号評価試験と日本語能力の試験に合格する

特定技能1号を取得するためには、現場で即戦力となる技能および日本語レベルが認められる必要があるため、試験を受けて合格することが必要です。

特定技能1号評価試験

外国人が一定のスキルを持ち合わせているかは、「製造分野特定1号評価試験」によって測られます。

試験区分は、下記の13種類です。

1. 機械加工
2. 金属プレス加工
3. 工場板金
4. めっき
5. 仕上げ
6. 機械保全
7. 電子機器組立て
8. 電気機器組立て
9. プリント配線板製造
10. プラスチック成形
11. 塗装
12. 溶接
13. 工業包装

日本語能力の試験

日本語レベルについては、「日本語能力試験(JLPT)N4以上」または「国際交流基金日本語基礎テスト」に合格することが必要です。

◆「日本語能力試験」とは

日本語能力試験のレベルは5段階あります。基礎であるN5から幅広い場面で活用される日本語のN1まであります。

日本語能力試験は、日本語能力の基礎が備わっているかの基準となるN5から、幅広い場面で日本語を活用できるかを判断するN1まで、5段階のレベルに分かれています。特定技能取得のための合格ラインであるN4は、「基本的な語彙や漢字を使って書かれた日常生活の中でも身近な話題の文章を、読んで理解することができる」「日常的な場面で、ややゆっくりと話される会話であれば、内容がほぼ理解できる」レベルの会話ができることです。

試験は通常、年2回開催されます。

◆「国際交流基金日本語基礎テスト」とは

「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」があるかを判定するテストを行い、日本生活でのコミュニケーションに必要な日本語能力を測定することが目的です。試験は通常、年5回開催されます。

「日本語能力試験」は、日本語学習者の学習習熟度を測るための総合的な試験である一方、「国際交流基金日本語基礎テスト」は、日本で生活するうえでのさまざまなシーンで必要になる日本語のコミュニケーション能力を測ることができるテストです。

試験情報についてさらに詳しく知りたい場合は以下の記事も併せてご覧ください。

技能実習2号からの移行

電気・電子情報関連産業分野に該当する職種の「技能実習2号」を修了している外国人材に限っては、「製造分野特定1号評価試験」を受ける必要がありません。ただし、技能実習2号移行対象職種に対応する業務区分以外の業務への従事を希望する場合は、希望する業務区分の製造分野特定技能1号の評価試験に合格することが必要です。

また、技能実習2号を修了している外国人材のほとんどは、日本語にも問題がないとされています。そのため、日本語能力試験または国際交流基金または日本語基礎テストに合格する必要はありません。移行対象職種に対応する業務区分以外の業務へ従事を希望する場合でも、同様に不要です。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

製造分野特定技能1号評価試験について

特定技能1号「電気・電子情報関連産業」を得るための「製造分野特定技能1号評価試験」は、日本およびインドネシア、ネパールで開催され、試験は、実施国の現地語で行われます。実施方法は学科試験および実技試験となり、学科試験においては65%以上を正解することが求められます。

「製造分野特定技能1号評価試験」機械加工の学科・実技サンプル問題の項目例

前述した13の試験区分なかで、学科・実技サンプル問題の項目例として機械加工をご紹介します。

(1) 学科試験……出題数(目安):30問
①工作機械加工一般:工作機械の種類及び用途、切削油剤の種類及び用途
②機械要素:機械の主要構成要素の種類・形状及び用途
③機械工作法:けがき一般、手仕上げ、その他の工作法
④材 料:金属材料の熱処理等)
⑤製図:日本産業規格に定める図示法・材料記号及びはめあい方式
⑥電気:電気用語、電気機械器具の使用方法
⑦安全衛生:安全衛生に関する詳細な知識
⑧旋盤加工法:旋盤の種類・構造・機能及び用途、切削工具の種類及び用途
⑨フライス盤加工法:フライス盤の種類・構造・機能及び用途、切削加工
⑩マシニングセンタ加工法:マシニングセンタの種類・構造・機能及び用途

(2) 実技試験……出題数(目安):10問)
①普通旋盤・数値制御盤共通
②普通旋盤作業
③数値制御旋盤作業
④フライス盤・マシニングセンタ共通
⑤フライス盤作業
⑥マシニングセンタ作業

機械加工の学科・実技サンプル問題例

また学科試験のサンプル問題の一部もご紹介します。

①工作機械加工一般(工作機械の種類及び用途、切削油剤の種類及び用途)
問題①
日本産業規格(JIS)によると切削時の切りくず形状で良好な仕上げ面になるのは、流れ型といわれるものである。
正答:〇

②機械要素(機械の主要構成要素の種類・形状及び用途)
問題②
ラックとピニオンの組み合わせは、回転運動と直線運動の変換に用いられる。
正答:〇

③ 機械工作法(けがき一般)
問題③
トースカンとVブロックを用いて、円の中心を求めることができる。
正答:〇

その他の試験サンプル問題についても下記よりご確認いただけます。

▶参考:製造分野特定技能1号評価試験-試験制度・サンプル問題|特定技能外国人材制度(製造3分野)          |経済産業省

まとめ

特定技能1号「電気・電子情報関連産業」の外国人労働者を雇用するには注意すべき点も多いですが、一つひとつの注意点をしっかり理解しておくことが大切です。

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