【人材不足の企業必見】外国人労働者の受入れ可能な業種とは?

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執筆者:

外国人採用サポネット編集部

少子高齢化による人手不足が深刻な日本では、対策の一つとして外国人労働者の受け入れが加速しています。外国人労働者を雇用するには、まずは自社の事業分野で外国人労働者を雇用することができるのか確認する必要があります。

そこで、外国人材の雇用に関心がある採用担当者に向けて、外国人労働者が従事できる職種や業種、在留資格の要件などをご紹介します。

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監修:行政書士/近藤 環(サポート行政書士法人)

在留資格に関するコンサルティング業務を担当。2019年に新設された「特定技能」も多数手がけ、申請取次実績は年間800件以上。 行政書士(東京都行政書士会所属 /第19082232号)

外国人労働者の現状

世界でも例を見ないスピードで、日本では少子高齢化が進んでいます。そのため人材不足が深刻化しており、解決策の一つとして、多くの企業が外国人労働者の採用に対し、熱心に取り組んでいます。

2023年1月、厚生労働省が発表した「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末現在)によれば、外国人労働者数は2,048,675人で、前年比225,950人(6.9 %)増加しています。これは、2007年に届出が義務化されて以降、過去最高の数値です。

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外国人労働者受け入れの3つのメリット

外国人労働者を受け入れる企業には、どのような効果が期待できるのでしょうか。そのメリットを簡単にまとめました。

(1)人手不足の解消と労働力の確保

一番のメリットは、「人手不足の解消と労働力の確保」です。日本人だけでなく、世界中の国から人材を募集すれば、単純に母集団が広がるため、希望する人材に出会える可能性が高くなります。特に、農業など採用が困難な業界や、エンジニアなど専門スキルが必要な業界、また、宿泊業や飲食サービス業など慢性的に人材が不足している業界にとっては、チャンスが広がるといえるでしょう。

(2)採用に関わるコストを最適化。また、助成金も利用できる

希望の人材が雇えるまで採用活動を継続するため、企業は多額の費用と労力がかかります。しかし、国内外の外国人を対象に含めると、対象となる求職者の数が増え、効率よく期待通りの応募者を集めることができるかもしれません。これにより、求人広告などのコストが改善されます。また、外国人を受け入れた際に使える助成金の制度が国や自治体によって定められていることもあります。

(3)海外進出への足掛かり

海外進出を考える企業にとって、現地の法律や文化、言語、ビジネスの習慣などは大きな障壁になります。しかし社内に、そういったことに精通した外国人労働者がいれば、海外進出がスムーズにいくケースも増えるのではないでしょうか。

そのほか、「社内の文化が多様化し、新しいアイデアが生まれやすくなる」、「従業員のコミュニケーション能力が磨かれる」なども、外国人労働者を雇用するメリットといえるでしょう。

外国人労働者の業種別の割合

外国人労働者は、どのような業種に従事するのでしょうか。先程の『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末現在)』には、外国人労働者が従事する産業別の割合が掲載されています。

掲載されているグラフによれば、「製造業」が 27.0%で最も多く、次いで「サービス業」が 15.7%、「卸売業、小売業」が 12.9%の順となっています。

人材不足が深刻な業界ほど、外国人労働者の数が多いことがグラフから読み取れ、「医療・福祉」「建設業」の業界なども外国人労働者の数がさらに増えていくことが予想されます

外国人労働者の在留資格別の割合

日本で働く外国人労働者は、一体、どのような在留資格を持っているのでしょうか。

『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末現在)』によれば、「身分に基づく在留資格※1」が最も多く 、外国人労働者数全体の30.1%を占めています。

次いで「専門的・技術的分野の在留資格※2」が29.1%、「技能実習」20.1%の順番になっています。

※1 「身分に基づく在留資格」には、「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」が該当する。

※2 「専門的・技術的分野の在留資格」には、「教授」、「芸術」、「宗教」、「報道」、「高度専門職1号・2号」、 「経営・管理」、「法律・会計業務」、「医療」、「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、「企業内転勤」、「興行」、「介護」、「技能」、「特定技能」が該当する。

技能実習制度と受け入れ可能な職種

外国人が日本に滞在できる在留資格には、さまざまな資格があります。そのなかで、多くの外国人が取得している在留資格が「技能実習」です。

「技能実習制度」とは、通常の就労ビザと異なり、国際貢献を目的とした在留資格です。最長3年間、日本で雇用されながら技術を身につけて母国へ帰国し、現地で活かしてもらうことを目指します。

技能実習の理念として、以下の2つが掲げられています。

1、技能等の適正な修得、習熟又は熟達のために整備され、かつ、技能実習生が技能実習に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行わなければならないこと

2、労働力の需給の調整の手段として行われてはならないこと

このように、「技能実習は不足している労働力を補うために活用する制度ではない」ということを必ず念頭に置いておきましょう。

技能実習に該当する職種は、2023年3月現在、「85職種156作業」あります。

農業施設園芸、畑作・野菜、養豚、養鶏、酪農など2職種6作業
漁業かつお一本釣り漁業、いか釣り漁業、ほたてがい・まがき養殖作業など2職種10作業
建設建築板金、建築大工、とび、タイル張り、左官、配管など22職種33作業
食品製造缶詰巻締、加熱・非加熱生水産加工食品製造業、パン製造など11職種18作業
繊維・衣服紡績運転、染色、ニット製品製造、寝具製作、カーペット製造など13職種22作業
機械・金属鋳造、鍛造、機械加工、金属プレス加工、めっき、機械検査など15職種29作業
その他家具製作、印刷、製本、プラスチック成形、塗装、溶接など19職種35作業
規則別表第二第八号の
法務大臣及び厚生労働大臣が
告示で定める職種及び作業
空港グランドハンドリング(航空機地上支援作業)など1職種3作業
参考:外国人技能実習機構|移行対象職種情報

技能実習を受け入れるには、(1)企業や個人事業主が受け入れる「企業単独型」と、(2)非営利の監理団体が管理・企業へ受け入れを行わせる「団体監理型」の2種類があり、多くのケースでは「団体監理型」で行われています。

技能実習は「講習」「技能実習1号(1年目)」「技能実習2号(2・3年目)」「技能実習3号(4・5年目)」という4つの期間に分かれており、「技能実習1号」以降、各期間の終了時には、次の期間も実習を続けるのにふさわしいスキルを身につけているか、試験が行われます。その試験に合格すれば、次の実習期間に必要な在留資格を取得することができます。

特定技能制度と受入れ可能な業種

『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末現在)』にある「外国人労働者の在留資格別の割合」を見ると、「専門的・技術的分野の在留資格」が29.1%を占めています。

この「専門的・技術的分野の在留資格」の1つに該当するのが、特定技能です。

在留資格「特定技能」とは

特定技能とは、少子高齢化による労働力不足の解決を目指し2019年4月に日本政府が創設した、新たな在留資格です。特定技能制度は、日本国内で人手不足が最も深刻化している14の業種・産業分野において、一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れる制度です。そのため、受入れ機関に対する条件は技能実習ほど厳しくなく、また、外国人労働者に任せられる業務内容の範囲も、技能実習より広くなっています。

外国人労働者が特定技能の資格を取得するには、以下の2つを満たすことが必要です。

(1)一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材であること

(2) ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力を有すること

これらを満たすため、外国人材は「各業種が独自に行っている技能測定試験に合格すること」、そして、「日本語試験で一定レベルの成績を修めること」が求められます。

そのほか、以下の要件を満たせば技能実習2号から特定技能へ上記2つの試験を受けずに移行することも可能です。

(1)技能実習2号を良好に修了

(2)技能実習での職種/作業内容と、特定技能1号の職種が一致

特定技能は、現在、非常に注目を集めている在留資格であり、資格を取得した外国人材の数は、大きく増加しています。特定技能制度の開始から2年が経過した2021年6月末時点で特定技能で在留する外国人は2万9144人に達し、1年前の5950人から5倍近くに増加しています。新型コロナウイルスの感染拡大により、海外から新たな外国人材を迎えるケースが減っている一方で、国内で「技能実習」から在留資格を移行する人が増えているのが主な要因と考えられます。

特定技能の対象となる職種も、徐々に解禁・増加している現状を考えると、今後も、特定技能の資格を取得する外国人労働者はますます増加するとみてよいでしょう。

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「特定技能」の受入れ可能な14業種 一覧

特定技能を受け入れることができる業種は、以下の14業種です。

※「試験区分」……在留資格「特定技能」を取得するために必要な試験の種類のこと。例えば、介護は1試験区分しかありませんが、素形材産業については13試験区分あり、従事する業務によって、試験内容が異なります。

これらの業種のなかでも、特定技能の受け入れ数の推移を見ると、次のようなグラフになります。これを見ると、飲食料品製造業が最多で、令和3年6月末時点で35.9%を占めています。次に多いのが農業で、同時期に13.8%を占めています。

▼特定技能「飲食料品製造業」について詳しく知りたい方はこちら

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それから注目したいのが、令和3年6月末の時点で4位につけている介護業です。令和2年6月末の時点では非常に少なかったのですが、令和3年6月までの間に大きく増え、特定技能在留外国人数の9.3%を占めるまでになりました。日本ではますます超高齢化が進むことを考えると、この傾向は今後も持続すると予測されます。

それぞれの業種で外国人労働者が従事することができる業務は決まっているため、人材を雇用する場合は注意が必要です。

▼特定技能外食について詳しく知りたい方はこちら

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まとめ

人材不足と少子高齢化が進む日本において、外国人労働者に対する期待はますます大きくなっています。特に、コロナ禍が収束へ向かえば、国をまたぐ移動が増えることにより人材の流動は活発になり、グローバル化の流れが再び活発になることが予測されます。

そのため自社ではどの業種の外国人材を雇用できるのか、雇用した際のメリットや方法についてしっかり確認し、長期的な視点で施策を考えると良いでしょう。

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