「特定技能」と「特定活動」は何が違う?移行準備についても解説します!
名前が似ている在留資格である「特定技能」と、「特定活動」は、それぞれの在留資格が作られた目的や、期間に大きな違いがあります。
本記事では、「特定活動」と「特定技能」の在留資格について、それぞれの目的や期間などの違いを分かりやすく説明します。そのうえで、特定技能の取得準備期間を滞在するための特定活動についても解説します。
目次
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「特定技能」と「特定活動」の違い
「特定技能」と「特定活動」には大きく分けて3つの違いがあります。
- 「特定活動」と「特定技能」が作られた目的の違い
- 在留期間の違い
- 家族帯同可能かどうかの違い
この3つの違いについて以下で詳しく説明します。
①「特定活動」と「特定技能」が作られた目的の違い
「特定技能」と「特定活動」は、それぞれの在留資格が作られた目的が大きく異なります。
「特定技能」は、日本の企業が外国人を受け入れることで、人手不足を解消するために設けられました。特定技能外国人が働ける分野は16分野あり、それぞれの分野で在留資格を申請するための技能試験と日本語試験の基準が設けられています。
「特定活動」は、他の在留資格では認められない特別な活動で滞在する外国人に適用されます。そのため「特定技能」とは異なり、就ける業種が多い在留資格ですが、特定活動の中にはあらかじめ活動内容が定められているものもあります。
②在留期間の違い
| 在留資格 | 最長在留期間 | 一度に許可される期間 |
| 特定技能1号 | 最長5年 | 1年以内 |
| 特定技能2号 | 上限なし(更新可) | 3年、1年、6ヵ月のいずれか |
| 特定活動 | 最長5年(法務大臣が指定) | 5年、3年、1年、6ヵ月、3ヵ月、または個別指定の期間 |
特定活動は、活動内容により、在留期間が異なる点が特徴です。例えば、よく活用される在留資格である下の2つの在留資格にも在留期間には違いがあります。
③家族帯同可能かどうかの違い
「特定技能」と「特定活動」では、家族の帯同が認められるかどうかにも違いがあります。
特定技能は2号を取得すれば家族の帯同が可能ですが、特定活動では、原則として認められておらず、家族帯同可能かどうかは活動内容によって個別に判断されます。
特定活動で家族の帯同が認められる場合は、在留目的が長期間であり、就労が可能で、あらかじめ制度として認められている活動の場合に限られます。
家族の帯同が認められる活動の例は以下となります。
- EPAによる看護師・介護福祉士候補者
- 外国大学卒業者の特定活動(J-Find) など
※J-Findとは優秀な海外大学などを卒業した外国人が、日本で「就職活動」または「起業準備活動」を行う制度です。在留資格「特定活動」(未来創造人材)を付与され、最長2年間の在留が可能となります。
「特定技能」とは
「特定技能」とは、就労を目的とした外国人が日本に滞在するための在留資格です。
日本の深刻な人手不足に対応するために創設され、特に人手不足が深刻な16分野が対象となります。
「特定技能」は、1号と2号があり、以下がそれぞれの特徴です。
| 特定技能1号 | 特定技能2号 | |
| 技能 水準 | 技能試験と日本語試験に合格(JLPT N4以上、もしくはJFT-Basic200点以上) ※技能実習2号を良好に終了した場合は日本語試験が免除される | 特定技能1号より高度な技能試験に合格する必要があり、さらに一定の実務経験が求められる |
| 外国人支援 | 所属機関または登録支援機関による支援が必須 | 所属機関または登録支援機関による支援は必須ではない |
| 家族 帯同 | 原則不可 | 配偶者と子どもの帯同可能 |
| 在留 期間 | 最大5年 | 更新すれば上限なし |
「特定活動」とは
「特定活動」は、前述したとおり、外国人の多様な入国目的に対応するために創設され、他の在留資格にあてはまらない特別な活動をする外国人に対して、法務大臣の許可により認められます。
「特定活動」は大きく分けて2種類に分類されます。
以下で詳しく説明していきます。
特定活動は大きく2種類
「特定活動」は、「告示特定活動」と「告示外特定活動」の2種類に分類されます。
「告示特定活動」とは、法務大臣が「告示」であらかじめ定める活動内容に該当する在留資格です。
[告示特定活動の一例]
- ワーキングホリデー(告示5号)
休暇・観光目的で入国しながらも、滞在中の旅行・宿泊資金を補うための就労が認められる在留資格。 - インターンシップ(告示9号)
外国の大学に在籍する学生が、学業などの一環として日本の企業などで報酬を得て就業を行うための在留資格。 - 日本の大学を卒業し、高い日本語能力をもつ外国人の就労(告示46号)
日本の大学などを卒業した外国人が高い日本語能力を活用することを要件として、幅広い業務に従事する活動を認める在留資格。通常、特定活動46号と呼ばれる。
「告示外特定活動」とは、「告示特定活動」に定められておらず、法務大臣が個別にその人の事情を考慮して許可する活動です。
[告示外特定活動の一例]
- 就職活動継続中の活動
- 特定技能を取得する準備期間中の活動
- 本国情勢を踏まえた在留ミャンマー人への緊急避難措置
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特定技能の取得準備期間を特定活動で滞在する
特定技能の取得を目指して準備を進めている外国人が、準備期間中も日本に滞在する必要がある場合には、移行準備のための「特定活動」を申請することができます。
この「特定活動」は、特定技能への移行を前提とした在留資格であり、主に個別の事情や目的に応じて付与されるもので、次のようなケースで利用されます。
- 特定技能「自動車運送業」の取得準備期間
外国人がトラックやバス・タクシーの運転手として特定技能1号の取得を目指す際、日本の運転免許の取得や新任運転者研修の修了が必要です。それまでの期間を「特定活動」で滞在するケースとなります。
このケースについてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご参照ください。
▶特定技能「自動車運送業」を解説!トラック・タクシー・バスの外国人ドライバー雇用とは
- 特定技能「建設」の取得準備期間
特定技能「建設」の在留資格申請には、受入れ企業が作成した「受入れ計画」(就業条件、支援内容など)の審査・認定が必要です。申請手続きから認定までに時間がかかるため、すでに所持している在留資格の期限が切れてしまう場合に「特定活動」で滞在するケースとなります。
このケースについてもっと詳しく知りたい方は、以下の資料をご参照ください。
- 特定技能への移行準備期間
特定技能の申請は複雑で時間を要する事が多いため、特定技能の在留資格を取得する前に現在所持している在留資格の期限が切れてしまう場合があります。こうした場合、特定技能の在留資格を取得するまでの間、「特定活動」で滞在することがあります。
特定技能への移行準備として特定活動を申請する方法
ここでは、特定技能への移行準備期間、日本に滞在するための特定活動を申請する方法について解説します。
申請できる主な要件
以下の要件を満たす外国人は、特定技能への移行準備のための「特定活動」を申請できます。
特定技能への移行準備のための「特定活動」申請要件
- 現在、技能実習などを修了し、特定技能への変更を予定していること
- 受入れ企業との雇用契約手続きや、「受入れ計画」の認定・審査を待っていること
- 特定技能試験の合格待ちや、必要書類の取得待ちなど、やむを得ない理由で即時の在留資格変更ができないこと
- 申請時点で明確に「特定技能」への移行意思があること
技能実習から特定技能への移行について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
▶【行政書士が解説】技能実習から特定技能への移行は可能?手続き方法は?
申請時に必要となる主な書類
移行準備のための特定活動を申請する際には以下の書類が必要です。
必要書類
- 在留資格変更許可申請書
「特定活動」への変更申請であることを明記 - 申請理由書
なぜ特定活動が必要なのか、具体的な移行スケジュールや準備内容、今後の見通しなどを記載 - 技能実習修了証明書や、特定技能試験の申込書・合格証明書など
- 受入れ企業との雇用内定通知書や、受入れ計画の認定申請中であることを示す資料
- パスポート・在留カード(原本)
- その他、状況に応じて入管から追加提出を求められる資料
技能実習修了から申請日までの活動履歴・生活状況を記載した説明書や本人または支援者(受入れ企業など)の銀行残高証明、経費負担誓約書など
特定活動への変更申請は、企業側の協力も必要
特定技能への移行準備を目的とした「特定活動」への変更申請は、企業側が作成・準備しなければならない書類が含まれているため、受入れ企業の協力が不可欠です。
たとえば、雇用内定通知書や受入れ計画、支援体制に関する説明書など、申請者と受入れ企業の関係や今後の就労予定、サポート内容などを記載する必要があります。これらは申請者本人だけでは用意できないため、企業側も申請者と連携して準備を進めなければなりません。
移行準備としての特定活動で滞在する場合の注意点
特定技能の移行準備期間を特定活動で滞在する場合には5つの注意点があります。
- 移行準備としての特定活動で滞在する場合の注意点
- 「特定活動」での滞在は、原則6カ月以内のため、必要な準備や手続きは期間内に完了できるよう計画を立てる必要がある。
- 特定技能への移行準備が目的で認められるため、他の活動(アルバイトなど)は原則認められない。
- 特定技能への在留資格の変更は、「特定活動」の在留期間中に必ず申請しなければなりません。期間を過ぎてしまうと、不法滞在となる可能性がある。
- 「特定活動」への申請は、個別審査となるため、全てのケースで許可されるわけではない。
- 特定活動で日本に滞在した期間も、特定技能1号の最長5年間の在留期間に含まれる。
移行準備のための「特定活動」は、受入れ企業で特定技能として働くために申請を行うことが目的となります。そのため、特定活動を申請した外国人は、移行準備のための特定活動により滞在している期間中、受入れ企業以外での就労は認められていません。
在留資格を理解したうえでの外国人採用がおすすめ
「特定活動」には多くの種類があり、その目的や条件は多岐にわたります。また、「特定技能」は就労目的での外国人の受け入れに特化した在留資格であり、特定活動とは異なる特徴があります。これら在留資格の違いや要件を十分に理解したうえで、外国人採用や受け入れを進めることが重要です。






